Ryo徒然なるままに

日々の暮らしを徒然なるままにつづる。
何でもありの日記のようなもの・・・

ダンス・ダンス・ダンス

2014年09月07日 | 読書
先日、最近かつて読んだ村上春樹の小説(書いたものと言ったほうが的確か・・・。エッセイも読んでるし)をやたらと読み返していると書きました。
一度シリーズものを読んでしまうと、続きを読んでしまうんですよね・・・

「羊をめぐる冒険」を読んでしまったら「ダンス・ダンス・ダンス」を読まないわけにはいかないでしょ。

しかし、いつ読んでもこのシリーズは読んでいて全体に悲しくて、そして最後に一縷の望みがあるという印象を受けますね。
「羊をめぐる冒険」で散々、自分の力が及ばないところで自分の人生が揺り動かされ、干渉され、そして大切なものを失ってしまう。
そして、「ダンス・・・」でも、夢に突き動かされて再びイルカホテルに向かってから不思議な出会いがあって、接した人物を失い続ける。なんといっても「鼠」以来の友人と呼べる「五反田くん」までも失ってしまう。なんと切ない人生なのか・・・

でも、最後に大事だと気付いたユミヨシさんを手に入れる(という言葉はとても不適切な感じがするのだけれど、それ以外に表現する術を僕が持っていない・・・なんとも悲しい、この才能のなさが・・・)。
失ったものがとても大きいのだけれど、得たものも大きい。ユキという年の差の友達?ガールフレンド?を失った(というか自分のもとから巣立った)のは少し寂しく喜ばしい出来事で・・・

「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」このシリーズの中では、もっとも前向きというか希望がもっとも大きい小説だったように思う。

けれど、やはり全体に覆っている自分が背負うもの・失ってしまうもの・失ってしまうかもしれないという漠然とした恐れ、といったものも多くて、年齢をを経れば経るほど、漠然と分かるというかその通りだというか、身にしみるものが多い、という印象をうけました。

若いときにも、とても感じ入るものがあったのだけれど、年を経てもまだ新たに感じ入るものがある、これが村上春樹作品なのか、と思う。
だからこそ世界中で読まれているのだろうと思う。
何となく、普遍的なテーマがちりばめられているのでしょうね。

あ、今「1973年のピンボール」を読んでいるのだけれど、やはり文章が若いと感じますね。かつて読んだときにはそんなことは感じなかったのに、なぜか今はそう感じます。
村上春樹の文章がどんどん深みを増してきているからなのか、主人公が若いということでどんどん共感できなくなってきているからなのか・・・あるいは自分が年をとって透明感のある、あるいは「理由なき反抗」的な理由なきイラつきなどがわからなくなってきているからなのか・・・あるいは何となく字面を追いかけてしまっているからなのか・・・

また、何年語ってから改めて「1973年のピンボール」を読み返してみよう、とも思ったのでした。

羊をめぐる冒険

2014年09月05日 | 読書
最近、昔に読んだ村上春樹の小説を読み返している。
羊をめぐる冒険、かなり古い小説になるのだろうか、今となっては。ボクが大学生の頃に何度も読んだ小説だ。よくよく考えればボクが大学生だったころといえば、もう20年も前のことだ。古い小説と言っても差し支えないくらい時間が過ぎている…

