BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

チェンソーマン 第3話 『ニャーコの行方』 感想

2022-10-26 12:08:09 | チェンソーマン
つまらなかったなぁ。

というか、今回、この『チェンソーマン』のアニメがダメな理由がよくわかった。

監督の解釈が、チェンソーマン好き好き熱が強すぎる。

『チェンソーマン』ってもっと静かな「静」の物語なんだよね。

というか、「虚無」なんだよ。

だから、確かにCVの芝居が下手なのもあるけど、そもそも芝居の付け方の方向が間違っている。

デンジって、もっとチンピラで、もっと根っこから頭のネジが緩んでいて、それこそ動物的な感覚しかもちあわせていないくらい「人間未満」の虚無と欲望の塊。

そういう意味ではデンジって徹底的に「子ども」なんだよ。

16歳の姿はしてるけど、多分、頭の中身、価値体系は5才児とか6才児くらい。

だから、パワーやマキマの胸をもみたい、というのも、お母さんのおっぱいを飲みたい、触りたい、に近い感じ。

そのどうしようもないくらい「幼稚」なところが、全然、表現されていない。

今のデンジ役のCVは、あまりにも理性的すぎるし、知恵が回りすぎる

デンジを、エヴァのシンジや、呪術廻戦の乙骨みたいな陰キャのように捉えているけど、ベクトルはそっちじゃないんだよね。

別に岡本信彦的なバーサク最強ヒーローみたいな感じでもない。

原作を読めばわかってもらえると思うけど、もっと単純に「幼児」なんだよ、デンジって。

人間未満の欲望に忠実なだけの生き物。

だからこそ、悪魔のポチタと心を通わせることができたわけだし、マキマの関心を呼ぶことができた。

(まぁ、マキマにはちゃんと理由があるのだけど、それはネタバレになるのでここではやめておく。)

『チェンソーマン』って、デンジが、シンジや乙骨のように厨二病的偏向を捨てて「大人」になる話ではない。

そうではなくて、デンジが「人間」になる話なんだよ。

だから、まずは「人間未満」の「こども」の頭で16歳の体を動かさないといけない。

そういった解釈が、多分、監督に徹底的に欠けているから、そういう芝居をCVのために用意してやれない。

なので、これ、CVが未熟な新人だからダメなんじゃなくて、単純に、監督の解釈が明後日の方向に向いているせいなんだよ。

なんていうか、そもそも作品解釈の入り口で間違っちゃってるから、この先、修正は難しいだろうね。

そういう意味では、まだマキマの方はマシかも。

マキマは、ちゃんと理性はあるけど、ネジが緩んだ狂人なので、あのもっともらしい演技は間違ってはいない。

もっともその分、単純に演技の下手さ、未熟さのほうが目立ってしまうわけだけど。


こういう感じに、原作の「虚無」な部分を、物語としても、絵柄としても、キャラとしても、完全に間違って監督が解釈しているから、アニメで見ると、全体の印象がそら恐ろしくギクシャクしてしまう。

だから、デンジの戦闘シーンを平気でアクションシーンと勘違いして、後ろでロックが流れているようなシーンを作ってしまう。

無駄にアクションの凄さを伝えようと、引きを多用するカメラワークにしてしまう。

コウモリの悪魔や、マキマを召喚した偉い人たちには、いかにもな居丈高な演技をさせてしまう。

どれもこれも「虚無」が足りない。

警察ものでも、捕物帳でも、スパイものでも、アクションものでもない。

とにかく、悪魔が虚無をもたらす世界が描かれているのに、その陰鬱さがない。

まぁ、それを、天然色で動きがあって肉声で喋らなきゃいけないアニメでやること自体が無茶なのかもしれないけれど。

でもなぁー、なんか、邦画全般に当てはまる、映画ってこんなもんでしょ、という枠組みが先にあって、それに原作の解釈を無理やり合わせた結果、どれもこれも似たような映画になって、全然見る気がしない、のと全く同じ匂いがする。

悪い意味で、何を見てもMAPPAのプロトコルで作りましたっていう工業製品にしか見えない。

結構、これは大問題だと思うよ。

『進撃』をあれだけ腐らせたファイナルシーズンと全く同じ、「いや、アニメになっただけ、マシじゃん、そうだろ?」っていうような印象を与えてくるのだから。

悪い意味で、MAPPA臭が抜けないのは、ほんとにダメだと思う。


ということで、『チェンソーマン』に興味を持った人は、とにかく、原作の第1部を読むべし。それが全てだよ。

ちなみに、第2部は今のところは微妙だけどw

でも、後半化けるかもしれないと思わせるところが面白い。

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カッコウの許嫁 第132羽目 『彼女の言うこと 聞いてくれないの…?』 感想: え、瀬川さん、なんでここに?

