かる~い気持ちで見てきた

2016年12月03日 23時50分52秒 | 日記


・・・そしたら滅茶苦茶面白かった。
シン・ゴジラが今年見た物の中でブッちぎりだったけどそれと並べたい位に好き。

シン・ゴジラの場合は元々題材に対して結構な思い入れと不満があったからこそ
見ている間の怖さや面白さや興奮等が他と変えがたいものがあってだからこその
カタルシスと思い入れの強まりに繋がったんだけど作品としての完成度で言えば
こっちのが数枚上手と言わざる得ないですね。

お話としての完成度は勿論なんだけど、のほほんとして水彩画が好きな主人公の
すずが見ている世界と絵柄と色調とほのぼのとした作風と演出が凄く合っていて
まず単純に見ていて面白い。この映画に対してそういった感想持つのもどうかと
思うけどキャラ萌えアニメとしても優れてるのではないかと。能年ちゃんの声も
すずのどこか間の抜けた雰囲気に合っていて頬が緩むシーンがいっぱいあった。

あと出てくる人みな明るいから思わず笑っちゃう。かように劇中のテンションは
ずっと同じ感じで進むけど食事事情が変わっていくから薄々と迫ってくる事態の
深刻さは解るというのもさりげないけど上手い。

・・・ていうかこの映画食事シーンの使い方がラストに至るまで秀逸だよなあ。
戦況が悪化がするという事は市民の生活が奪われるて行くという事でもある訳で
食事のシーンひとつでそれが一目で見えるのが効果的だし生きるという事は何か
食べなきゃいけない訳だから見てる側にもその切迫感が実感として伝わりやすい。
でも市民の目線じゃ戦況を知りようが無いから、皆食べるもんが無いなぐらいの
テンションで笑ってられるんだろうなぁとも思った。

でも後半に行くつれそれを侵すように視界の隅や会話の節々から見たくもない
聞きたくもない事が徐々に増えて行くから辛い状況でも生き生きしてるすずとは
対照的に結果を見ている俺は19年辺りでもうこれ以上先に進まないでくれとか
胸が痛くなって来ちゃった。

中盤以降に出てくる会話一つとっても先の結果を知っているからいちいち辛いん
だけどそれが決定的に崩される瞬間が感情移入しながら見ていただけにもう本当に
可哀想で・・・で、その日常を崩す兵器の描写がまたすずの描く世界とは対照的に
えげつないリアルさ・・・とかこれ以上書くとネタバレになるからやめよう。

ネタバレになるってのもあるけど、この映画刺さった人が熱量を持って感想書くと
同じ様な感想になるのは目に見えているから感想文下手な俺がわざわざ言うまでも
無いかな~とも思ったりして。逆に言えばそれだけ面白さやテーマについて感じる
部分を多くの人と共有し易い。戦争の罪を写してはいるけどあくまでそれは背景で
生きるという普遍的なテーマを描いた映画だから、戦争は庶民にとっては何も良い
事は産まないというほんのり反戦の意味もあるにせよ全然押し付けがましくない。
学校の授業とかで戦争の悲惨さを知るために戦争の資料映像見せられたりとか
あったりしたけどこれ見せたほうが良いんじゃないかって位には思ったかな。

四の五の言うより「見てない人は今すぐ見て!」言いたくなる映画でした。
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