太った中年

日本男児たるもの

アジア主義

2009-11-17 | weblog

ズワイガニをボイルして食ったアルよ。

 

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アジア主義

様々な立場から見解があり、一義的な定義は難しい。

元は、欧米列強の侵出・大きなパワーゲームの時代に直面し、国民国家形成・西欧の尺度における文明国化を成し遂げなければ亡国しかねないという脅迫感の中、中国や東南アジア各国と連帯して、欧米列強の物理的・精神的植民地化対抗すべしとの考え方。

しかし、日本ではその後、「日本の独立を守るためには対外的な膨張を図り,日本列強化を列強化するしかない」という主張に接続し、「列強の進出を食い止める」「列強を駆逐せよ」という主張が展開される。「亜細亜モンロー主義」「東亜新秩序」「東亜共同体」「大東亜共栄圏」といった様々な観点が打ち出されていき、「列強に代わる日本のアジア覇権=アジアの解放」という感覚が生まれていった。結果として、それらは日本のアジア支配を正当化し侵略性を隠蔽する効果を持ち、その功罪は大きい。

だが、この考え方の原初に立ち返ってその本義を現代で捉え直す作業は必要である。

(以上、はてなキーワードより引用)

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「日中は人類史的なパートナー」 小沢幹事長が講演

民主党の小沢一郎幹事長は11日、民主党と中国共産党の「交流協議機構」の第3回会合で講演し、日中関係について「両国が政治的にも経済的にも、文化や文明、地球環境という面でも、21世紀における人類史的なパートナーとして協力連携ができると確信している」と述べた。また、自身が唱える国会改革について「国会そのものが官僚支配から脱却しなければならない。政治家同士が国民のために議論する場に改めなければならない」と強調した。

(以上、産経ニュースより引用)

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「日中が人類史的なパートナー」とは小沢さんによる思いっきり「新アジア主義宣言」が飛び出した。

東アジア共同体の布石になる新アジア主義は連帯する相手の中国がどう考えているのかが重要だ。中国は世界の中心って考える中華思想の国といわれるが、これは自由と民主主義を振りかざして他国と戦争をする米国のような攻撃的なものではない。嘗ての属国だった朝鮮半島から君主国中国を崇めさせる代償として、貢物を献上させた朝貢外交や、珍獣パンダを他国に送って自慢するパンダ外交から伺えるように中国は自国優越主義の国。他国に対して威張りちらしたいの基本。小沢さんは年末に民主党議員全員を連れて訪中するようだが、これも一種の朝貢外交で、中国は大勢の民主党議員を前にして優越感に浸って喜ぶのだろう。

それから欧米列強の時代は欧米によるアジア植民地支配からの解放という考えがベースになった。そもそもアジア主義は辛亥革命で中華民国を建国した孫文が神戸で「大アジア主義講演」をして広く世に知られた。しかしながら中国は戦後共産党国家を樹立し改革開放路線を経て世界の工場となり経済大国にのし上がった。今さらアジアの植民地解放もないだろうが、但し、反米という考えは持っていると思う。

米国のアジア戦略は米西戦争でフィリピンを手に入れて以来一貫している。ローマ帝国や大英帝国が植民地支配に利用した分割統治という手法。例えばインドとパキスタンが雪解けムードになるとインド、パキスタン双方に戦闘機を売りつけ軍事的な緊張を高め、軍産大国である米国の力を必要にさせるやり方だ。したがって米国は分割統治が利かなくなるアジア主義の根幹、日中の連帯を最も怖れる。日中戦争では蒋介石を支援し、中国が共産化するや対日政策を180度転換させ経済復興を支援し日本を防共の砦にして対立させた。

中国は米ソ冷戦構造下では「打倒、米帝国主義」をスローガンに掲げ旧社会党の浅沼委員長と共同宣言した。毛沢東は共産党の宮本委員長に「日本は原爆で20万人殺されて米国に降伏した。しかし我が国は原爆で200万人殺されようが絶対に降伏はしない」と悪魔的な発言をしている。米中国交回復した後も、同時に議会で可決した軍事同盟である台湾関係法を警戒して台湾で選挙がある度台湾海峡にミサイルを撃ち込んでいる。コソボ紛争の際、正確な誤爆と言われた米国による中国大使館への空爆では反米感情が噴出した。

現在、経済大国になった中国は米ドル保有高がダントツ世界一でオバマ政権では21世紀の最重要パートナーとなった。米国経済の生殺与奪を握っている。ただ、今回の世界金融危機で米ドルが暴落すれば大損するどころかヘタすりゃ米国と共に抱き合い心中しかねない状態になった。米国も当然それを見越していて逆に中国を為替操作国だと牽制している。ドルと人民元が持ちつ持たれつの関係だから一元的な反米という考えを日中連帯の共通項にはできないだろう。さらに最大の問題は中国の対日政策にある。

江沢民時代、愛国主義教育の名を借りた反日教育がすべての元凶だった。江沢民は共産党の支配を維持しながら市場経済へ移行しようとしても、従来の方式では立ち行かなくなり、そこで国民に渦巻く不平不満のはけ口として選ばれたのが日本だった。テレビで連日抗日映画を放映し、中国各地に反日記念館を建設した。胡錦濤政権に移行した後も一貫して歴史問題を武器に対日圧力をかけ続けている。小泉さんの靖国神社参拝、サッカーのアジアカップでの反日デモは記憶に新しく、日本政府は傍観主義で嫌中感情が蔓延した。日中双方に反日感情、嫌中感情があるうえで、中国が小沢さんのいう「人類史的なパートナー」になるだろうか、疑問だ。

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「成仏するのは仏教だけ」小沢幹事長、改めて文明観披露(朝日新聞) - goo ニュース

民主党の小沢一郎幹事長が16日の記者会見で、仏教観と文明観を改めて披露した。

10日に和歌山県の高野山金剛峯寺を訪れた際に、キリスト教を「排他的」「独善的」と指摘。これに対し、「日本キリスト教連合会」が「キリスト教に対する一面的理解に基づく、それこそ『排他的』で『独善的』な発言」と抗議文を送っている。

これを受けて小沢氏は16日、「(仏教の世界観では)生きながら仏にもなれるし、死ねば皆、仏様。ほかの宗教で、みんな神様になれるところがあるか。根本的な宗教哲学と人生観の違いを述べた」と説明。さらに、エベレストに挑んだ登山家の「そこに山があるから」という発言を引用し「西洋文明は自然も人間のために存在する考え方。(エベレストの)地元では霊峰としてあがめられて、征服しようという考え方はアジア人にはほとんどない」と語り、西洋思想は人間中心だが、東洋思想は人間が自然の一部だと強調。最後は「僕も君も、死にゃ仏になれるんだ、だから」と締めくくった。

(以上、朝日新聞より引用)

小沢さん、ヤケにこだわるな。日本人も昔から六根清浄と唱えながら霊峰富士山を登山するけどね。