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QT Lab.品質・技術研究室

技術者のための品質工学、品質管理、統計学、機械設計、信号処理を
解説します。

第18回品質管理検定 2級 問4 その1

2014-11-08 09:20:44 | 品質管理検定

 先月下旬から、新しい書籍を執筆するための準備を始めたため、これに時間を取られてブログ更新がおろそかになっていました。
 執筆準備のほうがすこしまとまってきたので、久々になりますが第18回QC検定2級の解説をしてみます。
 今回は問4です。問題の内容は

 ある会社で生産しているフィルムの厚さの規格範囲は 40≦ t ≦60〔μm〕 である。
 破れが発生して歩留りが悪くならないように中央値の50〔μm〕よりやや厚めの52〔μm〕をねらっていたが、現実は、平均54〔μm〕、標準偏差5〔μm〕で製造されていた。フィルムの厚さは正規分布にしたがっているとして

① 現状での不適合品率は(11)%である。平均をねらい値にすれば不適合品率は     
  (12)%まで減る。

② 技術向上によってやぶれることがなくなったので平均を50〔μm〕にできるようになった。
     このとき、標準偏差を(13)にすれば現状の不適合品率の1/10 にできる。

という問題です。

 では、①の解説をします。

 この問題は、平均;m と 標準偏差;s を使って正規化処理をし、その結果を標準正規分布表を使って検証する問題になります。観測されたデータをxとすると

 z=(x-m)/s 

で zの値を計算します。
 zの値は(x-m)、つまり、観測値と平均の距離は標準偏差の何倍(z倍)になっているのか?を調べているのです。

 標準正規分布表では標準正規分布でzの値を境界として、境界より大きい側の事象が生起する確率;Pがしめされています。

 規格範囲は 40≦ t ≦60〔μm〕 ですから、フィルムの厚さの平均は下側限界まで
 絶対値(40-54)=14〔μm〕 です。また、上側限界までは 60-54=6〔μm〕 です。

 この結果を標準偏差 5〔μm〕 で割って、その結果を標準正規分布表に照らすと上側と下側の規格から外れる確率が求まります。

 下側は z=14/5=2.80 で 標準正規分布表に照らすと P=0.0026です。
  上側は z= 6/5=1.20  でP=0.1151です。このふたつの確率を足したものが不適合品率になります。 
 その結果、0.1177 となり、約11.8% ですから、(11)の選択肢は(ケ)になります。
 
 ねらい値(52〔μm〕)にチューニングできたとすると、下側限界まで、12〔μm〕、上側限界まで8〔μm〕になりますから、
  下側 z=12/5=2.40 で P=0.0082 上側 z=8/5=1.60で P=0.0548 になります。
  その結果、不適合品率は6.3%となって、(12)の選択肢は(カ)になります。

 ②は次回解説します。

 

 


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