パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

京都日帰り旅行(広隆寺と嵐山)

2019年11月23日 08時57分28秒 | 旅・旅行

スマホのアプリによると昨日歩いた距離は12.9キロだった
最近の体力・気力を思うと、一箇所だけ真面目に見て
あとはダラダラで良いと覚悟していた京都の日帰り旅行

今回の一番の目的は、太秦の広隆寺
11月22日に年に一度だけ聖徳太子像が黄櫨染御袍を着用して
公開されるのを見るためだ

入り口には大きな文字でこう書かれている

前回訪れた時は閉まっていた聖徳太子像が納められている建物は見学者を受け入れている

聖徳太子像と黄櫨染御袍を見る所要時間は後ろが詰まっているので、待つ時間しっかり、肝心な時間は数分
といった病院の場合と似たようなものだった
即位礼で用いられた黄櫨染御袍は代々この寺に納められるようだが
昨日の着用の黄櫨染御袍はつい最近の「即位礼正殿の儀」で着用されたものではなく
現上皇が用いられたものとの説明があった

見る時間は1分ほどで聖徳太子像は想像したよりも大きなものだった
そして奥にあるのでよく判らなかったが、黄櫨染御袍は生地に透かしが入っているようで
繊細かつ品格があり、きれい!との印象をもった

あっという間に済んでしまったので、次は交通の接続の便利な嵐山に行くことにした
嵐山は見どころがありすぎるが、ダラダラと歩けばそれなりに何かがある
とりあえず今年のマイブームの源氏物語絡みの「野宮神社」はよく見ることにしようとした

天龍寺に向かって歩いていると「宝厳院」のきれいな紅葉のポスターが目に入った
ついそれに誘われて入ることにした
宝厳院は何年か前に来たことがあった
その時はまだ紅葉には早くて、苔がきれいだったくらいの記憶しかない
ところが入場券を買う前からチラッと塀越しに見える紅葉は、それだけで期待感をもたせ
入場券を買う時間が待ち遠しいくらいの気持ちになった

天気は太陽の光が弱く、晴れならばもっと素晴らしいのに!と残念なところもあったが
このすさまじい紅葉には興奮した
言葉を失うとはこういうことだろう
決して大きな庭ではないがその紅葉の色の品の良いこと、赤と緑のグラデーションがきれいなこと
こんなに心が動かされたのは東福寺の紅葉以来で、写真に撮っておかねばもったいないとスマホで
立ち止まっては撮影した
しかし撮影することに神経がいくと紅葉を心底楽しめない気もして、庭園を一周してから
今度は撮影無しで回ることにした

気持ちが完全に紅葉を見ることにいってるので、自分は歩いているというよりフワフワと
そのあたりを漂っているような気さえした

今日はこれを見ただけで十分元はとったな!と思いながら、次は野宮神社に向かって歩いた
野宮神社は想像したよりとても小さな神社だった
源氏物語では六条御息所の娘(後の秋好中宮)が斎王となっていく場面が書かれているが
それを説明した看板が出ていた

野宮神社は現在では縁結びのほうが有名らしい
だが気になったのは、木の皮がついたままの鳥居の方

これにも説明の看板があった

京都はゆっくり歩いてみると、いたるところ心にひっっかるようなことがある
鳥居といえば蚕ノ社の木嶋神社には三本鳥居もあった

もう満足したが時間が有ったので前回あまりよく見なかった二尊院に行くことにした
途中、落柿舎の案内看板があったが今回は素通り
不思議だったのは落柿舎の前の畑(原っぱ)は以前と同じずっとそのまま手付かずだったこと
何年か前落柿舎も見に来た時もそうだったし、それよりずっと前に来た時もこの光景だった
今どきならば家が建っていて不思議は無いのだが、、何故なんだろう
落柿舎は残っていても、多くの家々のなかにあるというのは風情が無いのでこのままが良いので
このままでいてほしい

嵐山を歩いていると耳に入る言葉は圧倒的に外国語だった
日本語でやり取りしているのを聞くほうが珍しい
中国語かそれ以外の言葉かわからないが、アジア系の方々が本当に多いと実感
でも彼らは落柿舎とは何か?
マニアックな人しか知らないだろうな
もっとも日本人の中でも知らない(忘れてしまっている)人が多そうだが

少し疲れて訪れたのが二尊院
紅葉は宝厳院で圧倒されたのでもう驚くことはない

山の上に藤原定家の時雨亭跡があるというので、最後のひと踏ん張りで頑張ってみた

彼もここから京都の街を見ていたのかと少し感傷的になる

宝厳院で圧倒的な紅葉を見ていた時、藤原定家の
「見わたせば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮」
を思い出した
西行に比べて深みがなく技巧的すぎると言われるようだが
自分はこの場面転換の効果の凄い歌は結構好きだ

ということで、結局よく歩くことになった京都日帰り旅行は
このあと錦市場でお決まりの店にいって無事終了

次の京都旅行は村山たか絡みの金福寺狙いかな





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