母のもつ煮

姪のミクちゃんがいう。

「おばあちゃんが作ってくれたもつ煮はとっても美味しくて

お兄ちゃんもお姉ちゃんもパパもみ～んな大好きだった。

動画撮ってあるんだよ。家なら声も聞けるよ。作り方教えてもらってあるので、それで作ると美味しく出来るんだ」

 

出先でもつ煮の話しになったときのことでした。

私もミクちゃんの母親である妹も、作るのも食べるのも苦手なもつ煮。

「おばあちゃん、美味しいねっていうと、もつが良いから美味しく出来たんだよって言うの」

 

母らしい逸話で

ちょっとうるっときたのです。

体調不良かと思ったら

M君が元気がない
どこか悪いのかと心配して聞くと

「お母さんの折々の場面が目に浮かんで考えちゃう」

実の息子では？と間違われくらい、とても良くしてくれたM君

毎日病院に見舞ってもくれた。

ずっと母の手を握って励ましてくれた。

母に見てもらいたくて頑張って飾る、クリスマスイルミネーション。
今年は無しね。きっと。

美味しいものがあると

美味しいものがあると
母に食べてもらいたい
と思い
もう叶わないんだ、と俯く。

イチョウや楓が街を彩る頃、55日の入院生活の末
母は去りました。

梨が大好きで、看護師さんの目を盗んで毎日食べさせていた。
病室の天井ばかりを見ているのに
「今日は行楽日和だね」
「あと2か月で暮れだね」（お正月とは言わなかった。暮は忙しかったからかな）

折々家に呼ぶと嬉しそうにきてくれた。

好物が若者みたいで
ドリアや鶏の唐揚げや‥‥


去年まで畑で作った大根を洗って干して
たくあん漬けてくれました。
もう食べられない(;o;)

「ありがとう」をいっぱい言ってくれた
「美味しい」ってたくさん言ってくれた、