東京都最高標高にある「風張峠(かざはりとう)」。
標高1140メートル。
杉並の家から、武蔵五日市をとおり、風張峠を越え、奥多摩湖を周遊、青梅に抜けて都内に戻る、総距離170キロ。
その無謀なコースに、仲間とともに3人で挑んだ。
きっかけはジテンコ仲間のブルベ熱。
ブルベとは。フランス発祥の自転車競技で、長距離を決められた時間内に走りきるというもの。
こう書くと簡単そうだが、実際にはかなり過酷なものである。
200キロを13時間30分、600キロを40時間とか、そんな具合で走る。
昼も夜もなく、コンビニで仮眠をとって峠をかける、それがブルベである。
そのブルベに皆で参加するという。
しかしそないな長距離、走れるんかいな、と初めてガチで走ってみようと今回の風張峠ライドと相成った。
強風の残る中、朝9時すぎにスタート。
休み時間を極力削り、かなりストイックに走る。
途中、タマサイべりのコンビニで補給食をゲット、休憩を5分と戒め、さらにガンガン走る。
11時すぎには、武蔵五日市の駅に到着、ここが奥多摩山塊の入り口である。
ここまでは休憩をいれても平均22キロのスピード、メーター的には25キロから30キロで巡航していた。
まずまずのペースである。
さて、ここからが正念場。
まず仲間の一人がややちぎれぎみだったので、待つ意味も含め、10キロ先の桧原村役場で休憩。
ここまではユル坂だったせいか、まったくペースは落ちていない。
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桧原村役場とやっちん
なーんだ、いけそうじゃんと思ったのが甘かった。
ここからが本格的な山道、15キロ先の数馬の湯でまたまた休憩、なんとここまでに2時間を要してしまった。
時速にしてなんと7.5キロにまでペースダウンしていたのである。
そしてさらに斜度があがる。
かつての奥多摩有料道路に入ると、道はつづら折りのエラいことになってくる。
激坂というほどの斜度ではないが、だらだらとのぼりが続く。
風景は、完全に「山」である。
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激坂にあえぐ、やっちん
それでもなんとか、14時すぎ、都民の森」までたどり着く。
ここから「風張峠」までは3キロ、一気にと気持ちがはやるが、すでにここまでで皆、へろへろ。
最後の難所を乗り越えるには、ここでエネルギーチャージが必要だと判断された。
ここで45分ほど休憩。
僕はてんぷらそばに焼きおにぎり2個をぱくつく。
この休憩が、皆の足をよみがえらせた。
ダンシングも交えて、軽やかに山道を攻める。
景色も美しい。
そして、ほどなく「風張峠」を制覇!
東京都最高標高、眺望はないが充足感に満ち満ちる。
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「充足感」に満ち満ちる、やっちんとかねやん
しかし到着したこのとき、すでに15時を回っている。
ここまでの距離は、およそ80キロ、それに6時間もかかっていた。
平均時速にして13キロちょっと、これではブルベは到底走りれない。
まずい。
だがここまでは上り基調、そしてここからは下り、ならば行けるかも、とまたまた急いで出発した。
のぼりの際に、必死でためた貯金をいっきに引き出す。
3人とも最高時速50キロ以上ををマーク、僕が一番、遅かった。
北斜面が多く、日が当たらず、かなり寒い。
下りはペダルをこぐことがほとんどないので、ただ身体は冷えていくのだ。
3人ともウインドブレーカーを羽織り、風にばたつかせながら山道を疾走する。
途中、見下ろしポイントで奥多摩湖を見下ろす。
いやー、凄い標高ですよ、これ。
普通は山登りで来るところですよ。
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余裕でタバコをふかす、かねやん
そこから先は、一度、奥多摩湖のダムサイトで1回、青梅のコンビニで1回、休む以外はノンストップで走りきる。
皆、ガチの走り、早い早い。
メーター的な感覚では、時速30キロで巡航する。
まあとからならしてみれば、つまり休憩込み、信号待ちで計算すると24キロぐらいになっちゃうんですけどね。
それでも相当早いです。
で、結局、20時40分、僕の家に帰着。
168キロを、10時間40分で走りきった。
これブルベ200的にいえば、のこり32キロを2時間50分で走り抜ければいいので、平地だったら楽勝タイムである。
いやー、がんばった甲斐があったちゅーもんである。
BRM200キロの攻略は、目前に見えてきた。
休憩をいかに少なく、しかし勝負の前には、がっつりと補給が必要。
これが今回、まなんだことである。
かなり有意義にして、自信につながったシーズン幕開けのライドであった。