2022-10-26 09:55:56 | カッコウ
まさかタイトルの中の「彼女」がひろのことだとは思わなかった。

ていうか、まさかひろまでこの場に現れるとは思わないよね?

ということで、唐突にも、次回、暴風雨の中の沖縄で、ひろとエリカが凪を巡って語り合う・・・という緊張回。

ホントに次回に向けての舞台設定回だけでしかないのは凄いがw

でも、これは面白くなってきた。

でもこれじゃ、あいとサチが完全に周回遅れになりそうだけどw

このまま、ひろvsエリカ、で話を進めるのかな?

ヒロインどうしで、共通の意中の男子のことを語り合うのは、ラブコメのお約束ではあるけれど。。。

さて、次回、どうなる?

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トニカクカワイイ 第212話 『あれ? ぼくまたなんかやっちゃいました? というまさかの前回からの続き』 感想: なんか思い切り期待を裏切られた感w

2022-10-26 09:47:40 | トニカクカワイイ
前回の引きから、てっきり時子の残した情報が明かされるとばかり思っていたら、まさかのイチャラブ(未遂)展開w

まぁ、その「お預け」を食らった感wは、ナサくんと同じわけだがw

こういうところ、この作者、上手いよな。

作中で描かれている「感覚」がそのままブーメランで読者に返ってくるw


お預けを喰らったナサくんのモヤモヤ感こそが、今回の主題だったw

いや、連載には、こういう緩急の使い分けも重要だけどねw

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よふかしのうた 第146夜 『生きてる実感』 感想

2022-10-26 09:40:53 | よふかし
全編、ハルカの記憶の中にある、かつての七草ハルと星見キクの議論の話。

議題は「人間の戻る方法」。

しかし、ハルとキクって、互いに、ハァちゃんとかキクちゃんとか呼び合うくらい、親しい間柄だったんだね。

これは結構、意外、というか重要な情報なんじゃない。

つまり、このままコウたちが星見キクの追跡をしていくと、そのままそれはナズナの母である七草ハルの足跡をたどる旅にもなる。

だって、最後にキクがハルカに言っていた、「人に恋をすること」って、まさにそれがナズナが、ハルと人間男性の間で生を受けたことの理由になるから。

そして、ハルが吸血鬼であるにもかかわらず、死んでしまったことの理由でもあるだろうから。


それにしても、死ぬから生きてる実感を持てる、というのは、ハルカの言う通り、不死者である吸血鬼らしい、まさに勝者の論理だよね。

まぁ、でも、ここで「不老」と「不死」とは実は違う概念でね、とか言われそうだけどねw

アンコが見つけたように、吸血鬼を殺す方法はあるわけだから、ハルもそれが理由で死んだのかもしれない。

人間に恋をしたから、という理由ではなく。

でも、だからキクは、マヒルを相手に、彼女の立てた仮説の検証をしようとしているわけだけど。

ただ、ちょっと気になるのは、キクがマヒルをその仮説検証の相手に選んだのって、マヒルがコウの友人だったから、ということが影響しているのかどうか。

なんとなくだけど、ハルと瓜二つのナズナが、コウとともに自分のあとを追ってくれることも願っているような気もするのだよね。

その場合、なぜ、そんなことを?とは思うけど。

でも、今回描かれたように、ハルとキクはどうやら腐れ縁のマブダチみたいな雰囲気があったから、一方的にハルが亡くなり、一人だけ取り残されたことに、キクはキクで思うところがあるように思えてきてしまうので。

もしかしたら、北海道を選んだのは、北海道にハルカがいることを知っていて、コウやナズナがハルカと接触することを望んでいたからなのかもしれない。

というか、それも含めての計画だったようにも思えてくる。

吸血鬼は吸血鬼に感づく、という点で、遅かれ早かれ、ハルカとは接触していたであろうから。


ともあれ、意外とハルカが重要キャラであることがわかったエピソードだった。

といっても、要は、過去からのメッセンジャーみたいな位置づけなだけなんだけどねw

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