太った中年

日本男児たるもの

砲艦外交

2009-11-15 | weblog

ミニちゃんこ鍋。軽く晩酌してからぞうすいでシメたけどなんかショボイ。

 

さて奥さん、前エントリーに続き「日本は精神分裂症国家」について

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中国が最大の対米輸出国になった時代に、グローバリゼーションを否定して「東アジア共同体」なるものを提唱する発想は信じられない。これもどうせ政権についたら修正するリップサービスだろうが、鳩山家に代々受け継がれている「反米のDNA」もあるのかもしれない。

鳩山一郎はハト派ではなく、自民党の「右派」の源流の一つである。岸信介ほど過激な国家社会主義者ではなかったが、ロンドン海軍軍縮条約を「統帥権干犯」だと攻撃し、これがのちにGHQにとがめられて公職を追放された。戦後も、吉田茂が引退したあと「対米自立」をめざして安保条約や憲法を改正しようとしたが、果たせなかった。鳩山由紀夫氏は、こうした祖父以来のナショナリズムを継承しているのだろう。

親米(欧)か反米(親アジア)かというのは、明治以来、日本の国家戦略の大きなわかれめだったが、戦前には前者は少数派だった。福沢諭吉の「脱亜入欧」はアジア蔑視として批判を浴び、北一輝や石原莞爾などの国家社会主義者は中国との連帯をめざした。それが満州国や中国侵略に拡大し、最後は対米戦争という自殺行為にゆきついた。

(以上、「東アジア共同体」という幻想 - 池田信夫blogより一部引用)

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池田センセは別のコラムで「明治以来、日本の対米外交は面従腹背だった」と書いているからアレなんだけど、厳密に言えば日本の国家戦略は「親米か反米」という二項対立の選択ではなかった。戦前には少数派だった親米(欧)なら明治以来日本が近代化=欧米化に成功したことに説明がなされない。

前エントリーで心理学者の岸田秀は米国はインディアン虐殺を隠ぺい正当化したことによる強迫神経症国家と分析したが、日本はペリーの来航によって外的自己と内的自己に引き裂かれた精神分裂症国家だと分析する。ペリーショック以来、日本は外的自己と内的自己の両極を振幅しているのである。

岸田センセが近代日本を説明する用語の外的自己とは自国を貶め、欧米を崇拝し、欧米のようになろうとする卑屈な考え、内的自己とは欧米を憎悪し軽蔑し排除しようとする傲慢不遜な考えとする。

さらに、外的自己と内的自己はどちらか一方が正しいというワケではなくそれらは相対的な関係だ。

外的自己=親米、面従、属国、崇拝、卑屈、被害妄想

内的自己=反米、腹背、自立、憎悪、尊大、誇大妄想

つまり振幅する外的自己と内的自己の立ち位置によって双方が上記のような考え、態度を取る。ちなみに池田センセは小泉・竹中を擁護する立場だから基本的に外的自己、親米のスタンスだ。

岸田センセは米国が経験の欺瞞によって強迫神経症になったのなら日本は自己欺瞞によって分裂症になったという。まあ、似たようなものだけど米国はインディアン虐殺を隠ぺいしたように日本もペリー来航の屈辱を隠ぺいし近代の扉を開いてくれたと合理化したのだ。幕府が受けた屈辱というのは松本健一の「白旗伝説」によって砲艦外交の事実が初めて明らかにされた。

ペリーは米大統領国書の受領について態度の煮え切らない幕府に対し、白旗2琉と秘密書簡を送り、「もし国書受領を拒否する場合には戦端を開くことも辞さず、そうなると幕府側の軍事的劣勢はあきらかだから必ずや米側が勝利する。敗北を認めたときはこの白旗をもって降参の意思を表明せよ」と脅迫し屈伏させた。

ペリーの脅迫によって幕府は屈辱を受け憎悪しそれを隠ぺいした。この憎悪がやがて噴火爆発して真珠湾攻撃で報復し、黒船4隻に対して真珠湾では戦艦4隻を撃沈したと岸田センセは分析する。

米国の強迫神経症は自己の都合のいいように経験を正当化することに対して日本の精神分裂症は他者に対して都合のいいように経験を合理化する。つまり日米関係は相関的にピッタリ相性の合うパートナーだ。したがって鳩山政権が目指す「日米対等」、「対米自立」は極めて困難なことだといえる。精神分裂症になる原因はまだよくわかっていないけど日本の「屈米」、「対米依存」は心的なことで、そこから脱却するには相手の米国がペリーの砲艦外交を認めて原爆投下を謝罪することがまず第一歩。まあ、無理だろうな。

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オバマ大統領演説、米国は「アジア・太平洋国家」(読売新聞) - goo ニュース

オバマ米大統領は14日、東京・赤坂のサントリーホールでアジア外交政策に関する重要演説を行った。

大統領は、米国を「アジア・太平洋国家」と位置づけた。

その上で、日本や中国との2国間関係の強化に加え、アジア太平洋経済協力会議(APEC)などの多国間地域機構への「より深く広範な関与」を通じ、地域の繁栄と安全保障の確立を目指す立場を表明した。

大統領はまず、日米安全保障条約に基づく、過去半世紀にわたる日本との同盟関係が、「両国にとり安全と繁栄の基礎となってきた」と強調。1960年1月に日米安保条約を締結した当時のアイゼンハワー大統領の言葉を引き合いに、日米関係は「対等と相互理解を下地とする不朽のパートナー関係だ」と述べた。

(以上、読売新聞より一部引用)

鳩山政権の「米国離れ」「東アジア共同体」への牽制発言。

日本は米国と同じ神経症国家のパートナーだからさほど心配する必要はない。

一度松沢病院のお世話になると退院するのはムツカシイのだ。

あーそれから、オバマが日本1日、中国3日の滞在で日本軽視と騒ぐのは短絡思考。やっかいな国だから交渉が3日も掛るのであって松沢病院のパートナーは1日あれば充分だと考えるのが正しい。