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普請道楽

建築家との普請の記録のためのブログ。
しかしすでに家も建ち、今では徒然なるまま感じたことを書く「日日雑記」であります。

娘とデート

2010-01-31 22:22:37 | 観た、聴いた、読んだ
日曜の午前、なぜか2歳の娘と二人きり。
珍しく早起きしたので、美術館に出かけた。

前から行ってみたかった国立新美術館。
ルノワール展をやっていた。
裸婦、肖像画、風景画。
まあルノワールは、どこまでいってもルノワールなのであった。

どっちかというと建物の方が面白かった。
黒川紀章設計。



不思議な円錐形の上にはレストランがある。
この美術館には、カフェやらレストランやらが沢山ある。
しかもかなりお値打ち。
今度、食事を目当てにやってこようっと。

館内のあちらこちらには、ウェーグナーのCH25が置かれている。



この椅子、好きなんですよね。
我が家にも一脚欲しいけれど、ちょっと高価で手が出ません。。。

お昼は、地下一階のカフェで娘とランチ。
ブロッコリーのスープに、チキンのサラダ、パンがとてもおいしかった。



結局、花より団子の娘とのデートでありんした。


かいじゅうたちのいるところ

2010-01-27 01:06:22 | 観た、聴いた、読んだ


最近、8歳の息子と一緒に見に行きました。

息子は、「どらえもんが見たい」といっていたが、聞かぬふり。
だってそんなもん、ビデオで見ればいいじゃん。
っていうか、テレビでやったときに見ればいいじゃん。
だいたいただのアニメじゃん、教育の観点からもよくないじゃん。
と、自らを正当化するように心の中で復唱し、息子の意見を蹂躙した。

いや、もともと「かいじゅうたちのいるところ」を見たいっていう話から始まったんだけど、
どうせ映画見るならって話になって、それならこっちがいいっていいだしたんだよね。

ま、それはさておき・・・。

僕の嫌いなシネコンに足を運ぶ。
本当にさっぱりしていて、商業的で、嫌い。
なんか整然としすぎているんだよね、映画館ってもっと猥雑なもんだったけどねぇ。

館内には、母親につれられたちびっ子たちがかなりいる。
つまり絵本につられてやって来た組ですね。
みんな期待に満ちあふれ、ニコニコ顔である。

それでも朝一番だったせいか、かなりいい席を確保。
始まるまで売店で買ったコーヒーをすする。これがまた不味い。ま、いいんだけど。

で、予告が始まった。

音がすごい。
ドルビーサラウンドで、ガンガン腹に響く。
あまりの音に、ちびっ子たちはビビりまくり。
うちの息子もややl腰が引けている。

ほー、かなりのもんですな。

で、本編。

最初のシーンは、ちょっと神経症っぽい感じ。
金切り声、ぶれて早いカメラワーク。
なんだか不安を助長するシーンの組み立て。

周りのちびっ子たちは、かなりどん引き。
うちの息子も、ビビっている。

少年が海にこぎだすと、嵐に巻き込まれるシーン。
これまた凄い迫力。

このドルビーサラウンドの責め苦をくぐり抜けると、ようやく「かいじゅう」の登場。

このあたりで息子は復活、ところどころビビってはいたが、楽しむ余裕が出て来た。
しかしまだ幼稚園くらいの子どもたちは復活の兆しなし、完全にノックアウト状態なのであった。

監督は、これかなり確信犯と見た。
このあたりの「裏切る感じ」はなかなかのものである。
日本の映画作りではこうはいかない。
なにせ「どらえもん」ですからね。

ま、でもこの映画、「ストーリー」はかなり単純で、先読みも可能。
筋立ては荒唐無稽な感じもある。
絵本と映画では「かいじゅう」の描かれ方が全く違う。

なんて感じで、映画自体のそれほど満足度は高くはありませんでした。

むしろ「ちびっ子ノックアウト」度がなかなかでありました。
いや、これは日本ではやれませんね。
おみそれしました。

king of pop

2010-01-21 20:49:47 | 観た、聴いた、読んだ
遅ればせながら、ようやく観ました。
"This is it"

