智徳の轍 wisdom and mercy

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ガナチャクラ儀軌(3)

2009-03-17 | ☆【経典や聖者の言葉】


◎タントラの主神への供養

 次に、集会の導師は、香曼荼羅を作成し、すべての供養の品々を、くまなく清浄にして供えるべし。
 花を束ねて、菩提心を生起させた後、次のように呼びかけるべし。

「ヴァジュラダラをはじめとするタントラの主神よ、われわれのことを記憶修習したまえ。この殊勝なる品々を清浄な心で供養いたしますから、お好きなだけお受け取りください。」

 そしてもろもろの花をまくべし。

 次に導師は、会集に向かってこう呼びかけるべし。

「ああ、偉大なる智慧ある者たちよ。大いなる集会の燃え盛る炎で、煩悩を焼くべし。」

 そして全員で至福に浸りながら、
「ア ホー スカ(ああ、至福なるかな)」
と唱えるべし。



◎集会供養

 次に、全員で次のマントラを唱えよ。

「ア ホー スカ バクシャナーン 
 ア ホー スカ プラーヤナーン
 マハームドラーシッディナー プラタニル テーナ
 フーム ハハハハ ホー」

 次に、アーディヨーガからフーム字の声に巧みに合わせながら五つのムドラーをつけた修法者が、小さな杓で甘露をとり、燃え盛る火の中で燃やすべし。頭蓋骨の中を甘露で満たしてから、その甘露を、まず導師に対して、ヨーギニーが蓮華印を組んで差し上げるべし。そしてヨーギニーは同様にして集会の一人一人に甘露をもてなすべし。
 


輪縄

2009-03-17 | ☆【経典や聖者の言葉】
この「わたし」というものを信じているお前の身体という輪縄は、
切られるにふさわしいのだ、ナーローパよ。
幻身が生起するお前の心の鏡を見よ。
ダーキニーの謎の家を。


(ティローパ)

「ガナチャクラ儀軌」要約(2)

2009-03-14 | ☆【経典や聖者の言葉】

◎供物と資具の準備

 客人たちを喜ばせるために、その場に、肉、酒、米、麺、餅、固い食べ物、柔らかい食べ物、飲み物、ギー、嗜好品などを、富ある施主が準備せよ。
 また、最高のお香、塗香、花輪、灯明なども用意すべし。


◎着座

 アーチャーリヤは、輪の中央の座に、良い敷物を敷いて座る。ヨーギーは輪の右側に、ヨーギニーは輪の左側に、良い敷物を敷いて座るべし。


◎甘露の成就

 次に、アーチャーリヤは、ヴァジュラにつけたティラカで、自らの身口意の三ヵ所を、隅々まで祝福せよ。そして最高の花輪と冠と装飾品で、自らの身体を飾るべし。
 次にアーチャーリヤは、もろもろの食物の入った容器を、ア字からできたカパーラであると観想する。そして食物を五甘露であると観想し、さらにその上の空間に、フーム字からできたヴァジュラを観想すべし。
 そしてカルマの火と風によってヴァジュラが溶け、五甘露の上に降り注ぐことによって、甘露が完成すると観想すべし。
 次に、そのヴァジュラから光明が十方に放たれ、その光が、完全なる絶対なる神の叡智の甘露をひっかけて持ってくる。そして三回かきまぜることによって、カパーラの中の甘露と、その完全なる絶対なる神の叡智の甘露が一つに混ぜ合わさり、ヴァジュラの甘露になるのである。
 このときに、次のマントラも唱えるべし。

オーム サルヴァシュッダーハ サルヴァダルマーハ スワバヴァシュッドー ハム

 この次第は、ガナチャクラの最初の段階であるといわれる。



◎ホーマ

 次に、ヨーギニーたちが水を置いた場所で、ラム字から燃える炎の中に、清浄なる光明を観想すべし。
 その中央にヴァム字を観想し、そのヴァム字から八枚花弁の蓮華を観想し、その上に、自らがタントラの主神・ヴァジュラダーキニーとなる曼荼羅を観想すべし。その口は炉口であり、両手にはフーム字から生じたヴァジュラを持っていると正しく観想せよ。
 そして会集の各々が、曼荼羅の各々のタントラの主神であると観想すべし。
 ヴァジュラジャパの仕方によって、妄分別のない心で、秘密のマントラを読誦せよ。
 内のヨーガを決定するのは心の輪であるといわれる。これはガナチャクラの第二段階である。

 

尋ねてみたまえ

2009-03-14 | ☆【経典や聖者の言葉】


 努力をしてでも、心中に不満感を作り出すようにしたまえ。

 夜、自分に向かって、どのくらいの時間を神との交流に費やしたか、どのくらいを他のことに費やしたか、尋ねてみたまえ。

 神に捧げられなかった時間は、空しく費やされたのだ。浪費されたのである。


(スワミ・ブラマーナンダ)

「ガナチャクラ儀軌」要約(1)

2009-03-12 | ☆【経典や聖者の言葉】

「ガナチャクラ儀軌」要約




 狂い笑うシータヴァニヤというところで、サムンジャヤ王という方が施主となり、アーチャーリヤ・ドーンビー・ヘールカなどのヨギーの集団が、無数に集ってガナチャクラを転じた。

 吉祥なるヴァジュラダーキニーに帰依したてまつります。

 虚空の色にひとしき無垢にして広大なるヨーガによって遊戯し、四つの魔を御足に踏みつけて、世界をよく救済なさる、美しくまた畏怖すべきダーキニーであるタントラの主神に礼拝したてまつります。衆生済度のための功徳を積むために、すべてのタントラで最勝と讃嘆される大集会、方便と智慧の遊戯として要約されたその儀軌を説こう。

 

◎目的と吉日

 集会を開くことを願う者は、神秘力を培い、グルとタントラの主神に、心をこめた浄信を持て。
 そして、覚者の境地の獲得には功徳と智慧の蓄積が必要である。よって不断に功徳と智慧を培え。そのためにもこのガナチャクラは最高である。
 儀軌を行なう日は、白日および黒日の8日、14日、15日などが良いとして勧められる。


◎場所の選定

 火葬場や、一本だけ生えている木の下、園林や遊園、自分の住居、あるいは人の近寄らない家屋などにおいて、地面に牛五浄を塗った後、さまざまな花や香料を振りまけ。



◎集会のアーチャーリヤとカルマヴァジリンの選出

 そこでまず最初に、集会を開くことを願う者は、集会のアーチャーリヤとして、もろもろのタントラに精通しており、ヨーガに精進したことによって妄分別を断じ、真実を悟り、大悲とサマヤをそなえ、利己的な欲望が少ない修行者に対して、集会の導き手(アーチャーリヤ)となって下さることをお願いすべし。
 次に、サマヤをそなえ、グルを恭敬し、妄分別が少なく、仲間への憎しみがなく、浄信を持つ者に、アーチャーリヤの補佐役であるカルマヴァジリンとなって下さることをお願いせよ。