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simagonia

しまなみ海道周辺で季節を通じて遊んでいる活動内容の記録。山登り、釣り、テレマークスキー、ロードバイク、ゴルフなど。

穂高縦走  【2日目】

2005年09月24日 | 山登り
山行予定
【2日目】涸沢~北穂~穂高岳山荘

 今日も晴れである。気持ちの良い朝だ。涸沢の朝焼けを楽しんでテントを撤収。南稜ルートから北穂を目指す。
 涸沢でのんびりしすぎた為、スタートに出遅れ、登りの道は少し渋滞気味であった。鎖場、梯子付近では、更に渋滞は悪化。足止めを食らう。しかし、抜けるような空の蒼さに癒されて、少しも気にならないほどだ。


    奥穂高 


 北穂に到着したのは、10時位だったか?コースタイムより30分ほど遅かった。まず、北穂からの絶景を存分に楽しんだ。360°の大パノラマだ。少しガスが出てきたが、それでも槍の頂も見ることができた。視界に入るすべての景色をカメラに収め、思い残しのないよう時間を費やす。今回で北穂も2回目だが、3回目、4回目と来ても多分同じ感動がまた味わえるであろう。そんな気がする。

 北穂高小屋のテラスで休憩をする。大キレットに槍ヶ岳を眺めながら飲むコーヒー。贅沢な時間だ。


   大キレット越に望む槍ヶ岳

 北穂高から涸沢岳へ向かう。この北穂から涸沢岳のコースも岩場のアップダウンや梯子など危険を伴うコースだ。
 そこで事件は起こった。1番後ろを歩いていた、くわさんが涸沢岳に到着してもなかなか姿を現さない。3人でしばらく待っていると、顔面蒼白でやって来た。聞くところによると、涸沢岳の最後の登りで、滑落したらしい。本人は、30cmと言っていたが、彼の後ろを歩いていた登山者に聞くと2mは、落ちたとの事であった。足場の岩ととホールドの岩が、崩れたそうだ。たいした怪我はなく、かすり傷程度だけであったが、精神的ダメージはかなり受けているようだった。
 そんなこんなで、なんとか穂高岳山荘に到着。すぐに昼食をとる。くわさんは、あまり食欲がなさそうだった。
 夕方からは、天気が崩れてきた。風は強くなり、雨も降ってきた。テント内で食事となる。このままの天気だと、西穂高までの縦走は厳しいかな?天候の回復を願いつつ就寝するが、風でテントが煽られその音がうるさく、なかなか寝付けなかった…

穂高縦走  【1日目】  ~涸沢へ~

2005年09月23日 | 山登り
山行予定
【 1日目 】  上高地~涸沢
【メンバー】  4人 (ともや くわさん夫婦)

 以前より計画を立てていた神奈川の遊人との山行計画。やっと、今回行けることになった。メンバーは、ともやとくわさん夫妻の4名。神奈川と広島からそれぞれの車で、沢渡に集合した。到着したのは、午前3時。2時間ほど仮眠をとり、沢渡からタクシーで上高地バスターミナルへ向かう。
 登山届けを出し、山岳保険に加入し、上高地を出発。いつも単独か2人での山行が多いため、4人で登山をするのは久しぶりである。楽しい山行になりそうだ。今回のコースは、穂高を縦走する。なかでも、国内最大の難所ともいわれる奥穂から西穂間を制覇することが目的だ。自分は、このコースを去年も行っているので、今回で2回目となる。


    河童橋より

 横尾まで梓川沿いの平坦な道を軽快に飛ばす。ここから、登山らしい道になる。台風が来ていたので心配していたが、どうやら反れて行ったらしい。思ってた以上に天気も良く上々のスタートだ。本谷橋で、休息をとる。多くの登山者がここで休憩をしていた。ここまで来れば、涸沢まであとわずかである。今日は、涸沢で泊まる予定なので、ゆっくりと涸沢へ入る。
 昼過ぎに到着する。1年ぶりの涸沢である。去年は、8月に来たので木々の緑が眩しいほどであったが、今回は所々に紅葉が見られ、木々も少し色づき始めている。テントを張り、昼食にする。


