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simagonia

しまなみ海道周辺で季節を通じて遊んでいる活動内容の記録。山登り、釣り、テレマークスキー、ロードバイク、ゴルフなど。

【雲ノ平周辺】  最終日

2007年08月14日 | 山登り
【山行予定】 黒部五郎小屋キャンプ場~黒部五郎岳~北ノ俣岳~  
       神岡新道~飛越新道~飛越トンネル着

 朝起きると、夕べのガスはどこにも見当たらなかった。予報通りの晴れだった。最終日、自宅までの運転時間を考慮して、いつもより早めにテン場を出発する。
 五郎のカールまでのアプローチは、やはり気持ちよい。前回は、三俣山荘から五郎へ歩いたが、今回は五郎小屋からの出発だった為、朝の清清しい時間にカールまでの道のりを歩けたことで、五郎のカールがもっと好きになったと思う。



 雪解け水が、登山道に流れ込み、その流れの周りに生える、コケ類、シダ類の植物。見事です。これが、家の庭にあったら贅沢だろうと思い、ため息がでる。
 それと、近づくにつれ、壁の様に立ちはだかる巨岩。迫力がある。スケールがでっかい。



 カールの底に到着すると、前回と同じように食事にした。前回は、少しガスが多く、ガスの切れ目から景色が見れていたのだが、今回は快晴。隅々まで見渡せた。
 そして、ゆっくりとカールを出発。五郎の肩への登りにかかる。肩へ到着すると、荷物をデポして山頂を目指す。
 山頂では、登山客もそう多くなく、落ち着いて休む。そして、山頂からのカールの眺めを堪能し、再び肩まで下り、北ノ俣岳方面へ下っていく。これからは、日差しのきつい稜線歩き。多少のアップダウンを繰り返し北ノ俣岳へ向かう。



 しかし春先、この辺りからのウマ沢、赤木沢への滑走はとても気持ち良さそうな斜面。できれば、いつかはテレマークで滑ってみたいものだ。いつになるか分からないが、そのときの下見も兼ねての山行だった。



 北ノ俣岳までは、長い道のりだったように思った。まだか、まだかと思いようやく到着。これで雲ノ平周辺をほぼ一周したことになる。ピークから見る景色も今回はこれで最後。ここからは、高山市街も見渡せた。しばらく山の景色しか見てないと、夢の世界から現実の生活に引き戻されて行かれそうな景色だった。しかし、現実に戻らねば。
 いよいよ、下山。ここから、避難小屋まで一気に下る。下山と同時にガスが出て、少し涼しくなる。途中から木道のお陰もありスピードアップ。避難小屋に到着し、休息する。下山開始してから、すれ違った人は、4名。更に、避難小屋に1人これから登るという人がいた。他の北アルプスの登山道と比べれば、本当に寂しい道だ。
 それからの道はまた長かった。ぬかるみが多く、同じような景色が多い。神岡新道と飛越新道の分岐から、飛越新道で登山口へ下る。2時30分ようやく飛越トンネルへ無事到着。今日も長い道のりだった。



 これから、尾道までのドライブ。更に長い道のりは続く…
 

 
 

 

【雲ノ平周辺】  3日目

2007年08月13日 | 山登り
【山行予定】 雲ノ平キャンプ場~祖父岳~ワリモ分岐~水晶岳(往復)~
        ワリモ分岐~鷲羽岳~三俣蓮華岳~黒部五郎小屋キャンプ場    

 本日も晴天なり…今日も暑い1日になりそうだ…


 
 快適だった雲ノ平キャンプ場を後にして、祖父岳を目指す。テン場で祖父岳から水晶岳へ向かう道が通行止めになっているとの噂があったが、影響ないみたいだ。
朝一は、気温も調度よく快適な登山ができる。この肌寒さがアルプスに来ていると実感できるひとつである。
 少し急な坂を上り続けると、祖父岳の山頂に到着した。特に何も期待していなかったが、ここからの景色は凄かった。見渡す限り100名山。水晶、鷲羽、槍、穂高、笠、五郎、薬師、立山、剣、遠くに乗鞍と…確認できただけでも10座。圧倒される景色。100名山から見る景色もいいが、これほど100名山をまじかで見る景色は数少ないと思う。2825mからの素晴らしい眺望。しばらく時間が経つのを忘れるような場所、本当に北アルプスの真ん中って感じがした。



