こばなし

日々のよしなしごと

吸血鬼の夢

2006年01月09日 | 
母と叔母とわたしの3人で、暮らしている。わたしは小学4年生くらい。
隣家には白人の一家が住んでいて、そこの男の子はわたしと同い年で仲良しでもある。

あるとき、母の知り合いらしい綺麗な女の人が家にやってきた。
わたしと2人きりになったとき、彼女は言った。
「わたし、吸血鬼なの。でも悪い人間の血しか吸わないわ。」
わたしは驚いたが、不思議と彼女を怖いとは思わなかった。

彼女はうちに泊まることになった。
わたしは夜トイレに行きたくなり、トイレに入った。
トイレの窓が開いていて、そこから満月が光っているのが見えた。
窓を覗き込むと、大男が吸血鬼の女性の首をつかみ、彼女を持ち上げていた。
わたしはとっさに、「あれは悪い吸血鬼だ!」と直感した。
わたしは母と伯母を叩き起こし、助けを求めた。
しかし2人は信じてくれなかった。
寝ぼけているだけだといって、相手にしてくれなかった。
わたしは唯一信じてくれそうな、隣の男の子のところに走っていった。
そして2人で現場に駆けつけたが、すでに遅かった。
彼女は大男の魔法にかかって、理性をなくしていた。
そしてこともあろうに、わたしたちに襲いかかってきた。

わたしたちは必死で逃げた。にんにくも、十字架もきかなかった。
きっとこの吸血鬼はわたしたちの血を吸い尽くし、
そしてわたしたちは殺されてしまうだろうという確信があった。
ついに追いつめられ、戦った。
「殺さなければ殺される。」 それだけが頭の中にあった。
わたしは躊躇する男の子に言った。「ちゃんと殺さなきゃだめだ!」
しかし彼女は首の骨が折れても、死ななかった。
隙を見てまた逃げ出すことに成功し、なんとかまくことができた。
お巡りさんを発見し、必死で助けを求めた。
でもやっぱりお巡りさんも信じてくれなかった。
「そんなのいるわけないだろ?」 お巡りさんは笑って言った。


こんな中途半端なところで、夢から覚める。
でも夢はいつもそんなものだ。
夢の中では、それが夢であると決して疑うことがないから不思議。
夢を見ているときは、そこで起こっていることが、まぎれもない真実になっている。
今回は実写ではなく、全編アニメ調の夢だった。
グロい場面はコミカルになった。(おそらく怖いから笑)
すごく疲れた。怖かった……。

吸血鬼の夢を見たのは久しぶりだ。
覚えている限りではこれで3度目になる。

1度目は幼稚園のとき。
ニュースで吸血鬼に襲われた人のことを報道していた。
「やっぱり吸血鬼は本当にいるんだ」と、それが現実だとしばらくは思い込んでいた。

2度目はバンパイヤの映画を見た夜。
母と2人で吸血鬼だらけの映画館に来てしまう。

わたしにとって吸血鬼は、恐怖の象徴だったりするのだろうか?
こんなに怖い夢を見たのは久しぶり
絵:「Carmilla 薔薇姫~吸血鬼カーミラ」 加藤俊章


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