    涸沢

 その後、昼寝をしたり、写真を撮ったり、ビールを飲んだりとゆっくりと山の時間を過ごす。

 みんなで、夕食を食べる。今回、夕食を鍋にする計画もあったのだが、台風で天候が崩れたのことも考慮してそれぞれ持ち込んだ。食事が済むと、涸沢に着いた時から気になっていた涸沢ヒュッテのおでんをともやと食べに行く。食後のデザートみたいなものである。もちろん、ビールを付けて。夜になると気温が下がってくるので、これが最高にうまかった。少し食べ過ぎ感はあったが明日、北穂へ登るときのスタミナだと、自分に言い聞かせ腹を満たす。
 そして、沢山の星を眺め、床に就く。

黒部源流  【4日目】

2005年08月15日 | 山登り
山行予定
【4日目】三俣山荘~三俣蓮華岳~双六岳~新穂高温泉

 昨日に引き続き雨だった…雨音で、夜中に何度も起こされた。こんなときのテントの撤収は、大変だ。雨が少し弱まったのを計らって、一気に片付ける。テントを雨の中で、強引に片付けた為、水を含み重い。4日分の食料はなくなったが、テントがその分重くなり、来たときのザックのの重さと余り変わらないような気がする。
 今日は天気が回復する兆しがないが、とりあえず、三俣蓮華へ登り、双六岳へ行こうと思っている。
 テント場を後にして約1時間ほどで、三俣蓮華岳の山頂に着く。ガスで何も見えなかったが、証拠写真だけを収め、双六岳へと急ぐ。双六岳で小休憩。ここから、双六小屋へ下る。天気は、相変わらず雨…
 双六小屋で昼食を取る。作るのは、面倒だったので小屋でうどんを注文する。次から次へと、人が休憩をとりに入ってくる。こんな日の山小屋は、大賑わいである。ゆっくり休む暇もなく、早々に小屋を出る。
 鏡平に着いたころには、雨はもっとひどくなり、登山道は沢のようだった。靴は、4日間の雨で中まで濡れている。とにかく、早く温泉に浸かりたい。そのことで、頭の中はいっぱいだった。新穂高温泉に到着したころには、疲れ果てていた。ザックを車に投げ入れ、駐車場から出てすぐ温泉に向かった。
 この4日間は、雨が降らなかった日はなかった。そんな中でも、鷲羽岳と黒部五郎岳で晴れたのは、とても印象に残った山であった。それ以上に雨の印象も、強く残ったが…
 

黒部源流  【3日目】 ~黒部五郎岳~

2005年08月14日 | 山登り
山行予定
【3日目】三俣山荘~黒部五郎岳~三俣山荘

 雨音で目が覚める。今日は、黒部五郎岳のカールを見に行く。今回のメインイベントであるが、またまた雨…。重い腰を上げ、今日もサブザックに最低限の荷物を詰め、ひとまず黒部五郎小舎を目指す。カッパ着用で。登山靴もなかなか乾かず、靴の中は湿りがちだ。
 三俣蓮華岳は通らず、迂回路で黒部乗越から五郎小舎へ下る。雨は、しばらくすると止んだ。途中、雷鳥にあった。4~5羽いた。こんな雨の日は、活動活発である。黒部乗越まで来ると、五郎小舎へは下りになる。
 五郎小舎に到着すると、ザックを下ろし休憩をとった。ここまで来ると、五郎のカールまでは、あとわずかだ。雨はすでに止んでいる。天気も回復しつつある。
 五郎小舎から、登りとなるがそれほど急ではない。雪解け水から造られた小川があり、足元にはお花畑が広がる。やがて、五郎のカールの特徴である巨岩が多く見られるようになる。
 やって来た。五郎のカール…本当に自然美って感じである。しばらく、見とれていた。


