孤独のグルメ2を今更読んだ

2016年01月18日 20時14分17秒 | 日記
去年秋に出たものを年始に買って昨日まで読まなかった
・・・というくらいに期待値は低くがっかりする覚悟は
出来ていたのだけども、それを差し引いてもがっかり。
背景の書き込みは相変わらずで、食べ物も美味そうに
描けていたから決して悪くは無いけど飯を食うシーンを
描かれれば描かれるほど原作レイプをされている気分に
なってなんともいたたまれなかった。

自分が孤独のグルメを漫画として真っ当に好きなのは
中年男性見え隠れする悲哀やそのモノローグから出る
世知辛さ、それを紛らわすひと時の豊かな食事という
ストーリーの塩梅の良さと、それを演出するリアルな
背景描写があるからこそなのだけど2は五郎が食事を
する度にそれを蔑ろにされてしまっていたのだもの。

なんというか悪い意味で同人誌みたいだと思ったなぁ。
ドラマ版を見ていても思ったけど、久住がネットで火が
付いた人気に応えようとしているのが見て取れちゃって
おこがましいことこの上ないのは承知の上なんだけども
赤ペン先生して久住に送りたいぐらいの気分になった。
「孤独のグルメの魅力はそこじゃねぇ!」・・・って。

ドラマ版は原作とは別物としてあれはあれで好きだから
松重豊が演じる五郎なら2の話も違和感なく見れたかも。
原作と比べると愛想が良いし尺も長いから食事シーンを
2の割合で作っても街並みを映すシーンに回す尺はあるし。
ドラマ版もモノローグに合わせて街並みを歩くところとか
引きでただの一般人に紛れ込んでいく演出は原作っぽくて
好きだから余計そう思った。

孤独のグルメ新装版の巻末インタビューで孤独のグルメは
ハードボイルドで食事シーンは濡れ場(厳密に言い回しも
違うし濡れ場というのは食べ物漫画全般に対して言ってた
事なのだけども)と表現していて物凄いしっくりきたのに
これじゃあポルノに成り下がってしまったようで残念です。

だけど久住も決してそんなに金持っている訳じゃないだろし
面白い漫画原作を描いたから、潤って欲しいという気持ちも
あって2の最後に収録されている話を読み終わった時には
まぁ・・・これでいいのかな・・・という感想に落ち着いた。

でもねそう思えたのは最後の話の空気が初代に近いのもあって
あの話に限っては割と真っ当に好きになれたのも大きいかな・・・。
食べ物に対するリアクションも控えめで表情も穏やかでいい感じ。
もし3を出すならせめてあれぐらいのもんを描いて欲しいですね。
コメント
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