詰将棋の街路樹

自作の詰将棋をはがきに描いて掲載しています。それから詰将棋鑑賞、日記。

藤井竜王・名人が「八冠」制覇か、永瀬王座が「名誉」獲得か(藤井が永瀬に挑戦:第71期将棋王座戦)

2023-08-27 21:18:28 | 日記

<8月24日付日本経済新聞社会面>

6月に名人を奪取して羽生九段以来の七冠を達成した藤井聡太竜王・名人(王位・叡王・棋王・王将・棋聖)は、現在、将棋の免状に名人・竜王として署名していて、永世名人竜王七冠資格者の羽生善治九段が会長として署名している。羽生九段が七冠制覇した時は、当時の全7タイトルの肩書を当時の羽生七冠が毛筆で書いた記念免状も出た。そんなことを考えている暑い夏だが、藤井竜王・名人の「八冠」が現実味を帯びてきた。6月から7月にかけて行われた棋聖戦で佐々木大地七段の挑戦を退け棋聖防衛、8月5日には、まだタイトルを獲得していない王座戦の挑戦者になり、そして8月23日には王位戦七番勝負で棋聖戦と同じく挑戦者になった佐々木七段を相手に王位を防衛した。これにより、藤井竜王・名人は8月31日に開幕する王座戦五番勝負が「八冠」制覇をかけた戦いになることになった。羽生九段が永世七冠資格を取って以降、八タイトル制に移行していて、藤井竜王・名人が全人未踏の八冠になるかが注目だ。しかもタイトル挑戦失敗もなく、防衛失敗もなく八冠になるのか。
藤井竜王・名人の挑戦を受けるのは永瀬拓矢王座。永瀬王座は現在、王座4連覇中。王座の永世資格は5連覇もしくは通算10期。今期防衛すれば5連覇で「名誉王座(王座戦は「名誉王座」が永世称号、他のタイトルの永世称号は永世〇〇)」になる。

すごいことになった。

藤井竜王・名人が全人未踏の「八冠」全タイトル制覇か、永瀬王座が別格中の別格である永世称号の一つである「名誉王座」の資格を手にするのか。勝ったほうが名誉総取り、ウィナー・テイク・オールではないか。これを作ったような歴史的一戦と言わずして何と言おうか。

ところで、日本経済新聞の8月20日から8月25日の朝刊には藤井七冠対村田顕弘六段の王座戦本戦2回戦の観戦記が載っていて「新・村田システム」で劣勢になった藤井七冠の渾身の逆転劇が面白かった。観戦記を務めた若島正さんも「『作ったような』詰みと言わずして何と言おうか」と書いている。将棋世界9月号の勝又清和七段の連載にも解説されていて勝又七段の名著『つみのない話』で取り上げられそうな藤井対村田戦だったな、と思った。


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