   黒部五郎のカール1

 ここで少し早いが、昼食をとる事にした。人もほとんどいなく、カールを独り占めしていた。とても、贅沢な感じがした。1時間は、いただろう…


   黒部五郎のカール2

 カールの底から五郎岳のピークを目指し、登りにかかる。山頂は、さすがに人が多かった。しかし、360°の大展望を満喫した。山頂にいる人誰もが笑顔だった。たしかに、この景色を見ると笑みもこぼれる。
 山頂からは、稜線ルートで五郎小舎へ戻る。カールを足元に見ながら下って行く道であったが、アップダウンが結構あり以外に時間がかかった。


   五郎のカール全景

 五郎小舎に到着して、休憩をしていると雨が降ってきた。雨が、ひどくならないうちにテントに戻ろう。天気が良ければ、三俣蓮華岳に登ろうかと思っていたが、この分だと景色を望めそうにない。
 テント場に戻るとものすごい勢いで雨が降ってきた。カールとピークで晴れたのは、本当に良かった。しかし、今日もテント内で食事だ…





 

黒部源流  【2日目】 ~鷲羽岳~

2005年08月13日 | 山登り
山行予定
【2日目】三俣山荘~高天原温泉~鷲羽岳~三俣山荘

 天気予報は、午前中は曇り。午後からは、晴れるらしい。曇っているときに、ピークに登っても面白くないので、午前中は、秘湯高天原温泉 に行き、午後から晴れるようなら鷲羽岳に登ってみようかと思っている。
 朝食を済ませると、サブザックに必要なものを詰め込み、今日もカッパスタート。天気は、雨が降ったり止んだりって感じ。
 三俣山荘をスタートして15分ほど下ったところに、黒部源流標がある。



   黒部川水源地標

 そこから岩苔乗越 までは、余りきつくは無いが登りとなる。周りには、花が咲いたり、雪渓からの雪解け水が小川を造り、涼風を運んでくれる。天気も少しずつ回復してきている。
 岩苔乗越からは、下り。ここから約2時間半ほどで、高天原山荘に到着する。長い下りの登山道をのんびりと下る。ほとんど人にも会わない。静かな山の中を一人で歩いていると、この道で本当にあってるのかと時々不安になる。長い林の道を抜けると、湿地帯が現れる。高天原山荘は、もうすぐだ。
 11時に、高天原山荘に到着。今までの山小屋の雰囲気とはまた違う雰囲気のある小屋である。静かな湿地帯の中にぽつんと佇むその外観は、山の歴史を感じさせる。ここには、電気も来ないランプの宿である。小屋の前で、昼食を作る。味噌ラーメンと五目ご飯で腹を満たし、メインの温泉は食後にゆっくりと入るとする。
 山荘から更に10分ほど奥に行った、沢沿いに温泉はある。温泉につくと、誰もいなく貸切だった。一目散に湯船に飛び込む。丁度よい湯加減。温泉は、白く濁りがあり、少し硫黄臭ある。これは気持ちいい!まさに、桃源郷って感じ。この温泉だけに入りにくる登山者がいるが、その気持ちが良くわかる。どこの登山口から、入ってもここまで、1泊はしないとこれない秘境。ここまで、その道のりを歩いてきた者にしか味わえない感じだろう。ゆっくりしていると2人入ってきた。聞くと、雲平から来たという。昨日は、雨で湯が少しぬるかったらしい。体がふやふやにふやけるほど温泉につかり高天原を後にする。


   高天原温泉

 山荘で水分を十分にとり岩苔乗越に向かう。高天原から歩いてきた道を登り返す。温泉上がりで気持ちよく歩いていたが、登りの道ですぐ汗をかく。このあたりから、空が明るくなり青空も所々に見られるようになる。サブザックなので、登りも軽快に岩苔乗越まで行けた。