 思わぬ絶景に時間が経つのを忘れ、名残惜しい山頂を後に先を急いだ。
 山頂から下り、岩苔乗越。少し、登り返してワリモ北分岐に到着。ここで、ザックをデポし、サブザックに切り替え、水晶岳までピストンである。荷物が軽くなった分軽快に飛ばして水晶小屋に到着。



 小さな小屋の周りは休憩する人でいっぱいだった。自分も、少し休憩し山頂を目指す。山頂が近づくにつれ、岩場の登りとなり、少しお年を召した方々には厳しい登りに。団体さんや高年の登山者が増えてきてペースが一気に遅くなる。逸る気持ちを抑えつつ、山頂に到着。狭い山頂は、人で溢れていた。岩場なので移動するのもままならない。窮屈な山頂に嫌気が差し、記念写真と景色を数枚カメラに収め、足早に山頂を後にした。



 この往復が意外と時間がかかった。ワリモ北分岐へ折り返し、再びザックを背負う。そして、今日2つ目の100名山鷲羽岳へ向かう。
 太陽も上がり、日焼けした腕が相変わらず痛い。山に登り始めて、初めて太陽が嫌になった。頼むから顔を出さないで。ガスって欲しいとさえ思った。
 ワリモ岳を踏み、鷲羽岳山頂へ。ここで、しばしの休息。水晶で休めなかった分、腰を据えて休憩。槍と鷲羽池を眺めながら、軽く食事して、ザックを担ぎ上げる。
 そこから、三俣山荘へ一気に下る。どちらかといえば、下りのほうが苦手である。鷲羽からの急な単調な下りは、体力を消耗。ヘロヘロで三俣山荘到着。暑さも体力消耗の要因になっているだろう。
 山荘でまた休憩し、熱中症にならぬよう十分に水分を補充する。そして、三俣蓮華岳への登りに取り掛かる。巻き道で五郎小屋へ向かうルートもあるが、前回の山行で三俣蓮華岳の山頂からの景色がガスで見れなかったので、今回は大丈夫だろうと思い、三俣蓮華から五郎小屋を目指すことにした。
 しかし、これが嬉かな、悲しかな、急にガスってきた。山頂に到着する頃には、ガスで景色は望めそうにもなかった。でも、暑さからは開放されて、腕への負担は軽減された。
 歩きやすくなり、ペースも上がると思われたが、疲労の色は隠しきれない。五郎小屋までの下りは苦難の道のりだったが、足元の花々に癒されつつ、なんとか到着した。



 テントを張り、テン場の受付を済ませると、すぐに食事にした。お疲れだったので、今日はインスタント食品で簡単に済ます。
 
 

【雲ノ平周辺】  2日目

2007年08月12日 | 山登り
【山行予定】 薬師峠キャンプ場~薬師岳(往復)~薬師峠キャンプ場~
       薬師沢小屋~雲ノ平キャンプ場

 今日も周囲のざわめきに起こされ、予定より早めに起床。必要最小限の荷物をサブザックにまとめ、薬師岳に向かう。



 今日も天気は快晴。睡眠も十分。おまけにサブザックということもあり、軽快に飛ばして薬師岳山頂に到着。火照った体を、日本海からの冷たい風に体を冷されながら、景色を十分に楽しみ、写真に収める。久しぶりの100名山への登頂。気持ち良かった。



 それから、テン場へ向かい、テントを撤収。ここから重いザックで、いよいよ雲ノ平へ向かう。2年前の山行で、高天原へ来たが、雲ノ平まで足を伸ばす時間がなく、今回はどうしても来たかった場所のひとつだった。一先ず、太郎平小屋で、軽食と水分を補充。そこから、木道で薬師沢へ下ってゆく。
 木道は歩きやすく、時間も稼げるが、下りだして風が無くとても熱い。肌が出ている腕の部分は、昨日からの晴天の影響もあり、真っ赤赤!日焼け止めを忘れたことを、これほど悔やんだことは無い。しかし、そんな火傷状態の腕を沢の冷たい雪解け水が数回癒してくれた。なるべく、腕が直射日光の当たらないように工夫しつつ太陽と格闘しながら、薬師沢小屋に到着した。
 薬師沢小屋。こんな山奥で、小屋の前に川が流れる贅沢な場所。水はとても綺麗でエメラルドグリーン。山女も釣れるらしく、釣り客も泊まりに来るらしい。小屋と渓流と山と小屋の前に掛かる赤いつり橋が、とてもいい雰囲気でこの場所は実に気に入った場所。まさに秘境って感じ。次回は、小屋に泊まりだな。







