太った中年

日本男児たるもの

コーヒーハウス

2008-03-13 | weblog

「コーヒーハウス」小林章夫著

17世紀半ばから1世紀余にわたり繁栄を見せた欧州カフェ文化の先駆、コーヒー・ハウス。そこは政治議論や経済活動の拠点であると同時に、文学者たちが集い、ジャーナリズムを育んだ場として英国に多大な影響を与えた、社会の情報基地でもあった。

近代都市・ロンドンを舞台にした、胡乱(うろん)で活力にみちた人間模様と、市民の日常生活を活写する。 

(アマゾン ブックレビューより)

英国で誕生したコーヒー・ハウスの歴史と意義が平明に記されていて読みやすい本。コーヒー・ハウスはロンドンの新しい文化装置として、紳士クラブ、出版ジャーナル、小説、広告、政党、保険会社、賭博場、ギャングを生み出した。

それらは大概いかがわしいもので、第一、コーヒー自体がいかがわしい飲み物だ。

最近、家の近所にあるコーヒー・ハウスへよく行く。別段、コーヒーが旨いワケではない。名古屋式のモーニングサービスが目当てでもない、朝食は自炊をしている。

正直に言えば、ついフラフラと通ってしまうのは、非常に気になる女性スタッフがいる、という他人には覚られたくない独身中年男のいかがわしき心によるものだった。

しかし、英国のコーヒーハウスが象徴するように、近代以降の資本主義社会では、いかがわしき事象こそが新しい文化を創造するための重要な原動力になる。

近所のお店にはコーヒーハウスの原初にあったいかかがわしさの微塵もない。現在、日本でいかかがわしさが感じられるのはメイド喫茶ぐらいか。ならば、こちらからいかがわしき心を持ってコーヒーハウスへ行くしか方法がないではないか。

さて、明日からフィリピンへ行く。この国は社会そのものがいかがわしく、ワザワザいかがわしき心でコーヒーハウスを探す必要がない、その点だけがすぐれている。

2月からブログをはじめて毎日更新しているから続けたいのも山々だけれど、フィリピンではオール外食だからなぁ、しかも健康食とはほど遠い、ナントカしよう。