詰将棋の街路樹

自作の詰将棋をはがきに描いて掲載しています。それから詰将棋鑑賞、日記。

詰将棋鑑賞その10

2020-03-15 22:26:33 | 詰将棋鑑賞
詰将棋鑑賞は、今年で、ようやく10番まで来た。自宅のWindowsも今年、ようやく10になった。
詰将棋解答選手権は昨年までで16回、開催された。しかしコロナウィルスの影響で令和2年のチャンピオン戦は中止になった(詰将棋解答選手権速報ブログより)。初級戦・一般戦は予定通り4月11日(土)に各地の会場で開催予定とのことだが、会場によっては中止を発表しているところもあるので速報ブログでの確認が必要だ。
私は今年は選手権参加予定なので(お手伝いで)、昨年の作品を復習してみることにした。「第16回詰将棋解答選手権 一般戦 第6問目」の妻木貴雄氏作だ。初形21に桂、11に香で盤面9枚の好形。難しい。解けない(結局解けたが。)。うなる好手が連続した後、鮮やかな収束。盤面一枚減らして13手でも十分。この作品は、一般戦の問題の中では群を抜いて正解率が低い難問だった。21の桂と11の香が、十分に働いていて濃厚な実践形だった。


<2020年3月25日追記>第17回詰将棋解答選手権については東京、大阪、横浜の3会場についても初級・一般戦の開催中止が新たに発表されました。最新の情報は「詰将棋解答選手権速報ブログ」にてご確認下さい。

<2020年4月7日追記>第17回詰将棋解答選手権については2020年3月29日(日)開催予定だったチャンピオン戦に続いて、4月11日(土)に全国30会場で開催予定だった初級戦・一般戦についても、30会場全て中止の発表がありました。代えて、インターネット経由で初級戦・一般戦の問題の公開と解答募集が行われる模様です。詳細は「詰将棋解答選手権 速報ブログ」でご確認下さい。

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詰将棋鑑賞その9

2019-09-22 01:44:51 | 詰将棋鑑賞
詰将棋看寿賞委員長と詰将棋解答選手権委員長を兼務されてた柳田明全日本詰将棋連盟会長が今年で看寿賞選考委員のほうを退任したとのことだ。その柳田会長の作品を鑑賞してみた。「近代将棋 昭和56年11月号」に発表された作品で「古今詰将棋作家名鑑 四百人一局集」に収録されている。「詰将棋探検隊」にも収録されているので是非入手されたい。詰上がりで盤上が玉以外は同種の駒のみになるのを一式詰というが、「香」でそれを実現するには必ず一枚成香が必要、それまでの発表作には成香が最初から盤上にあったらしく、この作品は初形で成香がない「四香詰」第一号作になったとのことだ。序盤は悩み中盤は順調に行き終盤は余詰がありそうに見え余裕ぶると王様を逃しそうになったが、きっちり29手で詰ました。序盤に角を捨てる時と、後半に香が成る時の感触がいいと思った。この「四香詰」は塚田賞を受賞された。

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史上最速 史上最年少 「藤井聡太七段」

2018-05-20 23:32:29 | 詰将棋鑑賞

夏の第34回詰将棋全国大会本会は参加予定だが今年は秋頃まで詰将棋創作休業中なのでアマレン杯はギブアップ(ギブアップしなくてもあまり変わりなさそうだが…)。
ところでスポーツ新聞は詰将棋100円、その他の記事30円感覚の私は昨日、一面が藤井七段だった東京中日スポーツを買った。130円のトーチューの一面が「藤井最速七段」だったのでお買い得気分だった。竜王戦予選の5組ランキング戦準決勝で藤井聡太六段が船江恒平六段を下し「竜王戦ランキング戦連続昇級」の条件をクリアし七段に昇段。プロ入り1年7か月、15歳9か月での七段昇段は、加藤一二三・九段が持っていた2年8か月、17歳3か月をいずれも上回り史上最速・史上最年少だそうだ。
そして中を捲って詰将棋を探す。あった。将棋世界、週刊将棋の詰将棋でおなじみの中田章道七段の詰将棋があった。私は中田章道七段の作品には週刊将棋で濃密な詰将棋のイメージを持っている。5分で2段と書いてあったのに、いつものように変化から読んでのどかだった。初形で31に玉でも大丈夫そうだ、11に玉で持駒に桂を足すと17手になるか、いや、3手目桂打ちで駄目だ、と考えたりもした。詰将棋には著作権があるとの立場の私だが、たまにはいいかなと持駒:銀銀銀桂、玉方:21玉、12金、24歩、33桂、攻め方:52飛とばらしてしまう。軽快な13手詰だった。
話しを戻さなくては。史上最年少八段の記録を持っているのは18歳3か月の加藤一二三・九段、史上最年少九段の記録を持っているのは21歳7か月の渡辺明棋王だが、果たして藤井七段は最年少昇段記録をまた作れるのかどうか。タイトル初挑戦も期待だ。