   岩苔乗越へ

 岩苔乗越からは、ワリモ岳を経由して、鷲羽岳へ向かう。高度も上がり、気温も下がり、雲の隙間からは日差しが注ぐ。今回やっと山歩きの楽しさを味わえた時間だった。1時間ほど歩くと、鷲羽岳の山頂に到着。人が、5~6人いた。槍ヶ岳の山頂は雲に隠れて見えなかったが、今までの天気を考えるとこれだけ晴れているのは、本当に良かったと思った。鷲羽池も見える。あとは、三俣山荘に下るだけなので、山頂でゆっくりと景色を楽しんだ。今日は、テントも張ってあるし帰ってご飯の支度をするだけなので、十分に山を楽しめる。


   鷲羽池

 1時間ほどいた。夕焼けを見たかったが、雲が出てきたので山頂をあとにした。山荘に着き、夕食を作っているとまた雨が降ってきた…



黒部源流  【1日目】

2005年08月12日 | 山登り
山行予定
【1日目 】 新穂高温泉~鏡平~双六小屋~三俣山荘(泊)
【メンバー】 単独

 前日、深夜の1時30分に新穂高温泉の無料駐車場に到着する。入り口に警備員が立っており、「あと15~16台は空いてますよ」と声をかけられる。しかしこんな深夜までご苦労なことだ。着くとすぐに寝床の準備をして就寝だった。
 起床すると天気予報どおり雨が降っていた。カッパを着用してのスタートだ。
 今日の予定は、三俣山荘まで行く予定だ。少しきついが、そこで3連泊の予定なのであとは、黒部源流辺りをぶらぶらしようと思っている。
 わさび平を抜け、小池新道を登って行く。鏡平に到着したが、天候は相変わらずだ。前回の槍ヶ岳の山行のときも、雨だった。まぁ、帰りも同じ道を通って帰る予定なので、そのときの鏡平の景色を期待しよう。行動食で、簡単に昼食をとり弓折岳の稜線へ登っていく。弓折岳の分岐からは、双六小屋へは稜線歩きである。
 双六小屋に到着する。雨に打たれてるせいか、いつもより疲労がはやい気がする。ここでしばらく休憩する。
 双六からは、巻道を通って三俣を目指す。このルートは、カールに多くの花も咲いており気持ちよい山歩きができた。しかし、三俣山荘に下る最後の下りが、とても疲れた。山荘に着くと、テント場の受付を済ませテントの設営に取りかかる。このころには、雨がやんでいたが、テントを張っているときにまた降り出した。慌ただしい、テント張りだった。
 夕食は、カレー。今日はさすがに疲れたのか、食後すぐに就寝する。しかし、あの雨の中よく寝れたもんだ。
 

常念岳  【2日目】

2005年08月07日 | 山登り
山行予定
【2日目】 常念小屋~常念岳~蝶ヶ岳~三股

 4時に起床。天気は、まずまず。朝食は、おにぎりと味噌汁。御来光をゆっくりと眺め、テントを撤収。常念岳への登りにかかる。山頂が近づいて来た頃に、またガスが出てくる。昨日とあまり変わらない状態であったが、なんとか山頂からの風景をカメラに収め、蝶ヶ岳への縦走路へ取りかかる。
 本来なら、槍・穂高連峰の眺めがよいということで人気の登山道であるが、穂高方面は、ガスでいまいちである。登山道を気持ちよくいい稜線あるきができた。足元に咲く花もきれいで、あっという間に蝶ヶ岳ヒュッテに着いた。
 昼飯は、ヒュッテでうどんを注文した。これがとても、うまかった。
 

