simagonia

しまなみ海道周辺で季節を通じて遊んでいる活動内容の記録。山登り、釣り、テレマークスキー、ロードバイク、ゴルフなど。

槍ヶ岳  【山行3日目】

2005年07月18日 | 山登り
山行予定
【3日目】槍ヶ岳山荘~南岳~槍平小屋~新穂高温泉


 4時起床予定だったのだが、熟睡できずに3時に起きる。朝飯をすませ、4時過ぎごろに防寒着を着て外へ出る。
 雲ひとつ無い空。ご来光は、拝めそうだ。槍のすぐ横から朝日は上がる。多くの人がこの光景を見ようと、出てきている。この瞬間かたまらない。ご来光を見るときいつも、ありがたい気持ちになるのは、自分だけであろうか?日が出ると、テントの撤収にかかる。5時45分、槍ヶ岳山荘のテント場をあとにする。
 今日のコースは、南岳まで縦走し、そこからは南岳新道で槍平小屋へ下る。そしてゴールの新穂高温泉である。大喰岳、中岳、南岳の縦走、本当に気持ちよかった。前には迫る穂高連峰、遠ざかる槍ヶ岳。振り返るたびに槍の角度が変わる。雲ひとつ無い空。まさに快晴である。人も少なく、静かな山の道。ただ風の音だけが聞こえる。まだ少し冷たい早朝の空気。本当に気持ちいい…下界の慌ただしさが、嘘のようである。


   雪渓と槍ヶ岳

 寝不足であるが、この景色と天気につれられ、足取りは軽い。中岳のピークを過ぎると、雪渓があり登山道はその横をくだる。下りきったところに水場があり、そのことをともやにも伝えていた。水場は少し道がカーブしたところにある。
 彼は、前にも言ったように、いかに早く登れるかコースタイムより早く行けるか、ということに満足感を感じて登山する人である。道がカーブすることは、タイムロスである。水場には、見向きもせず最短距離でつっきって行った…気付かなっかたのだろうか?ザックを置き、顔を洗う。冷たっ!喉も潤し、次は南岳である。所々に残る雪渓に、寄り道しながら8時には南岳に着く。
 獅子鼻からは、大キレットの全景が見渡される。キレット越しに見える、穂高連峰。去年は逆で、北穂からキレット越しに槍を見ていた。なんか不思議な感じであった。
 しばらく、写真撮影に時間をさいた。今回の山行でいちにを争う絶景であろう。8時30分、名残惜しいがいよいよ下りにかかる。
 


   穂高連峰へ

南岳新道を下る。しばらくは、トラバース状の下りであったが、20分後事件は起こった。いつものように知也は先に行ってしまい、単独で下山していたが、見晴らしの良い場所に降りても前にともやの姿がない。正規のルートは、沢をトラバースして雪渓を越して尾根づたいに下っている。立ち止まってしばらく見回していると、沢の下のほうにオレンジ色のザックが見えた。ともやだ!大声で彼の名を叫んだ。そんなに大声で呼ばなくても、山に響き渡り聞こえると思われるのに大声で叫んだ。彼は気づき、しばらく立ち止まり、地図でルートを確認しているかのようだった。自分もルートを地図で確認したが、間違いない。こちらがルートである。しかし、彼が行った先にも登山道の目印の○印がついている。少し先に標識らしき物が立っていたので、そこまで行ってみると「南岳新道」と書いてある。では、ともやが下りていったのは旧道では?ルートを確認していたともやは、結局ここまで登ってきた。約15分のロスである。雪渓の手前で、ガーガー鳥の鳴き声がしていた。ふと目の前に雷鳥の親子が現れた。ともやのルートミスの待ち時間のおかげで雷鳥を見れたのは、まさに不幸中の幸いであった。
 

   大キレット

 しかしそれからとういのは、大変なルートであった。無理して造っているルートというか、急激に高度を下げていき、梯子、階段はほとんど木製でぬれて滑る。段差はきつく、足場は悪い。そんな下山道なので、やっぱり膝を痛める。槍平小屋に着いたのは、11時であった。槍平小屋で食事を取る。ラーメンとコーラを頼んだ。小屋の中にこのあたりの登山道の地図があり、見ていると知也が行こうとしたルートは旧道で今は通行禁止になっているみたいだった。引き返して正解であった。この下りで2人とも、足に大分負担がきていた。一番痛いのは、指先の靴ずれであろう。絆創膏でごまかしながら、槍平小屋を11時30分に発ち、新穂高温泉までの長いくだりを帰った。


