クラシック音楽の世界では3大Bという言葉がある
一般的にはバッハ・ベートーヴェン・ブラームスのことをさすが
自分はブラームスの代わりにブルックナーを選ぶ
2024年はブルックナーの生誕200年だ
2020年にコロナ禍で生誕250年を大騒ぎできなかったのがベートーヴェン
今年のブルックナーも日本のメディアにはほとんど報じられず大騒ぎできていない人だ
ブルックナーオタクは男ばかり、嫌いな作曲家の筆頭ともいわれるブルックナー
でも、自分は大好きだ
ウィーンの彼の最後の家も、彼の心臓が眠るザンクト・フローリアン修道院も
そこでは日本人の誰にも会わなかったが、大いに満足感を得られる時間を過ごした
生誕200年となれば、商業的にも特別な企画が生まれる
その一つがオルガン編曲による交響曲の演奏だ
これは外すわけにはいかないが一枚一枚購入すると高くなるので
セットでやすいのを手に入れた
ブルックナーの音楽はオルガンの影響下にあると言われる
弦楽器よりも金管楽器が活躍する傾向があるからと思われるが
それは実際に聴いてみると、そうかもしれないと思う
ただし圧倒的に困ることが一つある
それはオルガンの音は弱音と強音のダイナミックレンジが広すぎるので
音響がCDには収まり切れないでいる
フォルテを基準にするとピアノの音は極めて小さな音になる
そしてピアノの時の柔らかい音色はスピーカーからは聞き取りにくい
(ダイソンの扇風機は音が大き過ぎる)
オルガンの音はやはり教会の広い空間の中で聴くのが一番のようだ
オルガン演奏を生で聴いたのは多分ケルンの大聖堂とウィーンのシュテファン大聖堂
50年以上も前の話で、たまたま演奏会があることを知って出かけたのだった
大音量にびっくりしたのは当然だが、今も覚えているのは別のことで
演奏のプログラムに「インプロビゼーション」というのが当たり前のように入っていたことだ
即興演奏という音楽が、ごく自然に組み込まれていてこの国の人々は
古い音楽ばかりをありがたがっていない!と強く感じたのだった
CDに収まりきれない音楽を自宅のオーディオで楽しむには少し忍耐がいるが
いつか名古屋の芸術劇場コンサートホールで
ブルックナーのオルガン編曲版の交響曲を聴いてみたいものだ
(どこかのテレビ局が試みてくれないかな)
CDはまだ聴き始めたばかり、まずは各交響曲のアダージョ楽章ばかり聴いて
その世界に浸ってみることにしようか
(アダージョ楽章はどの交響曲も良い)
ところで、数年前にはオルガンではなくてピアノの二重奏で彼の交響曲を演奏した
CDを手に入れたが、このときもダイナミックレンジの不満を覚えた
ブルックナーの音楽はやはりコンサートホールで聴くのが一番だろうが
田舎に住んでいる身としては、これらで満足するしかない