2018年10月15日 / エピソード
イラスト/たけだあおい
『休日のホットケーキ』
娘は幼い頃、
『しろくまちゃんのほっとけーき』(こぐま社)が大好きでした。
いつものように本を読んでいると、娘がひと言。
「しろくまちゃんのお母さんは、今日はお仕事お休みだね。
お休みじゃないとホットケーキ作れないよ」
私は言葉が出ませんでした。
仕事をしている私がホットケーキを作ってあげられるのは、
お休みの日だけだったのです。
当時、フルタイムで働いているお母さんは私くらい。
娘は寂しい思いをしていたと思います。
そんな私も今年、定年退職を迎えました。
娘からのお祝いの花と“おつかれさまでした”という
メッセージが届きました。
“いつも忙しいお母さんで申し訳ありませんでした”
と、娘にメールをするとこんな返事が。
“家にお母さんがいる友達をうらやましく思うこともありましたが、
私が好きなことや、やりたいことを不自由なく出来たのは
お母さんがずっと頑張って働いてくれていたからです。
ほんとうにありがとうございました。“
ずっと心のどこかで「申し訳ない」と罪悪感がありましたが、
「わかってくれていたんだ」と肩の荷がおりました。
福島県 相樂久美子 60才
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