槍ヶ岳  【山行2日目】

2005年07月17日 | 山登り
山行予定
【2日目】 双六小屋~西鎌尾根~槍ヶ岳山荘
 
 周りがざわつきだし、4時に目覚める。10時間近くは、寝ていた…おかげで頭痛は全くない。朝食はいつものパンとコーヒーで済ませ、曇り空のなかテントを撤収。6時15分ガスで視界の悪い中、小屋を発つ。水を汲みに小屋へ行ったときに、小屋で天気予報を確認したが、曇り/晴れになっていた。雨はどうやら昨日で降りきったのか?午後からは晴れそうである。
 今日のルートは、まじかに迫る槍を正面に見ながら、気持ちのよい稜線歩きができ、足元にはお花畑が広がるルート…まさに雲の上の散歩道である。問題はガスだけである。出発して、30分も登れば樅沢岳の山頂に着く。景色は、真っ白け…素通りである。2時間ほど歩くと気温も上がって、暑くなる。最初の休憩をする。雨具をはずす。所々にある雪渓が涼風を運んでくれ、見たことない高山植物の花々が心を癒す。
 このころから、ガスが少しずつ無くなりつつある。北の景色はたまに確認することができる。千丈沢乗越に、9時15分に着。あと2時間ほどで、槍ヶ岳である。ここからは、急登が続く。登り始めて10分ほどで、相方の姿はガスの彼方に消えていった。またいつもの単独登山である。足元はしっかりしているので、気を使うことなく自分のペースで、山の頂へ足元を進める。視界も大分良くなり、飛騨沢から槍を目指す人々や、多分小槍だろうと思われる影が確認できる。

   槍ヶ岳

 1時間ほど登ると槍ヶ岳山荘が見えるところで、ともやが休憩をしていた。やっと追いついた。聞くとここから、槍が見えたらしい。ザックを置きしばらくするとヤツは、現われた。大槍が姿を現した。おおぉ~!テンション急上昇である。たいした景色ではなかったが、写真をとりまくる。やっとカメラの出番である。こうでなくっちゃ。すでに大槍の山頂には人影の姿が、まっとれ!槍!それから5分もしないうちに、10時30分頃に槍ヶ岳山荘に到着した。
 すると、ガスが晴れ大槍がはっきりと現われた。しばらくみとれていた…どれだけこの景色を写真で見たか…ホームページで見たか…すごい迫力である。早く登りたいという気持ちを抑え、まずは寝床の確保。小屋で受付を済ませる。まだ1張りもないらしく昨日に続き今日も、ワンツーフィニッシュである。テント場は場所にナンバーがあり、張る場所を指定される。1番2番は、周りが岩に囲まれとても良い場所であった。テントを張り、すぐに昼飯にした。
 今日はゆっくり飯を食える。昨日は途中で雨が降ってきたので慌ただしかった。テント場の正面には、大喰岳。西には笠ヶ岳。東には常念山脈の展望が広がる。まだ11時である。時間はたっぷりある。アルファ米とラーメン(今回は奮発してサッポロ一番みそラーメン)をいつも以上においしく頂き、休憩をはさみ、いよいよ大槍へのアタック開始である。
 天気はもう晴れといってもいいほどに回復していた。水筒とカメラを持って、登り始める。人は多く登っており、少々渋滞気味であったが、まぁゆっくりと味わって登れるし、時間も十分にある。前に団体さんが登っており、待ち時間も多かったが、その時間さえも楽しかった。少しずつ高くなる高度に緊張し、徐々に離れていく槍ヶ岳山荘に目をやると、さっきにも増して人が小さく見える。最後の長い鉄梯子を登ると、3180m、日本で五番目に高い山、槍ヶ岳山頂に登頂した。
 午後2時。すばらしい景色である…来て良かった。1日目の苦労が吹き飛ぶ。握手をする人。歓喜をあげる人。景色を眺める人。人それぞれであるが、皆に共通するのは、笑顔であるということ。ここまでの道のりは、この景色を見たときにそういう顔に、無意識にさせてしまう。これも登山のいいところである。順番に記念写真を撮り、しばらく山頂で写真を撮ったり、景色を眺めたりした。穂高方面は、少しガスっていたが、視界良好、日当り良好である。次から次へと登ってくる登山客に圧倒されつつ、40分ほどで山頂をあとにする。
 大槍から降りると、山荘でお土産を買った、といっても記念に自分のものをかう。そして、ビールも。テントへ帰り、ともやと祝杯である。やっぱり山の上で飲むビールは、格別である。昨日はダウンしていたので、飲めなかったので余計にうまい。今回は、呑助のともやとの山行であったために、これも楽しみのひとつにして来た。またそのために、つまみも多く持ってきた。でも一番のあてはこの景色であることは間違いない。飲んでしばらく休憩する。時間を持て余すほど、ゆっくりした時間を過ごした。晩飯の時間だが、あまり腹が減ってないので、ラーメンだけにする。食後にケーキとコーヒーでしめる。これが、うまかった。
 夕日は、ガスが多くなり見えなかった…日が落ちると、気温もかなり低くなる。今回防寒着に、これは使わないかと思ってダウンを持ってきたが、これがちょうど良かった。8時にトイレに行くときに見上げた夜空には、月が少し明るく星が少なかったように思えたが、きれいな夏の夜空であった。
 (寝るときに、サロンパスを10枚張って寝た影響で、寝袋の顔を出す部分からは、サロンパスの香りがもろにあがって来る。それを鼻からもろに吸うものだから、スースーして、なかなか寝れない。おまけに、目から涙も出てくる始末。前日に12時間の睡眠をとったせいか?それとも、今日槍にあがって、興奮しているのか?全く寝れなかった。結局、2時間ほどしか寝れず、3時には、起きていた…)