 そんな薬師沢小屋を後にして、ここから雲ノ平までは標高差650mの登り。過酷な急坂だった。振り返ってみれば、4日間の中で一番辛かったのがここの登りだった。約2時間半登り続けた。
 登りきるとそこはアラスカ庭園だった。そう、雲ノ平。それからは、木道で雲ノ平山荘まで景色を楽しみながらゆっくり歩いた。山荘までの道のりはなぜか短く感じた。周りを100名山に囲まれた散歩道、あっという間に到着。テン場の受付を済ませ、テン場は山荘から30分ほど離れた場所にあった。



 既に多くのテントが張られていたが、水場近くのいい場所にテントを設営できた。湧き水がおいしくトイレも水洗で快適なテン場だった。ここでも、腕の火傷のケア。自分だけでなく、多くの人が湧き水で焼けた皮膚を冷している。快晴も考え物である。
 2日目の夜は少し元気があり、夕食は焼肉。星空に満足してご就寝…

【雲ノ平周辺】  初日

2007年08月11日 | 山登り
【山行予定】 飛越新道~神岡新道~太郎平小屋~薬師峠キャンプ場

 周囲の登山客のざわめきに起こされ、5時起床。睡眠時間1時間程度。予想通りの睡眠不足。周りに急かされつつ、久しぶりのアルプスに登れる喜びで焦る気持ちを抑えきれないように、急いで準備に取り掛かる。
 忘れ物が無いかと何度も確認。水分を十分にとりスタートする。
 このルートからの登山客は少なく、順調に高度を上げていく。少々ぬかるむのが難点だが、早朝の山道は気持ちいい。休憩で、たまに会う方々と山ではお約束の会話をしながら、北ノ俣岳避難小屋へ到着。腰を据えて休む。



 避難小屋は8名程収容でき、水場やトイレも整備されており、清潔な感じがした。水がおいしくたっぷりと補充する。



 ここからは、木道でしばらく高度を上げる。池塘も多く見られ、カメラの出番も増えてゆく。



 しかし、避難小屋からは高度が急に上がり、そろそろ睡眠不足の影響が出始める。思うように体が動かなくなり、少し歩けば息が切れだす。気温も上昇して、体力を奪われる。ザックがとても重く感じてくる。日頃の運動不足も影響してのことだろう。標準時間より大きく遅れて稜線へ出る。



 それからは、薬師岳を見ながら、太郎平小屋へと向かう。今まで、5~6人の登山客に会わなかったが、太郎平小屋に到着すると、折立からの登山客と合流し、雰囲気が一変。一気にアルプスの夏山の賑やかな雰囲気に変わる。



 太郎平小屋から15分ほど行けば、薬師峠キャンプ場。本日の宿はここである。2時30分に到着したが既に多くのテントが…なんとか張るスペースを確保。しばらく休憩をとり、食事を済ます。今日の夕食は、ザックの中のお荷物、カレーです。
 夕方、夕立があったがその後の記憶はない…ZZZZ…


アルプスへ出発

2007年08月10日 | 山登り
 いよいよ、北アルプスへの山行の出発日を迎えた。7月にも友人と計画したが台風の為中止になり、盆休みに延期したが、友人とは予定が合わず、単独での山行となる。
 3泊4日のテン泊で、雲ノ平周辺をウロウロしようかと思っている。今回は天気もバッチリ良さそうだ。
 19時過ぎに尾道を出発。大阪を過ぎる頃には帰省の車で少し込み合うようになる。東海北陸道へ入ると車は少なく、飛騨清見まで軽快に到着。そこから、飛騨卯の花街道で国道41号、471号線へ。そして、双六川沿いに林道を飛越トンネルに向けて上がってゆく。途中、道に迷ったこともあり、飛越トンネルの駐車場に到着したのは、3時30分。8時間半のロングドライブだった。
 30台程止めれる駐車場は結構車が止まっていたが、スペースはまだあった。そして、いつものように車中泊。