前評判がすごくて、感動して2回観ただの、映画終了後、スタンディングオベーションになっただの、
これは是非観ねばと思い、劇場に足を運んだ。

六本木ヒルズのシネコン。

なんかヒルズってすごいのね、バブルな感じで。
そもそも自分が場違いな感じすら受ける。
っていうか、場違い(苦笑)。

で、映画はどうだったのかというと・・・、
うーん、僕はまあ、こんなもんかって感じでした。

つまりはリハーサルの映像がふんだんに残っているので、
それをつないで、ヒットソングがガンガンかかるポップな映画を作りましたって感じだった。
僕の感性は、なまくら刀のように切れ味が悪いのか、感動はありませんでした。

そもそも、マイケル・ジャクソンそのものがそんなに好きじゃないんだな。
ロック好きの僕にしてみれば、MJよりもその脇でライトハンドぶいぶいでギター弾いている姉ちゃんに興味ありんす。
あのねーちゃん、無茶無茶かっこええなぁ。
ギター、ばかうま。
一発で、ファンになりました。

映画終了とともに、まばらな拍手がおこったのだが、これがまたまばらなだけに寂しさを誘いました。
やっぱ、映画は旬なときにみるべきですね。

あけおめによせて

2010-01-03 05:39:27 | 観た、聴いた、読んだ
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

まあ新年だからといって特に深い感慨はない。

休みだから、普段読みたくて読めなかった本を読んだり、できなかった作業をしたりしている。

新年早々、ノックアウトされたのは、「エレクトラ 中上健次の生涯」高山文彦著。



これ、なかなか凄かったです。
作家というのは、なろうと思ってなれる訳ではなく、その資格を持つものが壮絶な努力を踏み越えてなるものだと。
改めて中上健次を読み直してみたくなりました。
読みかけて中断したままになっている「軽蔑」のキャッチコピー「男と女五分と五分」の意味もわかりました。

永山則夫が、ジャズビレッジのリキが、生き生きと生きていた1960年代の息吹と、熊野の闇が交錯する傑作。
新年一冊目から、いい本に巡りあいました。
いやー、面白かった。

スモールハンドレット

2009-10-29 09:34:08 | 観た、聴いた、読んだ
自動車業界の話である。
先週末のNHKスペシャル「自動車革命」の第二回。
TWITTERで妙に盛り上がっていたので、見てみた。

舞台は、世界の人口の5分の1がすむ中国。
今、40万円程度の電気自動車が、市民や農民に急速に普及しているという。

中国では、自動車に対する規制は厳しくあるが、電気自動車については野放し。
ナンバープレートもいらないし、耐久性や安全基準もなにもない。
しかも電気自動車は、従来のガソリン車と較べ、仕組みが簡便で、車作りのノウハウがなくても出来うのだ。

そのため、小さな零細メーカーが次々と参入し、熾烈な生存競争を繰り広げているという。
その彼らこそが、「スモールハンドレット」なのだ。
しかも「スモールハンドレット」の波は、シリコンバレーでも起きている。
IT技術者やロケット技術者など、これまで車作りと無縁だった人々が、電気自動車の分野に参入し、富裕層を相手に、独創的な車を作り上げ、販売している。

