発見記録

フランスの歴史と文学

読まずに想像するLes Guêpes

2005-11-02 22:44:44 | 本と雑誌
10/30の記事中、Alphonse Karr のLes Guêpesは検索すると「小説」romanだとされている方もいる。
「風刺的雑誌」としたのは、たとえばここ
古書のデータに説明がつく。Revue satirique rédigée par Alphonse Karr (1808-1890), dans laquelle il peint la société intellectuelle, culturelle et politique de son époque, et en dénonce les sottises, les abus et les magouilles. Les Guêpes piquaient avec humour, sans être vraiment féroces.
『雀蜂』でアルフォンス・カールは「時代の知・文化・政治の世界を描き、その愚劣、悪弊、怪しい企みを告発」する。「『雀蜂』は刺したがユーモアをまじえ、冷酷無残にはならなかった」
上の資料でLes Guêpesの挿絵画家としてベルタルBertallの名が見える。ベルタルのバルザック『人間喜劇』挿絵はこちら
Les Guêpesの刊行と近い時期の『フランス人の自画像』Les Français peints par eux-mêmes(1839-1842)ではアルフォンス・カールがL'Horticulteur(園芸家)を担当。チューリップの流行、植物好きの男二人の争い、そんな話を書いている。

白と黄のチューリップの優越論議が起こったことがあるという。花好きは二派に分かれ、書簡や小冊子、唄、論争的文書、大部の著作で論争した。
Les amateurs des tulipes jaunes furent traités d’obstinés, de gens enveloppés des langes des préjugés, d’illibéraux, de rétrogrades, de ganaches, d’ennemis de lumières, et de jésuites.
Les partisans des tulipes blanches furent déclarés audacieux, novateurs, révolutionnaires, démocrates, tapageurs, sans-culottes, jeunes gens.
(黄色いチューリップ党は頑固者、偏見のおむつを捨てられない人間、反自由主義、時代遅れ、薄ばか、啓蒙の敵、イエズス会士扱いされた。
白いチューリップ党は大胆で革新的、革命家、民主主義者、騒動を好み、過激共和派、若者と認められた)
『雀蜂』誌上でアルフォンス・カールが例の≪「パンがなければ」のマリー・アントワネット≫伝説に反駁をしたとするなら、つながるのはこの辺か。