 何時間寝れるだろうか?1日目の寝不足は、確実だろう…
 
 
 

神頼み

2007年06月30日 | 山登り
 約1年ぶりに登山へ。久しぶりなので、比婆山連峰の牛曳山、伊良谷山、毛無山を登る計画を立て県民の森へ。
 トレーニングも兼ねて負荷を付けるのにマイボウル(15ポンド)、ザックにボリュームを出すのにシュラフ、しんどくなったことを考え酸素ボンベ(約2キロ)を山行のお供に。
 牛曳山までの登りは小さな沢に沿って登る。この道シダ好き、コケ好きにはたまらない道。マイナスイオンを満喫し、写真も撮るのに忙しく、山の懐深くに入って行くような登り坂。登り坂はそんなに急ではないが、日ごろの運動不足でボウルの重みが次第に効いてくる。





 牛曳山山頂に到着するがガスっていて景色も望めない。伊良谷山へ急ぐ。縦走路も林の中。伊良谷山から毛無山へ。
 毛無山山頂は広々とした山頂。ここでもガスで景色はよくないが、時々ガスの切れ目からスタート地点の県民の森が見え隠れしていた。ここで、しばらく休憩。ザックからマイボウルを取り出し、山の神様にお願い(上手くなりますようにと)。他の登山者に見られると恥ずかしいので素早くザックの中に収める。風もあって気持ちよく、誰一人上がって来ないので、芝生の上でしばし昼寝でもと思ったが、虫に邪魔され撤退することに…



 出雲峠経由で下山。弁当は持って上がったものの、下山して食べ、風呂へ直行し汗を流す。
 久しぶりの登山には、満足したものの、日帰り登山の山であのザックを見て誰にも話かけられなかったのは、少し寂しい…


晩に早速ボウリングで使ってみたが、散々な結果に…山の神様に変な物持って上がって怒られたらしい…
 

大山縦走

2006年10月08日 | 山登り
 当初、予定していた石鎚を変更して、タンガと2人で大山へ行くことにした。
 昨日に引き続き、早朝5時発。8時前には、大山寺の登山口駐車場に到着する。3連休と晴天が重なり、思ってた以上の多くの登山客。、さすがは人気の山、大山。
 しかし、昨夜少し雨が降ったらしく、大山はガスっていた…
 8時過ぎに、登山開始。3合目位からガスの中を登って行った。
 10時過ぎに弥山に到着。多くの登山客で賑わっていた。景色は真っ白け。山頂の山小屋でゆっくりと昼食を済ませる。午後からガスも無くなるだろうと思い、少し待機する。空が明るくなっていたので、ユートピアへ縦走した。剣ヶ峰では、ガスは無くなり、日本海まで見渡せた。賑わう弥山とは正反対に静かな時間を過ごせた。
 ユートピアからは、上宝珠沢の砂滑りを下り一気に大山寺へ向かった。


剱岳敗退記

2006年07月16日 | 山登り
 朝方になって数時間寝れたものの、やはり雨音で起こされる。しかし、起きてみてびっくり、テントの中が水浸しである。テントの通気口が開いていたらしく、シュラフカバーの上は水浸し、その周りには小さな水溜りがいくつもあった。
 まずは排水作業から始めた。それと平行して朝飯を食べた。何も作る気が起きず、パンを2つかじった。昨夜から思い続けていつることはだたひとつ、一刻も早くこの場から立ち去りたい、それだけであった。多分他のメンバーも同じ思いだったと思う。
 飯を済ませ、片付けられるものは全て片付けた。合羽も着て準備万端でテントの中で出発の合図を待った。しかし、激しい雨は一向に弱まらず、テントを撤収するタイミングが切り出せなかった。
 8時頃、くわさんから天の声が出た。強行撤収である。テントもフライシートもずぶ濡れの雑巾のように丸めて無理やりザックへ押し込んだ。水分を十分に含んだ荷物やザックはずっしりと重かった。
 しかし、足取りは軽かった。早く帰りたいという気持ちがそうさせた。剱沢の雪渓を上り、間もなく剱御前小舎に着き、小休憩をとりすぐに下りに掛かった。ここからの下りは、雨も弱まり少し余裕が出てきて、雪渓下りを楽しめた。しかし、登山道は沢のようだった。
 雷鳥沢キャンプ場へ到着。雨も大分弱まり、視界も少し良くなってきた。今回、やっとほんのわずかだが、周りの景色を眺めることができた。それでも足早に室堂を目指して、歩き出す。