迎え撃つ日本の大手自動車メーカーの苦闘ぶりがなんとも哀切であった。

戦後、日本にも無数の「スモールハンドレット」がいた。
そこから本田やヤマハが生まれていった。

そこには「熱」があった。
「スモールハンドレッド」で働く中国の若者たちの顔は、輝いていた。

今、この国には「熱」がない。
豊かさの代償なのか、それとも文明の成熟なのか。

なんだか色んな事を考えさせられる秀作でした。


Live at Massey Hall 1971

2009-10-20 01:06:26 | 観た、聴いた、読んだ
会社の同僚が、「ダブって買っちゃったんで・・・」と1枚のCDをくれた。


「Live at Massey Hall 1971」

NEIL YOUNGの未発表音源のライブ版である。

さわりを聴いただけで、泣きそうになった。

アコースティックギターとピアノだけのシンプルな演奏。
繊細で、どこまでも優しい歌声。

歴的名盤「After the Goldrush」の半年後のライブである。

前の年の1970年、ジミヘンが、そしてジャニスが他界、
1971年には、ジムモリソンが他界し、ビートルズが解散した。

かつて、音楽が世界を変えられると皆が信じた時代があった。
しかし間もなくロックは失速し、ただの幻想だったと皆が落胆した。

その最中、ニール・ヤングは、「Helpless」を歌い続けた。
そして今も、ニールは歌い続けている。

音楽は、世界を変えることが出来る。
そう思わせてくれる希有なアーティスト、ニール・ヤングの若き才能の結実がここにある。

その歌声は、壮絶な程、美しい。

時代を超えて聴き継がれるべきマスターピース。


「1Q84」、ようやく読了。

2009-09-27 20:48:36 | 観た、聴いた、読んだ
遅ればせながら、読み終えた。

ひさしぶりにワクワクした村上作品だった。
物語を引っ張っていく仕掛けが、どれも秀逸で特にBOOK2に入ってからは、
もう本から離れられなくなり、眠くなる自分がもどかしいほどだった。

ネズミを取り出す、という比喩が今回の作品の中にあるのだが、
この小説も村上春樹が、混沌の中からひさしぶりに「取り出した」物語だと思う。

最後の方は、メタファーも多く、何を指し示しているのか分からないまま、
ブツッと突然、終わってしまうのだが、それもあまり気にならなかった。

深夜に読み終え、そのまま寝たのだが、朝起きても不思議な読後感が残っていた・・・。

なかなかどうしてのマスターピース。

1Q84

2009-09-02 00:22:53 | 観た、聴いた、読んだ
かなり遅ればせながら読み始めました。

上巻の半分くらいまで読み進みました。

往年の春樹節が随所で炸裂しております。
僕は、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」が最も好きなんだけれども、その作りに似ている。
A面とB面があって、それがいつの間にか重なり合って収斂していく。
その緻密さが、とても好きだった。
今回の「1Q84」にもその緻密さがあり、読み進むたびにちょっとドキドキする。

しかし小説の深度を深めているのは、宗教の問題に踏み込んでいることだ。
村上春樹が、社会と正面から向き合い、小説へと昇華させたのは初めてだと思う。
初期は、どっちかというと現実感のない小説が多くて、それが僕にとってはかえって魅力的だった。
その後、いろんな試行錯誤を続けてきたけど、なかなかしっくりこなかった。(と思う。)

今回は、往時の不思議な世界観とリアルな現実が巧みに融合しているような気がする。

悪くないです。

毎日、ちびちび楽しみながら読んでおります。。。

TOKYO!

2009-08-27 23:36:33 | 観た、聴いた、読んだ
オムニバス映画である。

ミシェル・ゴンドリー。
レオン・カラックス。
ポン・ジュノ。
3人の映画監督が東京をテーマにのびのびとった映画である。



これが面白い。

東京って外国人からこんな風に見えているんだって見方も出来る。
それはステレオタイプではなく、愛情や憧れがちゃーんとある。

どれも面白かったけど、ポン・ジュノがとった最後の作品が一番面白かった。
「ひきこもり」と「地震」をテーマにしている。
蒼井優がいい。

東京、というか日本も、この20年で随分と見られ方が変わったと思う。
「ジャパン・クール」じゃないけれど、独自の文化を発信し始めている。
だから映画の中で役者たちも、みんな実にのびのびと演技している。

僕らの世代は、外国にコンプレックスを持っている最後の世代かもしれない。
まあ、そんなこと思うのも、おぢさんになったってことですかね・・・。

富士日記

2009-06-08 23:11:54 | 観た、聴いた、読んだ
面白いですよね。
武田百合子。

僕は、この人の書く文章が、なぜか無性に好きである。

昔、「日々雑記」というのを読んだことを鮮烈に記憶している。
文章が澄んでいて、精神も澄んでいて、なんとも爽やかな気持ちにさせられる。

作家、武田泰淳の妻にして、写真家、武田花の母。

「富士日記」は、富士の麓に別荘を建てた武田家の日記を転載したもの。
時折、泰淳や花が書いた文章も混じる。

のびのびとした心で世の中を見るとこう見えるのだろう。
忘れてしまいそうな初心をなぜか、目の前に連れ戻してくれる佳作だと思う。

ただの日記、されど日記。
僕のブログとは、大違い。

そもそも比べるのはどうかとの声も聞こえてきそうですが・・・。

のびのび

2009-03-28 23:23:50 | 観た、聴いた、読んだ
NHKアナウンサー、住吉美紀の初エッセイ。
読みました。



ま、この人、テレビでも、お堅いNHKにあって、
良い意味で、かなり「のびのび」キャラであるのだけれど、
テレビというフィルターを通さない「生」な「のびのび」を味わいました。

