私達のあゆみ 第65話
にゃきちは、抗生剤が効いて血尿がおさまりました。
猫の病院に行って初めて腎臓サポートフードなるものが
あると知りました。
私達の勉強不足でかわいそうなことをしてしまった
にゃきちです。
4、5年前から5.5キロあった体重が今は3.5キロまで減って
しまったのです。
先生から勧められた腎臓サポートフードで食欲をとりもどし
少しずつ元気になりました。
これで、体重も増えていくと安心です。
そして、久々にヒモで遊んだりするくらい回復しました。
ボルドは、
退院して2週間位が過ぎて、
発作もなく
だいぶ足もしっかりしてきました。
でも、一時は
歩くことも出来ずに、
この先、どうなるのかと
不安な気持ちでいっぱいでした。
クチにも
少しマヒがあるのか
噛めずに落としてしまったり
クチに入っていないのに噛んでいるみたいに
クチをパクパクしています。
これも後遺症なんだと思います。
後遺症って、このまま歩けないこと?
こんな状態でボルドは幸せなんだろうか?
もしこのままだったら、
何をどうして行けばいいの?
などなど、パパ猫ともいろいろ話しました。
この先も歩けなかったら?
お留守番中のおトイレはどうするか?
私が仕事を辞めて介護できればいいけれど
住宅ローンやら車のローンやら
長男猫や猫娘の教育費やら、
ジジィ猫のにゃきちだって、まだお金がかかるし、
今、ボルドのために仕事を辞める訳には行きません。
命は助かったけれど、
共働きでやっと生活している私達ですので、
経済面でも介護の部分でも現実と不安のなか、
この先の見通しすら考えが纏まらない状況でした。
こんなとき、
パパ猫は冷静で、
WANは大切な家族だけれど、
WAN中心に人間の生活を大きく変えてしまう事はよくない。
今、できることを最大限してあげればいいんだよ。と言います。
「出来る事の限界」、「生」そして「死」、
誰でもその存在を実感する時があると思います。
分かってはいても、気持ちと現実が異なり、
モヤモヤしながら、2週間が経ったのです。
幸いボルドは、歩けるようになり、
普段の生活は、散歩以外普通にできるようになりました。
まだ、ヨロヨロしますがボールをジャンプキャッチすることも
できました。
そんな頃、
マロンが、おもちゃを持って行って
「ボルちゃん、遊ぼうよ~」と誘ってくれはじめました、
ボルドも遊びたい気持ちで一生懸命だったのだと思います。
ボルドと違って、性格の粗いマロン。
当初私は、マロンをあまり好きではなかったんです。
でも、この頃から、
ある時は引き、ある時は強引に絡む。
ボルドと共に寝て・・、遊び・・、食す・・。
日々の写真をよく見ると、
マロンの視線は常にボルドに向いていたんです。
本当に相手を気遣う態度に
「はっ」っとさせられ、
この子の素晴らしさに気づかされたんです。
ボルドも表情豊かで理知的に感じてきましたが、
マロンの感情豊かで繊細な神経に身震いしそうでした。
私にとってマロンが本当の家族に思えた瞬間でもあります。
マロンの成長に心温まり・・、
ボルドとにゃきちの体のことを考えつつ
またひとつ歳をとった私です。
この年の誕生日は、
人生で初めて「命」を考えさせられました。
なんだか急に「生」、そして「死」が
実態があるかのごとく、
私達のそばをウロついているかのようでした。
(第66話へ つづく)
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