普請道楽

建築家との普請の記録のためのブログ。
しかしすでに家も建ち、今では徒然なるまま感じたことを書く「日日雑記」であります。

建築プラン

2005-08-20 04:55:30 | Weblog
シゴトに追われ、しばらくアップができませんでした。

先日、工務店への見積もり発注を前に、建築家からプレゼンを受けました。
午前10時に始まり、終わったのは14時30分。
しかしこれはまさに「普請道楽」な愉悦な時間でした。

だってさー、自分たちの家族のことだけを考えて、「あなたたちの欲しい家はこれですよね」というプレゼンを受けるわけですから、まあ嬉しい限りですよ。
コンセントの位置、窓は磨りガラスか否か、壁材は、床材は、なんていう細かいことまで説明を受けました。

しかも傍らには、精緻な模型。

あとから建築家の有銘さんに「終始ニヤニヤしてましたよ」とご指摘を受けました。

気に入ったのは照明の設計。
基本はすべて間接照明。
特にリビングの照明は感動しました。

我が家のプランでは、2階がリビングなのですが、広々と使いたいという私たち夫婦の切なる要望から天井高を4メートルちかくとってありました。
南からは採光のため、大きな曇りガラスの窓が天井近くまであるのですが、その外側から照明をあてて、部屋の中を照らすという大胆なプランに、思わず感動すら覚えました。

照明については、私もいろいろ考えていたのですが、思いもよらないアイディアでした。

しかし文章では、どんなプランなのか伝わりにくいかもしれませんね。何ヶ月後になるのかわかりませんが、実物ができたら、ここにまたアップします。

いやーしかしあの日はいい一日でした。











狭小住宅考 ~2階建てか3階建てか?~

2005-08-05 15:45:16 | Weblog
2階建てか、3階建てか?、都心の狭小地に家を建てざるを得ないものとしては、悩みどころです。

結局、我が家は土地購入予算とのかねあいで3階建てにしたのですが、間取りを考え出すと、やはり2階建ては便利です。
総床面積が同じであれば、単純に考えればワンフロアーの面積が広くなります。
これが結構、大事だったりするのですよ。
しかも生活導線が複雑になるんですよね、3階だと。間取りのバリエーションが凄く限られてくることになるんです、結局のところ。

しかも3階建てにすれば、実は建築コストはそれだけ高くなるんです。
しかも我が家には、ミニグランドピアノと、エレクトーンよりもでかい電子オルガンという2つの重いものを置かなければなりません。そのためSE工法という、より強度の取れる工法を採用したため、さらにコストが上がります。

有銘さんは、土地探しをしているとき、常に、「二階建ての入る土地がいいよ」と助言をくれていました、
しかしない袖は振れず、結局、3階建てを前提とした土地購入と相成りました。
しょーがないじゃん、金ないし。

しかし具体的に間取りを考え出すと、やはり3階はめんどっちい。
なにより1階に玄関があったりすると3階に行くのが、やはりおっくう。
しかしそこは若き天才建築家、有銘さん、柔軟なプランを考えてくれました。
それは2階玄関の2階リビング。
しかも1階を半地下にすることで2階玄関までの階段は割と短い。

まあでも建築家もつらいっすよね。
だってクライアントが金もってれば、もっといろいろ出来るのにねぇ。
有銘先生、すいません・・・。

「厳しい条件でこそ建築家は燃えるんじゃないですか!」
って有銘さんにいいかけたんですが、やっぱり言えませんでした。
ご迷惑をおかけします。



狭小住宅考 ~男の書斎~

2005-08-05 12:19:09 | Weblog
間取りを考えていく作業は、楽しくもあり、大変な作業。
私は、妻と2人で、望みを出し合った訳ですが、それが思いの外、難航しました。

なぜなら、結構譲り合って、本音をなかなか言わないんだよね。
例えば、私の書斎。

書斎は男の憧れ。
誰しも持ちたいと思うが、なかなか持てませんよね。
特に都内で、一般のサラリーマンが持てる住宅なんて、3階建てのペンシルハウスでせいぜい100平米。
生活に必ず必要なリビング、バス、トイレ、寝室、子供部屋・・・、って詰めていくと、書斎なんてものは最後の最後になっちゃう訳です。

自分の将来の暮らし方を決めるのって難しい。
そうありたいっていう希望と、それが必要だということは違うんですよね。
たとえば本当に書斎なぞというものを使うのか、とかそういう話に必ずなります。
そうなると自分も自信がなくなる。
じゃあ、まあいらないかってことにもなる。

最終的には、書斎を作らないと一生嫌みを言われる、と思ったのか、それとも優しさからのか、妻の方からの提案で、寝室の横に3畳の小さなスペースをもらえることになりました。

