パンセ(みたいなものを目指して)

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嘔吐

2017年01月18日 19時41分35秒 | 産廃

「嘔吐」と言ってもサルトルの暗い、重たい実存主義の小説の話ではなく
現実の世界で身体的な反応としてよく見られる事柄のこと

新城市南部企業団地の産廃業者のタナカ興業に一昨年操業許可が降りて以来
しばしば心配されていた悪臭による被害が市役所に届けられるようになった

この悪臭は、被害届を出している人も認めているが
被害を電話連絡したときは我慢できないほどたまらなかったが
しばらくすると感じなくなるここともあるようだ 

これは彼らが嘘を言っているということではなくて
臭いとは元々そういうものだということ
ある物理量は風に乗って気ままに飛んでしまったり
ある場所に留まったりする
その時々で臭気指数は変化する
(何故か市が計測すると臭気指数以内と言うが) 

しかし最近、この臭いで「嘔吐」する人が何人かいたらしい
同じ場所にいても「嘔吐」をしなかった人もいたから
再現性やそれが原因だとは言えないとの考えもあるが
実は自分はこの臭いを嗅いで「嘔吐」しそうになったことがある

それは田原市の和地でのこと
そこは豊橋東細谷のタナカ興業の工場から運ばれてきた
肥料と称するものが積まれていたところ(悪臭の噂もあった)


疑り深い自分は、自分で評判の悪い悪臭を感じるまでは
産廃反対の人たちの言うことをそのまま信じたわけではなかったから
教えてもらったこの場所に来て確認するつもりでいた

最初は何も感じなかったし臭わなかった
大げさに騒いでいるだけなのか、、、と思いながら
その場所をぐるりと一周しようとした
ところが半周くらいして風下になった時、急に表現が難しいが
変な臭いというか違和感を感じた
とその時、身体は吐き気をもよおし戻しそうになった
そしてそれは一回では済まなかった
臭いを感じるとその身体的な反応は止むことはなく
何度も繰り返し、最後には涙目になった
戻さないためには息を止めて風下から抜け出るしか無い
鼻と口を塞いで早く風上に、、
そうしてやっと開放されたわけだが
この時の印象は鮮烈で「これはエラいことになる」
と思わざるを得なかった

この経験があるから今「嘔吐」する人がいた
という話は素直に認めることが出来る
そして南部工業団地のタナカ興業の近くを通るとき
フトあの戻しそうになった臭いを感じることがある
それは怯えとか恐怖になっているみたいとも思える

感じない人がいる、でも明らかに身体に変調を起こして
今までの生活を送れない人がいる

これは、数字がある時に規制値以内に
収まっているとかいないとかの問題では無いのではないか

まずは困っている人がいるという事実を
素直に現実を認めて、法的にとか測定値がどうのと言う前に
まずはその人達に寄り添う気持ちが必要なのではないか

この一番肝心な事実の確認をしないで
困っている人の思いを聞かない人が、自分の地区の
お偉いさんになっているという事実
(何度聞いても現地に行かない理由は分からない)
これは対外的に彼がどのように評価されようが
当事者としての地区に住む者としてはとてもつらいことだ

人に思いを馳せる
難しいことを望んでいるのではなく、単純に困っている人の
声を聞いてほしいだけなのに
どうしてこれが出来ないのだろう  あの人は

 

コメント
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