太った中年

日本男児たるもの

太った少年

2008-03-31 | weblog

別に隠していたワケではないが、このブログのタイトル「太った中年」は「太った少年」のモジリだ。「太った少年」とはフィリピンでフランチャイズ展開するフィリピン人向け日本食レストランチェーン「Teriyaki Boy」のロゴデザインの一部。何故、「太った少年」が店名でなくてデザインの一部なのかといえば、「太った少年」が店名ではフィリピンの人々には読めないという簡単な理由からだ、そうだろ、そうに決まってる。

太った少年/Teriyaki Boyの経営は商売上手の華僑(中国人の移民)で、現在30数店舗ある。フィリピンに限らず東アジアに巣食う華僑は、その国の人口比が3~5%ながら経済の70%強を支配し、政治に強い影響力を持つといわれている。畏るべし、華僑。

その太った少年/Teriyaki Boyも、実はニューヨークのイーストビレッジにあるジャパニーズ・ファーストフード「Teriyaki Boy」の店名をそのまんまパクッたものだ。この驚愕の真実を指摘したのは、このブログが世界で初めてだから、太った少年/Teriyaki Boyの関係者はアワを食っているだろう。

元祖Teriyaki Boyは、80年代以降ニューヨークに起きて定着したジャパニーズ・フードブームに便乗したものだ。しかし、メニューも店舗デザインも凡庸だから、栄枯盛衰が激しいニューヨークのレストラン環境で生き残っていくのはさぞかし大変なことだろう。現在、営業しているかどうかは不明だ。

外人の嗜好するジャパニーズ・フードは決して日本人の口に合うものではない。さらに、ズレているのは味覚ばかりでなく、日本に対する外人のイメージは昔からいつまで経っても、21世紀になっても、勘違いしたままのステレオタイプ、「フジヤマ・ゲイシャ」。

インターネットがどれほど発展しようが、西洋が抱くオリエンタリズム(エドワード・サイードのそれではない、単なる俗物的な東洋趣味)を早々に拭い去れるものではない。こうした外人の勘違いをデザイン的に巧く利用したのが太った少年/Teriyaki Boyだった。太った少年は意味のズレを含めてそのように意図されたデザインであると考えるべきだ。

太った少年/Teriyaki Boyは元祖Teriyaki Boyよりも優れて戦略的に日本をキッチュな感覚で捉え、流行の日本アニメをコンセプトに据えたデザインが話題になり、フードビジネスとして大成功を収めた。元祖Teriyaki Boyと太った少年/Teriyaki Boyのデザインを比較対照すればその面白さは一目瞭然だろう。

「太った少年」の店舗を最初に見たときは強烈なインパクトがあって圧倒された。だから、それをモジってブログのタイトルを「太った中年」にしただけで、管理人bibbly氏はフツーの健康体だと今一度申し添えておく。