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サギソウ・1~裂片

 ラン科ミズトンボ属の「サギソウ(鷺草)」。本州~九州に分布している多年草で花期は7~8月。花径は3センチほどで唇弁は大きく3深裂し両側の裂片は細かく裂けている。この姿が空を舞う白鷺を思わせるために名付けられている。これは昭和記念公園のもの。
 さてサギソウの花を特徴づけるギザギザ裂片の適応的意義は長い間不明だった。今年6月、神戸大学大学院理学研究科、姫路市立手柄山温室植物園、大阪市立自然史博物館の研究グループが『サギソウのギザギザが花粉を運ぶスズメガが花をつかむための支えになっている』ことを明らかにした。研究グループは3年間にわたり自生地における“ギザギザの切除実験”を行い、その結果ギザギザを切除した個体は切除しなかった個体に比べ果実1個あたりの健全な種子数が低下することを見つけた。更にサギソウの主要な花粉の運び手であるスズメガがサギソウの蜜を吸う際に通常はギザギザ部分に脚を掛けてつかまる一方で、ギザギザを切除するとスズメガが花に脚を掛けることができなくなることがわかった。これまではスズメガがホバリングしながら蜜を吸うと考えられていたが、本研究はこのギザギザがそこに花があるという視覚的なガイドではなくスズメガが吸蜜中に花をつかむ支えとして進化してきたかを示唆する重要な成果だとしている。
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シマサルスベリ・2~樹皮

 ミソハギ科サルスベリ属の「シマサルスベリ(島百日紅)」。屋久島や種子島以南の南西諸島に自生している落葉高木で樹高は20メートルにもなる。樹皮が滑らかで白いまだら模様が美しく公園樹や庭園樹として植栽されている。これは神代植物公園のもので当地では自生は見られない。
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