そんな小説を今になっても時々引っぱり出して読みたくなる。それが村上春樹の良いところじゃないかと思う。

でも、感じることは当時(大学生だったころ)とはやはり違う。当時は、主人公の年齢よりもボクは若くて、年をとればそう感じるものかと想像しながら読み進めていた。
その「羊をめぐる冒険」の主人公も今やボクよりも年下になってしまった。かつて読んだときよりも共感できる部分が増え、かつ主人公よりも至らない部分を感じては焦りを抱くようになった。はたしてボクは、主人公よりも必死に歩んでいるのだろうか?ちゃんとやるべきことをキチンとやっているのだろうか。
主人公が鼠を失ったように、耳が素敵なガールフレンドを失ったように、仕事の相棒を失ったように、そんなシビアな人生を与えられたときに、主人公と同じように振る舞えるだろうか?
かつて、ボクが大学生だったころにこの小説を読んで感じた切なさは、今は焦燥感に変わりつつある。
ということは、まだまだボクは頑張りが足りないと言うことではないか?
きっとそうなんだろうと思う。
「ダンス・ダンス・ダンス」ではないが、ボクはもっとみんなが感心するくらい上手にステップを踏まなくてはいけないのだ。

いつ読んでも、とても切なくて、悲しくて、でも最後にかすかな光りがある村上作品。
いつ読んでも刺激的だ。

ボクもいつまでも刺激的な(誰かに感じてもらえる、という意味の)生活や仕事をしないといけないな、と感じさせてもらった「羊をめぐる冒険」でした。

話を聞かない男、地図が読めない女

2013年06月05日 | 読書
ベストセラーとかいう話だったみたいですね。ちょっと興味があったところ、auのブックパス体験版で読めるみたいだったので、ダウンロードしてみました。

身につまされる話というか、男と女の違いというか、女性の能力の高さと、男の単純さの原因がよくわかったような気がします。

カミさんには言い訳にしか聞こえないかもしれないけれど、女性には是非とも読んで頂きたい本のように思います。
ボクにとっても、女性の気持ちが少しは分かったような気がしたので、男性にも読んでもらってもいいかも知れない本でした。

内容が全て正しいかどうかわからないけれど、面白かったですよ。ちょっと繰り返しが多い感じで、くどいところもありましたが。

村上ラヂオ2 悪魔と青く深い海のあいだで

2013年04月24日 | 読書
先日、かみさんから誕生日のお祝いとして『村上ラヂオ2 おおきなかぶ、むずかしいアボカド』をもらった。

村上さんのファンなら皆さんご存じだと思いますが、
an・anに連載されたエッセイを1冊にまとめたものです。

その中から、
「悪魔と青く深い海のあいだで」
というエッセイの最後に、
今週の村上 という一言があり(この一言コーナーは各記事毎にあります)、
そこで、

「婚約してからでは遅すぎる」と結婚式場の広告にあったけど、そんなこと言われてもねえ。

と村上さんは書いています。
単純に考えれば、
「早く予約してね」
という意味だろうけれど、
「婚約してから相手の悪いところが見えても後戻りはできないよ、ヒヒヒ」
と言われているのか?
なんて思ってしまった自分がいました。

この広告からそんな風に感じてしまうのはちょっとひねくれてるからなんだろうか?

赤い指

2012年07月19日 | 読書
これまた、東野圭吾さんの小説。
そして、これはあの「新参者」の主人公「加賀恭一郎」のシリーズものです。

私の記憶が確かならば、これは新参者のスペシャルで放映されたものだったのではないかと思います。
(ちゃんとドラマを観ていなかった・・・^^;)

家族に無責任な自分(自分ではそう思っていなかった)と奥さん、そして母親(痴呆症になってしまう)、引きこもりで過保護の長男。繋がっているようで繋がっていない家族。でも。繋がっていなさそうで繋がっている家族、という、現代社会にありがちな問題を盛りだくさんにしたサスペンスものになっています。
例によって、加賀恭一郎が事件の真相に近づいていく様が見所になるのですが、それと同時に加賀恭一郎と彼の父親との関係、そして加賀恭一郎と彼の従兄弟と恭一郎の父親の関係といった複雑な人間関係と、他人からみて不思議な親子関係(でも、しっかりと繋がっている)が描かれています。

要するに、この小説で描かれているのは、実に複雑な家族同士の関係やつながりが描かれている小説だった、と思います。

人と人の繋がりって・・・
実に難しいですねぇ。