パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

42年前の今日の記録(バイロイト)

2018年08月18日 16時35分48秒 | 音楽

現在、ドイツのバイエルン州のバイロイトではヴァーグナーの楽劇・オペラのみを上演する
バイロイト音楽祭が行われている
革新的な演出の先駆けとなることが多かったらしく、世界中のワグネリアンが集い
上演後の食事ではあれこれ自論を戦わす事になっているようだ

42年前の今日、8月18日、自分もバイロイトにいた
この汚い金銭出納帳にその日の出来事が書かれている(こんなものを残していた)

宿泊代、食事代などのこまごまとした金銭の出費の下に数行その日の出来事が書かれている
この日は、祝祭劇場前で指揮者のホルスト・シュタインのサインを貰ったし
トリスタンとイゾルデの23日のチケットを19日と交換できたので運が良かった
としている
その他にも祝祭劇場から流れて来ている音楽を(聴けない人用に流していたのか?)
昨日の演奏よりは良さそうだ、、と偉そうなことも残している

この年、バイロイトで見た(聴いた)演目は、トリスタンとイソルデが2回、パルジファルが1回
シェローの演出、ブーレーズのフランス人のコンビで話題となった指輪は経験していない
実はオペラとか楽劇なんてそれまで生で見たり聴いたりしたことがなかった
田舎に住んでいるからそんなものに接する機会がないためだが、はじめての生の経験が
いきなりバイロイトでトリスタンとパルジファルだったのは特異であっただけでなく、その後にも大きく影響した

翌日19日はトリスタンとイゾルデの実演が16時から
午前中は学者風のおじいさんがピアノでトリスタンのアナリーゼを
一緒に泊まることになったアメリカ(フランスに住んでいる)のおばあさんと聴きにでかけている
ドイツ語でほとんどわからなかったが、ピアノで奏されたトリスタンの音楽の魅力的なこと
これだけは、覚えている

トリスタンの音楽で今でも覚えているのは
一幕ではもうじき船が着くという場面で、トリスタンとイゾルデがあれこれ言い合って
運命のライトモチーフが重い弦で緊張感をもって奏されるところ
秘薬を飲んでしまって、その瞬間にハープと独奏ヴァイオリンで恍惚となってあのテーマが奏されるところ
二幕では有名な愛の二重唱の場面とそれに続くブランゲーネの警告
その後のまったりした感覚の音楽
三幕では冒頭の暗い重い前奏曲とイングリッシュホルンのまるで死者(骸骨)を想像させるような音楽
これらのシーンは、録音媒体で聴く今でも特別な感情が呼び起こされる

最近はバイロイトに行ってるワグネリアンの方のツイートを、現場報告として見てるが羨ましい限りだ
いつか、もう一度、、あの独特な響きの劇場で体験したいものだ

ところで、9月2日には名古屋の御園座で愛知祝祭管弦楽団によるコンサート形式の「ジークフリート」が
上演される
「ラインの黄金」「ワルキューレ」と見てるが、これがとても熱っぽくて良くて、今度も楽しみ
ただ心配なのは自分の腰と股関節の状態
(行き帰りと座り続けられるか心配、、ダメなときは途中でリタイアするしかないかな)

祝祭劇場横でホルスト・シュタインからもらったサイン

 

 

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