
地形図、登山地図に限らず、地図は基本的には上が北になるように作図されています。地図上の北は「真北」と呼ばれ、その延長線は北極点に至ります。また、地図を活用するために必要不可欠なコンパスが指す北は「磁北」と呼ばれ、北極点からずれた地点にある磁北点を指し示しています。このずれを「磁北偏差」と呼び、その値は場所によって、また経年変化で差がでてきます。
日本地図ではおおむね西へ5度~9度程度のずれがあり、各地形図には 「西偏○度○分」という具合に記入されています。(地図の右端に記入してあります)7 度という値は一見小さそうですが、1km 進むとその誤差は約120mにも達する為無視はできません。このような理由で、地図とコンパスを有効に使うためには、地形図もしくは登山地図上に西偏角度を示す「磁北線」を何本か記しておく必要があります。地形図なら4cm 間隔(5 万分の1 では2km、2.5 万分の1 では1km 間隔のスケールになります)で磁北線を引いておくと使いやすくなります。
日本の主な磁北偏差
札 幌 9.4度 東 京 6.9度 大 阪 7.0度 沖 縄 4.2度
宗谷岬10.3度 南鳥島 0.4度

赤線→磁北線
青線→真北線