流石に11枚 22面のレコードを聴き終えるのには時間がかかる
中古レコードショップで購入のギーゼキング演奏
モーツァルトピアノ全曲集がそれ
最初から聴き進めていったが、しばしば中断
やっと15面まで達した
この人の演奏、一言で言えば真面目な演奏
タッチはかっちり、モーツァルトの想像される愉悦的なところはない
あくまでも真正面から正攻法での解釈
そして男っぽい
それがいいかとか、好きかというのは別問題
この真面目な演奏をきいてシゲティーの
バッハの無伴奏ヴァイオリンの演奏を思い出した
これもギーゼキングに劣らず真面目な襟を正して聞くような演奏
とすると、時代背景、ブームはそうような演奏を支持したのか?
レコードで持っている一見真面目そうなバックハウスのモーツァルトの演奏はもう少し
淡白で、しかし、自分のものになって楽譜通りという事も無い感じ
一気に何か把握している様子
この一気に、最初から何か把握している感じは
フルトヴェングラーの演奏にもしばしば感じられる
演奏をしていくうちに音響の建築物が完成するのではなく
最初から見通しよくそこに存在するような
ところで先日陶芸用の窯を製造している人のところに行く機会があった
その事務所にその人の窯で焼き上げられた作品が無造作に展示したあったが
これら作品の緊張感を要する様なオーラが凄かった
その作品ひとつひとつが真面目な真剣に取り組んだ作者の
精神状態を正直に反映しているようで
音楽の演奏も、陶芸も何か一流なものは
その周りに醸し出している雰囲気が違う事を改めて感じた次第
(そんな風になるには才能と多くの時間を要したのだろうな)