ウコギ科のヤツデです。
関東地方以西の本州から四国、九州に分布する常緑の低木です。
日陰でも育つので、林の中や林の縁などで見られます。また、常緑なので庭園などにも植えられます。
葉が大きな手のようなので「客を招く」と、縁起をかつぎ玄関に植えられることもあるそうです。
株から枝分かれせずに茎が立ち上がります、高さは1メートルから3メートル。
茎の先端に葉が対生または輪生します、長い葉柄を持ち直径30センチほどの円形に葉を広げます。
葉には8本前後の深い裂け目が入り、手のような形になるので「八手(ヤツデ)」の名前がついたそうです。
裂けた葉の先端はとがり、縁には鋸歯があります。葉は厚く光沢がある大きな「天狗の団扇」です。
今の時期は、茎の上にさらに花枝をのばしています、花枝はさらに枝分かれして多数の花が球形に集まった花序をつくります。
花は長い花柄を持ち、白色の花弁は大きく開き5枚あります、雄しべは5本長くのびます。
花の中心には大きな花床があり黄白色です、花床には蜜があります、花の少ない時期なので暖かい日は越冬する虫たちがやってきます。
花床の中心から雌しべ1本が出ます。
花は、白い小さなつぼみが膨らんで、花弁と雄しべが大きくのびる「雄しべ期」になり、花粉を出し終わると雄しべと花弁は落ちます。
雄しべが落ちると今度は「雌しべ期」になります、雌しべがのびて先が5本に別れます。
子房は緑色になり膨らんで果実になります、緑色から紫色、黒紫色と変化するころには中で種子が熟しています。
雄しべ期が終わって落ちた雄しべと花弁が下側の葉の上にあります。