あなたは疲労もいとわず
寂静の楽しみを失っても平気だった
悪人との出会い、対立、喧騒
こんな様々な悪徳を
まるで善徳のようにその身に引っかぶって
あなたは世の人のためを考えていた
心に執着はなかった
もろもろの覚者の法則のなんと崇高なことだろう
粗末な食事に不平も言わず
食物がなければ飢えにも甘んじた
険しい悪路もいとわず
牛の踏み行く泥道の上に寝たこともある
主よ、あなたは主人たるものなのに
覚者の道を求める人を思えばこそ
ののしりの言葉に耐えた
着物を変え、言葉遣いを変えてまで、人につくしたこともある
主よ、あなたは主人なのに
自分に主人と思う心はなかった
すべての人があなたを下男に雇い
好きなように自分の仕事をさせたのだ
どこで誰にののしられても
どんな風にののしられても
正しい行の道を
あなたは踏み誤ることはなかった
恩愛を受けて
恩を返すのが世の人なら
あなたは危害を加えた人にさえ
恩愛を施すのだ
不利を願う敵にも
あなたは利益を願う友達だった
欠点を探し求める人の
長所を夢中に探すあなただった
招かれて
毒や火を見舞われたこともあるが
それでも
慈悲と甘露を携えて行った
怒る人はあなたの忍耐に負け
悪意はあなたの祝福に消えた
真実を語るから中傷はやみ
害意は聖哀れみに抑えられた
無始の過去から
衆生の多くの性質は堕落してきた
それをたちまちに改めさせて
あなたは、衆生が激苦地獄に落ち込むのを防いだのだ