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詰将棋鑑賞その8

2017-06-04 20:50:14 | 詰将棋鑑賞
あまりネットをいじらずニュースに疎い私だがテレビを付けると時々藤井聡太四段を見かける。最近ではデビューから無傷の20連勝とニュースでやっていた。最近届いた詰パラでも詰将棋解答選手権3連覇の実績から門脇芳雄賞を受賞したことを確認した。

その藤井四段の詰将棋作品を今日、鑑賞した。それは詰将棋パラダイス2014年2月号掲載の高等学校コーナーに掲載されている入選2作目の作品だ。その解答が載っているのが2014年5月号なのだが、その5月号の新人コンクールには私の入選2作目が載っている、じゃなかった、その5月号の高等学校コーナー解説欄には藤井作品に解答した92人のうち、なんと32人も不正解になったとの記事が載っている。高等学校コーナーは13手詰から17手詰の作品が載っているのだが、高等学校コーナーに解答する人たちは「10手台ならまかせろ」というツワモノばかりのはずだが、32人も藤井聡太の軍門に下ったのだ。実は私もだった。今日、再び鑑賞しても、再び詰みを逃しそうになる。玉方の妙防が盲点になる。入玉形、盤上の駒12枚、持駒なし、「解いた」と思ったツワモノどもが続々不正解になる恐るべき作品だった。当時の藤井聡太はまだ奨励会1級、現在は四段でデビューから20連勝、タイトル初挑戦がいつになるのか注目だ。

<ヤン詰解付き解見ずに感想>
2017年2月号から
A 意表のごつい手。
B 意表の駒取り。
C 初手一発。
D 桂を捨てる時が気持ちいい。
E 飛車が往復した。
F 捨て方がいい。


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詰将棋鑑賞その7

2016-11-13 01:54:26 | 詰将棋鑑賞
将棋の実戦から遠ざかって久しく詰将棋と二足のわらじは厳しく体力の限界、ということで将棋は観戦のみ、これからは詰将棋道一本で行く、過去に取得した将棋免状は、ブログのどこかに確認出来る。

日本将棋連盟会長を歴任していた二上達也九段が逝去された。 二上九段といえばタイトル5期の名棋士であると同時に詰将棋の作り手として名高く、「将棋魔法陣」という二上九段詰将棋作品集も最近刊行されていた。その本は私も持っていて、このブログの「詰将棋の本」カテゴリーで私は書評を述べている。哀悼の意を込めて、その将棋魔法陣「番外 第19番」に取り組んでみた。初形「二」の詰将棋。確か詰め上がりは「上」で「二上」の立体曲詰になるのではと思って、全ての順をなんとか7手以下にしようと試みたが出来ず、最長手順は11手で「上」を変化として味わう(本の中では「上」を作意として扱っている)。ただ、この変化手順は変化にするにはもったいないかっこいい手順だった。
昔、近所の皮膚科に月曜日に行くと待合室に日刊スポーツが置いてあり、それに掲載されている二上九段の詰将棋を解いていたものだ。

<ヤン詰解付き解見ずに感想2016年11月号から>
A 飛を取らせる展開が見事。


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詰将棋鑑賞その6

2016-08-28 22:06:27 | 詰将棋鑑賞
私が最も解いた詰将棋は誰の作品か、と考えたら週刊将棋とスポーツ報知の伊藤果八段かなと思う。「四百人一局集」に載っている<スポーツ報知  平成20年2月9日>の持駒7色を解いてみた。まずスポーツ報知だから15手詰以内だな、と分かる。盤上桂香歩のみの無仕掛け図式で美しい。2手目の分かれ道を駒余り以内に討ち取ることが出来なかったが、玉を引き込んでから揺り戻して詰ます、桂の使い方が印象的だった。伊藤果八段の作品はアクロバティックなものが多いなと思いながら解くのに苦労するのを楽しみにしていたものだ。伊藤果八段は作品集「果し状」を出されている。私に言われても駒余る。報知の「10分で二段」に長考していたし…