   御来光

ヒュッテから、1分ほど行くと蝶ヶ岳山頂である。登山者に、ピークの写真を撮ってもらう。それからは下る一方だ。気温が高くなり、下りの途中で水が切れてしまうが、力水という水場でガブ飲みし、水を補充する。
 あとわずかで三股の駐車場というところで、雷が鳴りだし、豪雨となった。今日も夕だちである。ちょうど登山届けを出す小屋に着き、ここでしばらく雨宿りをする。あとわずかな距離なので、カッパを出すのも面倒で30分足止めを食らった。雨が止むと、強い日差しが戻ってきた。


   常念岳

常念岳  【1日目】

2005年08月06日 | 山登り
山行予定  
【1日目】 三股~常念岳~常念小屋(泊)
【人 数】 単独
 
 三股から常念岳を目指す。天気は、晴れ/曇り。4時間ほど登れば前常念岳に到着する。そこから40分で常念岳山頂だ。少しガスが多く、穂高方面はなかなか晴れない。眺めもあまり良くなかったので、山頂をあとにする。明日、もう一度来るからいいかと思って常念小屋へ下る。
 

   大天井岳

 到着するとテント場は、思っていたよりにぎやかであった。テントを張り、しばらく中で休憩していると、雨が降ってきた。夕だちだろう。あまり激しくは無かったが、30分ほど降っただろうか。雨が止むとすぐに飯にした。今回の山行は、1泊2日の予定なので食料もたくさん持ってきた。チキンカレー、ワンタンスープ、ウィンナー、漬物と豪華な夕食である。たらふく食べて横になっていたら、爆睡していた。


   常念小屋より

槍ヶ岳  【山行3日目】

2005年07月18日 | 山登り
山行予定
【3日目】槍ヶ岳山荘~南岳~槍平小屋~新穂高温泉


 4時起床予定だったのだが、熟睡できずに3時に起きる。朝飯をすませ、4時過ぎごろに防寒着を着て外へ出る。
 雲ひとつ無い空。ご来光は、拝めそうだ。槍のすぐ横から朝日は上がる。多くの人がこの光景を見ようと、出てきている。この瞬間かたまらない。ご来光を見るときいつも、ありがたい気持ちになるのは、自分だけであろうか?日が出ると、テントの撤収にかかる。5時45分、槍ヶ岳山荘のテント場をあとにする。
 今日のコースは、南岳まで縦走し、そこからは南岳新道で槍平小屋へ下る。そしてゴールの新穂高温泉である。大喰岳、中岳、南岳の縦走、本当に気持ちよかった。前には迫る穂高連峰、遠ざかる槍ヶ岳。振り返るたびに槍の角度が変わる。雲ひとつ無い空。まさに快晴である。人も少なく、静かな山の道。ただ風の音だけが聞こえる。まだ少し冷たい早朝の空気。本当に気持ちいい…下界の慌ただしさが、嘘のようである。


   雪渓と槍ヶ岳

 寝不足であるが、この景色と天気につれられ、足取りは軽い。中岳のピークを過ぎると、雪渓があり登山道はその横をくだる。下りきったところに水場があり、そのことをともやにも伝えていた。水場は少し道がカーブしたところにある。
 彼は、前にも言ったように、いかに早く登れるかコースタイムより早く行けるか、ということに満足感を感じて登山する人である。道がカーブすることは、タイムロスである。水場には、見向きもせず最短距離でつっきって行った…気付かなっかたのだろうか?ザックを置き、顔を洗う。冷たっ!喉も潤し、次は南岳である。所々に残る雪渓に、寄り道しながら8時には南岳に着く。
 獅子鼻からは、大キレットの全景が見渡される。キレット越しに見える、穂高連峰。去年は逆で、北穂からキレット越しに槍を見ていた。なんか不思議な感じであった。
 しばらく、写真撮影に時間をさいた。今回の山行でいちにを争う絶景であろう。8時30分、名残惜しいがいよいよ下りにかかる。
 