   御来光
  

槍ヶ岳  【山行1日目】

2005年07月16日 | 山登り
山行予定
【1日目】  新穂高温泉~鏡平~双六小屋

 尾道から6時間ちょっと、深夜の高速をかっ飛ばして新穂高温泉の無料駐車場に、3時前に到着。2時間仮眠して、6時に今日の目的地である双六小屋を目指す予定だ。天気は、曇り。何とかもってくれ!と思いもむなしく出発前に、雨が降り出す。雨具を着てのスタートを余儀なくされる。気が重い…天気予報では明日も雨の予定だ。2日目も雨で槍にアタックできないと、3日目の早朝に槍に登り南岳までの縦走は諦めるしかないな。そんなことを思いつつ、コンクリートで舗装された退屈な道を登っていく。1時間もするとわさび平小屋だ。とりあえず休憩する。ザックを下ろして水分を補給していると、雨が強くなる…雨が少し小降りになったのを見計らって、スタートする。足取りは重い。徐々に勾配がきつくなる。
 3連休で、人も多いかと思っていたが、天気が悪いせいかまばらである。今回の山行のメンバーは、ともやと俺の2人。いつものメンバーである。登っているときは、ともやが先に行き、俺がそれに大分送れて行く。俺が遅い訳ではない。ヤツが早すぎるのだ!アイツは、山登りの楽しみのひとつとしてコースタイムよりいかに早く登れるか、そんなことを楽しんで登っている。だから、2人で登っていても、7~8割は、単独登山みたいなものだ。しかも彼は休憩をほとんどしない。山小屋とか、休憩場所があると待っていてくれる。
 鏡平に着いたのも彼に遅れること十数分か?10時過ぎに到着。ここから見る、鏡池に映る槍・穂高の勇姿は美しいというが、勿論何も見えない…雨も上がっていたので小屋の外にあるベンチで昼飯しにする。俺は、天気が悪いのでパンで済ませたが、ともやはアルファ米とラーメンを食っていた。食っている最中雨がまた降り出し慌ただしい昼飯になった。その後もしばらく雨が強くなったので、小屋でしばらく待機。待っても止む気配がなかったので、11時過ぎに小屋を出た。

 
   双六小屋へ

 ここから弓折岳稜線までは、1時間。雨の中を辛抱して登った。途中で雨がみぞれになった。気温も大分下がってきた。雪渓も多く残っている。稜線の合流地点で休憩。5~6人ほど休んでいた。これからは、軽快な稜線歩きを普通なら楽しめるはずである。雨も止んで登山道の周りには、高山植物が咲き誇り、気持ちよい山旅の始まりのはずであった。しかし、雨の中登り続けてきた疲労感か?寝不足のせか?ハイペースで登ってきたので高山病になったのか?頭が割れるように痛くなってきた。
 そんな中でもなんとか、1時30分に双六小屋に到着。テント場には、まだひと張りもテントはなかった。小屋はひっそりと静まり返っていた。中に入ると人が数人いた。小屋は今日は少し混雑するらしい。テント場の使用料を払うとすぐにテントを張り、間もなく寝ていた。気がつくと4時だった。まだ頭痛は治らない…テントを出ると15張りくらいはテントがあった。すぐ飯にした。雨が止んでいたのだが、また降って来てそれぞれのテントでの晩飯となった。晩飯は、アルファ米(五目飯)と棒ラーメン(マルタイ)である。食後落ち着くと横になったら、またすぐに寝ていた。6時頃には寝たかな?あまり覚えていない…


   くろゆり