今年の夏は暑かった。今日は涼しいが。台風ニュースも頻繁だ。お盆には横浜で行われた京急将棋祭りに行ってきて、貼り出されている懸賞詰将棋の図面と解答を名刺の裏に書いて久しぶりに会った棋友に渡したりした。

<詰パラヤン詰解付き解見ずに感想>
A やりにくい初手。
B 飛をどかす。
C 玉を引っ張り桂を駆使する。
D 中盤の応酬が見事。
E 香がポイント。
F 幻惑を乗り越えて「と」の技ありから収束で一本。

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詰将棋鑑賞その5

2015-11-29 18:59:35 | 詰将棋鑑賞
<詰将棋パラダイス2014.7ヤング・デ・詰将棋700 摩利支天>
前回(詰将棋鑑賞その4)触れたように摩利支天さんに哀悼の意を込めての作品鑑賞となります。
 摩利支天さんは私も通っている詰工房の立ち上げに関わった人で1996年に馬詰恒司氏との合作「FAIRWAY」で看寿賞受賞、2014年には入選100回で同人作家になっています。

私が取り上げる作品は詰将棋パラダイス通巻700号記念特大号のヤング・デ・詰将棋700(略してヤン詰700)に掲載されたものです。ヤン詰700には34作掲載されていますが、盤面駒数最も少ない駒数3枚の作品が3つあり、摩利支天さんの作品がそのうちの一つです。

昨日の夜挑戦。初手は7二飛から入り途中「銀合で詰まない!」など延々と考えてくたくたになってから6二飛経由でようやく初手8一飛として解決。しかし解説を読むと「ほぼ必然の8一飛」とあります。5手目馬筋を遮る6三歩の後、気持良く銀成として遮っていた馬筋を再び通す複線を張り、その馬を捨てる収束へと繋げていきます。まるで初手から収束のような見事さです。形も手順も綺麗な作品です。

<第45週週刊将棋五段問題封じ手>(第1623回・11月11日号)
私の封じ手は5三と。
週刊将棋の解答は1三桂。
不正解(87.0)。9割許すまじの週刊将棋の意地を見た。
<第46週週刊将棋五段問題封じ手>(第1624回・11月18日号)
私の封じ手は4五飛。
同馬なら7三馬。

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詰将棋鑑賞その4

2015-11-22 19:55:50 | 詰将棋鑑賞
<将棋世界 昭和50年1月号 桑原 辰雄>
偉大な詰将棋作家である桑原辰雄さんと摩利支天さんがお亡くなりになったというニュースを確認しました。
両氏に哀悼の意を表すとともに2回連続で詰将棋鑑賞で取り上げたいと思います。
今回は桑原さんの作品鑑賞です。

昭和8年生まれの桑原さんは将棋も囲碁も強豪として知られていて、昭和50年にはアマ群馬県代表3回の功績で将棋連盟から無料で五段免状を授与されています。詰将棋著書も多く、最近では「榛名図式」という本を出していました。

今日私は「四百人一局集」に掲載されている桑原さんの「将棋世界 昭和50年1月号」の詰将棋を解いてみました。1一に香、2一に桂がある実践形で盤上の駒も5×6に8枚収まっている落ち着きのある初形の作品です。ちょっと初手の解答がちらっと視野に入ってしまったのは残念でしたが、3手目以降は悩みながら自力鑑賞しました(3手目1二銀や1二角は詰まないな、など)。最初の5手が難しい。5手目に打った駒の活用、収束に桂が絡んでくるところ、また6手目下段に逃げる変化で4二角と打つところもいいなと感じた印象的な実践形です。

<第45週週刊将棋五段問題封じ手>(第1622回・11月4日号)
私の封じ手は4二歩。
週刊将棋の解答は4二歩。
正解(88.6%)。
<第46週週刊将棋五段問題封じ手>(第1623回・11月11日号)
私の封じ手は5三と。
以下の読み筋一例は5三とに対して3三金寄、4三銀、同金寄、同と、2二銀、3二と、同香、3一金、同銀、3三桂、1二玉、1三金、同玉、1四歩、2二玉、2一金、3三玉、6三龍以下。