「ぶっちゃけ」な「女子」の王道をこれからも爆走して下さい。

これを読んで、私も、もっと「のびのび」生きたいものだなぁと思いました。

それといくつか、かなり使えるアイテムもあり、
「自分へのごほうび」カタログとしてもいいのでは、と思いました。

「鼻うがい」は、かなりヨサゲ。
詳しくは、買って読んでみて下さいねん。

沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史

2008-12-01 00:48:29 | 観た、聴いた、読んだ
佐野眞一である。

膨大な取材と、独断と偏見に満ちた沖縄史。
天皇、米軍、スパイ、ヒットマンと繰り出されるアイテムはどれも強力である。

まだ読了はしていないが、これは面白い。

先週は、風邪に悩まされ、熱をおして仕事もした。
いくつか嫌なこともあった。

そして迎えた週末、何をすることもなく過ごした訳だけど、
風呂に浸かりながら、この本を読んで鋭気を養う。

タイトルも凄くないですか?
「誰にも書かれたくなかった・・・」ですよ。
なんか普通は、
「誰も書かなかった・・・」ってタイトルにしそうじゃないですか。
このもう一ひねりっていう感じのタイトルがいかにも佐野眞一らしい気がします。

それにしても、この表紙の混血の子どもの目、すごいですね。

Rodrigo Y Gabriela

2008-10-28 00:24:49 | 観た、聴いた、読んだ
凄いのが、現れた。
HMVでジャケ買いし、聴いてぶっ飛んだ。

超絶技巧が奏でる美しい旋律。
そしてギターを打楽器の様にたたいて生み出されるリズム。

ギターデュオ、「ロドリーゴ イ ガブリエーラ」。
その東京でのライブを納めた「Live in JAPAN」である。



どの曲も最高なのでありますが、
中でもツェッペリンの「天国への階段」のカバーには、
完全にノックアウトされました。

いやー、彼らのライブ、見てみたいっす。

最近、聴くモノがないとお嘆きのすべての方にお勧めでありんす。


何のために闘うのか

2008-06-28 02:56:48 | 観た、聴いた、読んだ
映画「インサイダー」を見た。
実話をベースにした物語。

米CBSの「60ミニッツ」のプロデューサーが、
煙草会社の内部告発者の番組を制作、圧力に屈せずに闘いきる映画である。



主人公は、アル・パチーノ演ずるTVプロデューサー。
会社がなんと言おうと、自分の信念を貫く様は、気高く美しい。

そして彼は、内部告発者のインタビュー番組放送後に、結局、CBSを去る。
自らの信念をこれからも貫き通すために・・・。

いろいろ考えさせられました。

じっと手を見る。

無伴奏チェロ組曲

2008-06-13 02:14:11 | 観た、聴いた、読んだ
仲間を送り出すことは、様々な心のざわめきを呼ぶ。
辛いし、切ない。
仲間を失って、これからやっていけるのか不安もある。

瞬間瞬間、感情が大きく揺さぶられる。

バッハに、「無伴奏チェロ組曲」という壮絶な名曲がある。
チェロひとつで、起伏にとんだ情感を表現する難曲中の難曲。
今の僕の気持ちは、まさにその「無伴奏チェロ」のようだ。

これまであまたのプレイヤーがこの難曲に挑んだ。
しかし名演奏は一握りだ。
中でも僕が、個人的に好きなのはミッシャ・マイスキーの演奏だ。



ラトビア出身のユダヤ人。
旧ソビエト連邦、22歳で強制収容所に送られるなどその人生は起伏に富む。
そうした波瀾万丈を経て、30代半ばでこの組曲は録音された。

一般的には、カザルス盤が良いとされる。
しかし若きマイスキーがその情熱を傾けて望んだこの盤には、カザルス盤にはないまっすぐな感情表現がある。
時に、激しく、時に切なく、そして時に壮絶に美しい。

今はあまりに忙しいが、時間が出来たらゆっくりと時間をかけてこの曲と向き合いたい。
そして自分の感情を解き放ち、前に進むための力に変えたい。