 悪天候にもかかわらず、室堂は観光客でいっぱいだった。
 そして、この山行にめげずに次回の山行の約束をして、くわさん夫婦と別れを告げ、バスに乗り込んだ。



豪雨、強風、剱岳

2006年07月15日 | 山登り
 今年も夏山の季節がやって来た。2週間前に、予定していた大山は天気が悪そうだったので中止にしたが、天気は崩れなかった。
 そういう訳で、今年の山登りの始まりは、以前から予定していた剱岳が始まりとなった。2泊3日で、立山と剱岳を縦走というゆっくりとしたプランでの山行予定だった。更に、広島からともやと2人で立山駅から室堂へ向かい、神奈川からくわさん夫婦が扇沢から室堂へ来て、4人で剣を目指すという練りに練った計画だった。


 金曜日、仕事を早めに切り上げ8時過ぎには、尾道を出た。高速を飛ばして約7時間、3時過ぎには立山駅の駐車場に到着した。2時間ほど仮眠して5時起床。出発準備に取り掛かった。
 気になるのはやはり天気。立山駅は曇りだったが、室堂付近は霧雨という情報が…明日、明後日は、雨の予報だった。そんな中、ここまで来て引き返すわけにもいかず、立山駅から室堂の往復の切符を買い、ケーブルカーに乗り込んだ。高原バスに乗り継いで、室堂に到着するとやはり雨だった。風も強い。視界も悪く、気温は9℃…ここまで来てテンションは一気に下がる…

 くわさん達を待って今後の予定を話し合うことにした。

 1時間半待って、扇沢からやっと2人がやって来た。そして、話し合いの結果とりあえずテント場まで行き、明日の天候次第でその日の行動を決めることにした。まず、1日目に行く予定であった立山は中止にして、直接テント場を目指す。
 雷鳥沢キャンプ場を目指しスタートした。雨風ともに降ったり止んだり、吹いたり止まったりである。1時間もしないうちにテント場に到着する。余りにも早かったので、当初の予定だった剣沢キャンプ場まで足を伸ばすことにした。
 雪渓も多く残ってあるせいか、ガスがでて視界が悪い。雷鳥坂を登り、剱御前小舎で休憩を取る。そこから30分下ると剱沢キャンプ場に到着した。既に5~6張りはあった。
 雨は相変わらずだった。テントを張る時は、少し雨足も弱まっていたが、夕方になると土砂降りとなった。風もより一層強まってきた。夕食に皆で焼肉をしようと持ち合わせた食材はこんな雨の中ではできず、テントの中で各自で食事を取る事になった。テントから出ることはとても困難を極めた。たとえ出たとしても、その濡れた合羽をテントの中で脱ぐことは、これまた労力のいることであった。
 食事を済ませてすぐに床に就いた。時間が経つにつれて、雨風が強くなってきた。テントを留めてあるペグが2ヶ所取れていたが、それを補正しに外に出ることはできなかった。自分が外に出た時点でテントが飛ばされそうだった。今このテントは、自分の体重でなんとか吹き飛ばされずに、保てている感じだった。風上のペグが取れている為、テントの下に風が入り誰かに下から体を持ち上げているような感じがした。雨も強風に煽られてテントに当たり、まるで豆でも当たっているかのような音がしていた。テントの内側に付いた水分が強風と激しい雨に飛ばされ、テントの中は霧雨だった。これが顔に当たり眠れなかった…
 激しい雨と風との戦いは、3時頃まで続いた。


 

