庭でトンボを見た
その刹那、蝶ヶ岳から常念岳の縦走をした時に赤トンボが飛んでいた光景を思い出した
まだ腰が今ほど悪くなっていないころ、お盆になると山にでかけていた
山は秋になるのが早い
まだ暑い暑いと言っていても、山は既に秋の準備をしていると実感したものだった
そういえば光の色も少し違う
その光の色は、その場所に行けば感じられる懐かしいものだ
せっかく高いところに登ったのに、常念岳までは一旦降らなければならない
その樹林帯に向かう時、目の前を遠慮せずに飛び交っている
このときの赤とんぼは童謡の赤とんぼのイメージはない
ただひたむきな生き物が自分の生を思い切り満喫しているようだ
もう一度行ってみたいところ、それは山なのかもしれない
何時間か歩けば行けるところなのだが、今は限りなく遠いところに感じられる
常念岳からの槍穂高連峰の光景を満喫した後、下山の一歩を踏み出すのは
まさに後ろ髪を引かれる思いだった
常念岳からの下山の途中の水飲み場の水はうまかった
下るに連れて沢の水の音が大きくなっていく
そして次第に蒸し暑くなっていく
馬の背を分ける天候
とんでもなく壮大で美しいモルゲンロート
そういったものを山ではしっかり見ることもできた
そこに行けば自分の目で何度も見られるのに、今は憧れるだけだ
上高地に行ってみたいとも思う
だが行けば、きっと山に向かう人を見て羨ましく思うに違いなく
それをできない自分にがっかりしそうな気もする
行ける時、行っておく
山も海外も、、たとえ消化不良でも、できる時にやっておく
それは若い人に伝えたい知恵の一つだ
だが、翻って今の自分がやっておくべきことは、、、、、