秋になるとブラームスを聴きたくなるのは、
自分だけではなくて割合多くの人が経験することのようだ
クラリネット五重奏曲や4番の交響曲などは本当に秋の気分にしっくりくる
ところで夏はどんな曲を聴きたくなるか
(クラシック分野の曲で)
北欧の曲が良いかもしれない
シベリウスやグリークの寒々とした音楽はこの暑さにはぴったりかもしれない
夏の日のある場面を覚えている
そのレコードは友達から借りたものだった
一度も聴いたことがなくて、初めてなのだが、気合を入れてというより
のんびりとトウモロコシを食べながら聴き始めた
ホルンの堂々たる冒頭、それから経過句の印象的なトランペット
それは「夏の交響曲」とも言われる?マーラーの3番だ
この経験のせいでこの曲を聴く時はいつもトウモロコシの香りが頭に浮かぶ
(プルーストの失われた時を求めてのマドレーヌみたい)
同じようにあるシーンを自動的に思い出してしまう曲がある
バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第一番だ
ヘンリク・シェリングのレコードを引っ張り出して聴いたのは
ある夏の夜(隣の部屋では家族がテレビを見ていたのに、、)
夜の闇の中を、音が複雑に深く刻んでいく、たったヴァイオリン一つのため
音色が豊富でない分、音は静寂のなかに吸い込まれていくようだった
この2つは、思い出のシーンによるもの
でも、客観的に考えるとシエラザードなんかが夏には良いかもしれない
千夜一夜物語の舞台は暑そうなところ、というだけでなく
シエラザードのテーマはやっぱり夏っぽい
不眠症の人のために作られたというバッハのゴールドベルク変奏曲
も良いかもしれない
ヴィヴァルディの四季からの「夏」もいいかもしれない
でも今の気分としては、
バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタかパルティータかな
最近聴いていないけど、、