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詰将棋鑑賞その3

2015-08-30 20:21:52 | 詰将棋鑑賞
<詰将棋パラダイス1994.10表紙詰将棋 岡田 敏 入選437回>
大正14年生まれの岡田敏(さとし)さんは詰パラなどでの合計入選回数1100以上の最高記録を持っているお方で平成25年5月にお亡くなりになりました。その頃私は詰パラを購読し始めたばかりで、その時に「岡田敏」の名を知り、詰将棋界の偉人であることを知りました。あぶりだしなども数多く出しておられます。
今回私はその岡田さんの詰パラ表紙作品を解いてみました。初形を見て右上のほうで細かい展開があってから3一飛成、同玉、3二金までのような詰みが出てくるのかなと思いその方針で考えていたせいで3手目の発見に大苦戦しました。3手目が分かればあとは必然の展開になります。捨て駒は数回出てきて豪快に気持ちよくかっこよく捨てる、ではなく、ちょこちょこっと少しずつ遠慮がちに捨てていく感じです。守りの龍は小技にいいように翻弄されています。このやられ方をされると王様もぐったりするのでは。捨て駒のパターンや駒の動きにも趣向があり楽しめます。王様を空中に逃がしそうなところに誘導し軽いジャブの連打でノックアウトといった作品。

<第32週週刊将棋五段問題封じ手(第1610回・8月12日号)>
先週掲載した私の封じ手は▲9三角。
週刊将棋の解答は▲9三角。
正解。
32問中28問正解。正解率87.5%。
<第33週週刊将棋五段問題封じ手(第1611回・8月19日号)>
私の封じ手は▲8三桂成。
以下、同玉、7三金、9四玉としてから3七歩と馬を取れば2八銀、3八玉、3九飛、同金、同銀成、同玉、4八金、同金、5九龍に4九角が逆王手で勝ち。

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詰将棋鑑賞その2

2015-05-31 11:29:55 | 詰将棋鑑賞
5月28・29日に福岡県福岡市「アゴーラ福岡山の上ホテル&スパ」で行われた
第73期名人戦七番勝負第5局は、羽生善治名人が行方尚史八段に勝ち4勝1敗で名人防衛。
これで羽生名人は王位・王座・棋聖と合わせ四冠を保持、名人通算9期、タイトル通算91期。
行方尚史八段は来期は再挑戦目指して順位1位としてA級順位戦を戦います。
それにしても羽生名人の通算タイトル数は凄いですね。

おととい詰将棋パラダイス2015年6月号が届きましたが、
「読者サロン」のコーナーに私の初入選作の改作図が掲載されています。
この改作図は是非みなさんに見て頂きたいと思っています。
東京駅近くの八重洲ブックセンターに行くと詰パラ6月号を購入することが出来ます。
早くいかないと山積みの詰パラがなくなってしまうかもしれません。

今日は将棋世界「詰将棋サロン」のコーナー左下に掲載された村田顕弘五段色紙詰将棋「4×4創作記念」鑑賞日記です。
2013年7月号から9月号にかけて掲載されていた筈なのでバックナンバーでご確認を。
図面は持駒歩、11に玉、12に守りの歩、13に守りの金、14に攻めの香、21に守りの桂、
22に守りの歩、23に攻めの角、24に攻めの金、31に…
といった感じでなんと右上4×4全ての升目に駒が配置されています。石垣図式です。
解いた時は詰み手順が当時の私の年齢と一致してしまう驚きもありました。
進めていきますと段々難しくなってきまして劇的な29手目などは最後に発見しました。
途中で玉も含めて盤上の駒数が2枚になったりします。変化も多く濃厚な味わい深さです。
そういえば詰上がり図が私の第三番と同じ形になっているな。

<第19週週刊将棋五段問題封じ手(第1597回・5月13日号)>
先週掲載した私の封じ手は▲3二角。
週刊将棋の解答は▲3二角。
正解。19問中18問正解。正解率94.7%。次正解すれば95%だ。
<第20週週刊将棋五段問題封じ手(第1598回・5月20日号)>
私の封じ手は▲2四銀。
どう応じられても1手詰。先手に詰みはない。

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