写真は、模型。2階のリビングを北から覗いたところです。








若き天才建築家 

2005-08-05 01:39:13 | Weblog
私が家作りをお願いしている建築家についてお話しします。
新宿区に事務所を構える有銘祐児さんです。

たまたま友人の紹介で、お会いする機会があって、家のことを相談したのが始まりでした。
あまり押しつけがましいところがなく、正直な感じに惹かれました。
謙虚っていうんですかね。
建築家ってなんだか偉そうで敷居が高い感じするじゃないですか。
そーいうことは一切ないのです。

ところが・・・、腕は凄いらしいです。
その名前を有名にしたのが、南青山にあるSOHOビルの設計。
2001年のグッドデザイン賞を受賞したこのビルは、実際にみてみれば分かりますが、デザインが優れているだけでなく、居住性もとても良さそう。

最初の打ち合わせは、私たちの自宅でお願いしました。
まあ本当に雑談している感じでしたね。
音楽や食べ物の趣味、生活のパターン、週末の過ごし方、そんなことをつらつらお話しした覚えがあります。

土地の購入に際しても、本当に親身に行動をしてくれました。
不動産屋さんろいうプロから、素人の私たちがものを買うのですから、
常に不安がつきまといます。
契約のこと、地盤の善し悪し、その土地のもつ歴史、斜線規制など土地の持つ制限など、建て売りで買うなら、もう建っていますから、その家を見て買えばいいのですが、土地を独力で買うのは、大変な勇気と労力がいるものです。

有銘さんは、候補の土地があると、いそいそと区役所に出向いて、様々な事を調べ上げ、困難があるとあっという間に、それを解決に導いてくれました。
「蛇の道は蛇」ってこういうことなのですね。

結局のところ、家を建てると言うことは、この土地の話に象徴されるように、不動産屋を始め、ハウスメーカーとか工務店とか、建売業者とか、その道の海千山千の人々と、素人である我々が相対する場な訳です。騙す気になれば、赤子の手をひねるようなものだと思います。

有銘さんは、この辺りのことからいろいろと懇切丁寧に、指導をしてくれました。
どんなところに落とし穴があって、セールストークの裏側には何があるのか、そんなことって施主向けの本には書いていないですね。まあなんというかとても正直な商売をする人ってイメージです。

今年に入ってから基本設計作りを始め、現在は、どの工務店に施工をお願いするのかを検討する段階に来ています。
写真は、基本設計を検討する際に、有銘さんが作ってくれた我が家の模型。
幾つも検討を重ね、一つの形が出来上がりました。
この模型を眺めているだけで、幸せな気分になります。
まさに「普請道楽」な感じ。


次回は、この基本設計が出来上がるまでの、七転八倒な家族の議論の軌跡を書き綴ります。







都心30坪、購入するも草ボーボー

2005-08-04 00:23:16 | Weblog
家を建てるという行為は、いにしえの昔より、「普請道楽という言葉のとおり、とても楽しいことと位置づけられています。
でも実際には、三谷幸喜の映画、「みんなのいえ」みたいに、建築家との激しいバトルあり、家族の中での衝突あり、ドタバタの連続なのだと思うのです。

このブログでは、30代のサラリーマンが、専業主婦の妻と幼稚園に通う腕白息子、そしてまたまだ見ぬ、息子や娘たちと一生を過ごすことになる夢のマイホームの建てるまでをリアルタイムでかき込みます。

さてまずは土地を買った時のことから・・・

家を建てようと思い立ったのは今からおよそ3年前。
なんだかんだと探し回りました。。
S田谷、M黒、D並を中心に物件を手当たり次第に見学しました。
条件は、通勤のため都心に近いこと、延べ床面積が100平米以上取れること、
大きな公園が近くにあり、緑が豊かなこと、そして価格は3000万円台。
でも探してみるとそんな条件のいいもの、滅多にないものです。

そして!
ようやく半年ほど前に、見つけたんです。
買ったのは、S並区。
環八の内側という都心へのアクセスの良さを確保しながらも、
緑に大変恵まれた静かな地域、子どもが育つ環境としては二重丸。
田舎育ちの私の心象風景を激しく喚起させるその環境に惚れ込み、ほぼ即決しました。
当然35年という最長ローンを組み、私の労働対価は、すべてこれに費やされることが決定づけられたのですが・・・。

T急リバブルのねばり強い若手営業マンのM吉さん、どうもありがとう。
2年以上もつきあってくれたんだよね。

その人生をかけて購入した夢の土地、手に入れてからすでに半年・・・。
いろいろあってまだ建築始まっていません。
先日、原チャリで見に行ったら、草がボウボウ生えていて、複雑な心境。
いつになったら建つのかなぁ。

設計って意外と時間がかかるものなんです。

次回は、私が家作りのすべてをお任せしている、
新宿区在住の天才建築家、有銘祐児さんについてお伝えします。