   穂高連峰へ

南岳新道を下る。しばらくは、トラバース状の下りであったが、20分後事件は起こった。いつものように知也は先に行ってしまい、単独で下山していたが、見晴らしの良い場所に降りても前にともやの姿がない。正規のルートは、沢をトラバースして雪渓を越して尾根づたいに下っている。立ち止まってしばらく見回していると、沢の下のほうにオレンジ色のザックが見えた。ともやだ!大声で彼の名を叫んだ。そんなに大声で呼ばなくても、山に響き渡り聞こえると思われるのに大声で叫んだ。彼は気づき、しばらく立ち止まり、地図でルートを確認しているかのようだった。自分もルートを地図で確認したが、間違いない。こちらがルートである。しかし、彼が行った先にも登山道の目印の○印がついている。少し先に標識らしき物が立っていたので、そこまで行ってみると「南岳新道」と書いてある。では、ともやが下りていったのは旧道では?ルートを確認していたともやは、結局ここまで登ってきた。約15分のロスである。雪渓の手前で、ガーガー鳥の鳴き声がしていた。ふと目の前に雷鳥の親子が現れた。ともやのルートミスの待ち時間のおかげで雷鳥を見れたのは、まさに不幸中の幸いであった。
 

   大キレット

 しかしそれからとういのは、大変なルートであった。無理して造っているルートというか、急激に高度を下げていき、梯子、階段はほとんど木製でぬれて滑る。段差はきつく、足場は悪い。そんな下山道なので、やっぱり膝を痛める。槍平小屋に着いたのは、11時であった。槍平小屋で食事を取る。ラーメンとコーラを頼んだ。小屋の中にこのあたりの登山道の地図があり、見ていると知也が行こうとしたルートは旧道で今は通行禁止になっているみたいだった。引き返して正解であった。この下りで2人とも、足に大分負担がきていた。一番痛いのは、指先の靴ずれであろう。絆創膏でごまかしながら、槍平小屋を11時30分に発ち、新穂高温泉までの長いくだりを帰った。


槍ヶ岳  【山行2日目】

2005年07月17日 | 山登り
山行予定
【2日目】 双六小屋~西鎌尾根~槍ヶ岳山荘
 
 周りがざわつきだし、4時に目覚める。10時間近くは、寝ていた…おかげで頭痛は全くない。朝食はいつものパンとコーヒーで済ませ、曇り空のなかテントを撤収。6時15分ガスで視界の悪い中、小屋を発つ。水を汲みに小屋へ行ったときに、小屋で天気予報を確認したが、曇り/晴れになっていた。雨はどうやら昨日で降りきったのか?午後からは晴れそうである。
 今日のルートは、まじかに迫る槍を正面に見ながら、気持ちのよい稜線歩きができ、足元にはお花畑が広がるルート…まさに雲の上の散歩道である。問題はガスだけである。出発して、30分も登れば樅沢岳の山頂に着く。景色は、真っ白け…素通りである。2時間ほど歩くと気温も上がって、暑くなる。最初の休憩をする。雨具をはずす。所々にある雪渓が涼風を運んでくれ、見たことない高山植物の花々が心を癒す。
 このころから、ガスが少しずつ無くなりつつある。北の景色はたまに確認することができる。千丈沢乗越に、9時15分に着。あと2時間ほどで、槍ヶ岳である。ここからは、急登が続く。登り始めて10分ほどで、相方の姿はガスの彼方に消えていった。またいつもの単独登山である。足元はしっかりしているので、気を使うことなく自分のペースで、山の頂へ足元を進める。視界も大分良くなり、飛騨沢から槍を目指す人々や、多分小槍だろうと思われる影が確認できる。