穂高縦走  【3日目】

2005年09月25日 | 山登り
【山行予定】 穂高岳山荘~奥穂高~西穂~上高地

 2時間ほど寝たと思う…ほとんど寝れなかった。天気は、曇り。昨夜降った雨のせいで、ガスがかかっている。風も少しある。もともと、穂高岳山荘のテント場は、風の強い場所である。なんとか、テントを撤収。奥穂高への登りにかかる。
 朝一で、いきなりの梯子である。少しきついが、雨で滑りやすくなった岩場、梯子を注意して登っていく。
 30分ほどで、奥穂へ到着。山頂からは、ガスで何も見えない。しかし、西穂高方面は、ガスの切れ間に青空も見え始めた。天気予報では、曇り/晴れである。西穂へ行くかどうかは、この奥穂高の山頂で、みんなで協議することにしていた。風も止んでいた。天気も回復傾向にある。行くしかない。
 先ずいきなり、難所馬の背が現れる。左右切り立った岩のわずかな隙間に足を入れて、下っていく。初めは、どこに足を置くのか迷うが、よく見れば足元に足場があるので落ち着いて越えて行く。


   馬の背を下る

 ロバの耳まで来れば、ジャンダルムは、もうすぐである。ジャンダルムの登りの分岐に到着した時には、ガスが晴れた。視界良好。ザックをデポして、ジャンのピークを目指す。
 素晴らしい景色だった…ガスは、全くなくなり、眼下には雲海が広がる。笠ヶ岳、乗鞍岳、焼岳、奥穂高そして槍ヶ岳すべてが見回せる。来て良かった。もちろんピークには、誰もおらず4人だけ。テンションは、急上昇。写真を撮りまくる。そのときに、自分たちの立っている場所のすごさに、改めて実感させられる。そして、ジャンダルムを満喫した4人は先を急いだ。


    ジャンダルムより(焼岳)


    ジャンダルムより(笠ヶ岳)

 天狗のコルへ到着した時だった。またくわさんが、なかなか来ない。「ガラガラガラガラ…!」落石の音が辺りに響く!まさかっと思ったが、その落石の張本人は、やはり彼であった。半べそ状態で、フラフラしながらやって来た。到着するとすぐに座り込み、

「さっきも滑って落ちそうになった…腰が引けてよう歩かん…」

 30過ぎたおっさんが、目から涙を流してそう訴えるのである。奥穂から、ここに来るまでにこれで、2回目であった。昨日の滑落がかなり尾を引いているみたいだった。この精神状態だと西穂までは、到底無理であろう…協議の結果、天狗沢から、上高地への下山を決断した。しかし、彼は自分のために西穂へ行けなくなるのは、どうしても嫌だという。そして、話し合いの末、くわさん夫妻は2人で下山。ともやと2人で西穂までの縦走を続行することになった。もし、自分が逆の立場でも、やはりそうしたであろう。

 「それじゃあ、上高地で!」

 と再会を約束して、西穂を目指した。ここからは、きついアップダウンの連続。登りもロッククライミングのように、垂直に近い岩を登っていく。そして下る。その繰り返し。天狗の頭、間ノ岳、赤石岳とピークを踏破して、西穂へ到着した。ここまで来れば、危険箇所は大分なくなる。しかし、体力も無くなっている。
 くわさんと別れてからは、ともやの独壇場であった。まるで、水を得た魚のように泳ぎだした。後ろを気にすることがなくなった今、彼は自分のペースでやっと歩き出した。あいつに遅れないように、ついて行くのがやっとである。
 ジャンダルムからは、またガスってきて余り景色も良くなかった。景色を楽しめないのと、上高地で待っているであろう、くわさんに再会するため、足早に進んだ。
 西穂山荘到着。そして、山荘で昼食をとる。名物と書いてあったのでラーメンを注文した。腹を満たし、シャツを着替え、靴下も替え、上高地への下りにかかる。
 ここまで来るのに、体力もだいぶ消費していた。しかし、ラストスパートである。とにかく、できる限りかっ飛ばした。足にできた靴ずれが、痛いがそんなこと言ってられない。あいつが心配だった…ちゃんと下山したのだろうか?膝も痛くなり、あまり曲げれない状態で歩いた。いつしか、頭の中で「サライ」が流れてきて、上高地に下りるまでずっと頭で廻っていた。24時間テレビのラストシーンのようだった。
 山荘から1時間15分で、穂高橋に到着。バスターミナルへ急いだ。そして、観光客と登山客でごった返す人ごみの中、くわさんを見つけた。そこには、いつもの奴の笑顔があった。安堵感で胸の中は、いっぱいであった…
 
 そして、土産屋の売店で冷たい牛乳を買い一気に飲み干す…