   槍ヶ岳

 1時間ほど登ると槍ヶ岳山荘が見えるところで、ともやが休憩をしていた。やっと追いついた。聞くとここから、槍が見えたらしい。ザックを置きしばらくするとヤツは、現われた。大槍が姿を現した。おおぉ~!テンション急上昇である。たいした景色ではなかったが、写真をとりまくる。やっとカメラの出番である。こうでなくっちゃ。すでに大槍の山頂には人影の姿が、まっとれ!槍!それから5分もしないうちに、10時30分頃に槍ヶ岳山荘に到着した。
 すると、ガスが晴れ大槍がはっきりと現われた。しばらくみとれていた…どれだけこの景色を写真で見たか…ホームページで見たか…すごい迫力である。早く登りたいという気持ちを抑え、まずは寝床の確保。小屋で受付を済ませる。まだ1張りもないらしく昨日に続き今日も、ワンツーフィニッシュである。テント場は場所にナンバーがあり、張る場所を指定される。1番2番は、周りが岩に囲まれとても良い場所であった。テントを張り、すぐに昼飯にした。
 今日はゆっくり飯を食える。昨日は途中で雨が降ってきたので慌ただしかった。テント場の正面には、大喰岳。西には笠ヶ岳。東には常念山脈の展望が広がる。まだ11時である。時間はたっぷりある。アルファ米とラーメン(今回は奮発してサッポロ一番みそラーメン)をいつも以上においしく頂き、休憩をはさみ、いよいよ大槍へのアタック開始である。
 天気はもう晴れといってもいいほどに回復していた。水筒とカメラを持って、登り始める。人は多く登っており、少々渋滞気味であったが、まぁゆっくりと味わって登れるし、時間も十分にある。前に団体さんが登っており、待ち時間も多かったが、その時間さえも楽しかった。少しずつ高くなる高度に緊張し、徐々に離れていく槍ヶ岳山荘に目をやると、さっきにも増して人が小さく見える。最後の長い鉄梯子を登ると、3180m、日本で五番目に高い山、槍ヶ岳山頂に登頂した。
 午後2時。すばらしい景色である…来て良かった。1日目の苦労が吹き飛ぶ。握手をする人。歓喜をあげる人。景色を眺める人。人それぞれであるが、皆に共通するのは、笑顔であるということ。ここまでの道のりは、この景色を見たときにそういう顔に、無意識にさせてしまう。これも登山のいいところである。順番に記念写真を撮り、しばらく山頂で写真を撮ったり、景色を眺めたりした。穂高方面は、少しガスっていたが、視界良好、日当り良好である。次から次へと登ってくる登山客に圧倒されつつ、40分ほどで山頂をあとにする。
 大槍から降りると、山荘でお土産を買った、といっても記念に自分のものをかう。そして、ビールも。テントへ帰り、ともやと祝杯である。やっぱり山の上で飲むビールは、格別である。昨日はダウンしていたので、飲めなかったので余計にうまい。今回は、呑助のともやとの山行であったために、これも楽しみのひとつにして来た。またそのために、つまみも多く持ってきた。でも一番のあてはこの景色であることは間違いない。飲んでしばらく休憩する。時間を持て余すほど、ゆっくりした時間を過ごした。晩飯の時間だが、あまり腹が減ってないので、ラーメンだけにする。食後にケーキとコーヒーでしめる。これが、うまかった。
 夕日は、ガスが多くなり見えなかった…日が落ちると、気温もかなり低くなる。今回防寒着に、これは使わないかと思ってダウンを持ってきたが、これがちょうど良かった。8時にトイレに行くときに見上げた夜空には、月が少し明るく星が少なかったように思えたが、きれいな夏の夜空であった。
 (寝るときに、サロンパスを10枚張って寝た影響で、寝袋の顔を出す部分からは、サロンパスの香りがもろにあがって来る。それを鼻からもろに吸うものだから、スースーして、なかなか寝れない。おまけに、目から涙も出てくる始末。前日に12時間の睡眠をとったせいか?それとも、今日槍にあがって、興奮しているのか?全く寝れなかった。結局、2時間ほどしか寝れず、3時には、起きていた…)

   御来光