鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

見ているだけで楽しい本 「東北の避難小屋」

2019年09月12日 | 鳥海山
これは見ていると楽しいです。
2002年版なので小屋の数が144となっていますが、2005年版では150になっています。
残念ながら2005年以降改訂されていないようです。古書としてメルカリではたまに出ることがあるようです。Amazonでも2002年版が発売時価格より高く、2005年版ではべらぼうな値段がつけられています。古書の検索では現在在庫無いようです。
鳥海山の小屋も、山頂小屋から三つの俣口の鈴木小屋に至るまで掲載してありますが、大清水避難小屋、河原宿参籠所などのように現在使用できないところも載っているので小屋を利用しようとする人は要注意。
中を見ると、上の写真のようにすべての小屋が間取りまで書いてあるので、利用したことのある人も、これから泊まってみたいという人にとっても大変楽しい本です。
中には小屋の管理状況、備品も書いてあります。もちろん、最新というわけではないので参考までです。水場まで書いてあるのですから(ただし、水場は100%あてにしないのが鉄則)。もちろん小屋についての問い合わせ先も書いてあります。
小屋に泊まった人は、あ、そうそう、この小屋の土間の隅で、あの時は誰と誰と、なんて楽しい思い出をよみがえらすことでしょう。
 
どんなにインターネットが発達、普及してもこれだけの内容のあるものを見ることはできませんし、これからも不可能でしょう。
東北版以外もあるようです。山が好きな人は何としても探し出し(適正な価格のをネ)、必ず手元に置いておきましょう。

ねえ、君たち、どいてくれないかなー

2019年09月08日 | 鳥海山

 御浜の先御田ヶ原で仲間と花の写真を撮っているとき、御浜の小屋を根城にして写真を撮っている写真家から声をかけられた。
 「ねえ、君たち、どいてくれないかなー、写真撮っているならわかると思うんだけどさー、そこにいられると邪魔なんだよねー」
 鳥海山の写真集も出している写真家だった。
 あれにはがっかりしたなあ。
 一緒にいた知人も
 「なんだありゃ、ひどいやつだなあ。」
 自分だったら人がいなくなるまで待つけどなあ。
 鳥海山に飽きたのか、それとも鳥海山に飽きられたのか、その写真家はその後見かけることはなくなった。
 鳥海山が目的じゃなく、手段だから、ああいった人は。

 鳥海山麓で自然観察の会をやっている知人が言っていた。
 「都会からこちらに移住してきて自然がどうだこうだ言っている連中は我々を未開人だと思っているよ。この辺の人間は教えさとしててやらないといけないんだと思っている。まるで、自分を文明を広めに来た宣教師だとでも思っているようだよ。」

 まあ、異論はあるでしょうけれど、そうでしょうね、いろんなそういう人を見ていますがたしかに皆さん同じですね。

 知ってます?昔、鳥海山に登山リフトを設置しようとしたことがあったって。
 誰でも登れるように、って。噂だけかもしれないけれど、できなくてよかったですね。せめてブルーラインだけで止めておいてください。



鳥海山が好きな人にはたまらない読む鳥海山

2019年09月07日 | 鳥海山

康さんには「鳥海山日記」「続鳥海山日記」の著書もあるけれど、こちらもおすすめ。祓川山荘に集う人々、登山客、居候。鳥海山での出来事、何度読んでも飽きることがない。
こちらも同じく祓川の浅吉小屋の村上浅吉さんの残した記録。
毎日の出納記録は見ていると想像力を掻き立てられ飽きることがない。こういった淡々とした記録は見ているだけで楽しい。
畠中小屋に集う人々、鳥海山での出来事、冬の登頂、千蛇谷での遭難、一気に最後まで読んでしまう。
また畠中さんには豆本で
という非常に鳥海山の花をわかりやすく紹介した本もある。
豆本なので寸法は11.5cm×8.5cmと非常に小さい。
これと併せて前に紹介した
斎藤清吉さんのこの本も併せて読むと鳥海山がますます好きになる。

もっと詳しく鳥海山のことを知りたくなったら
自然・歴史・文化  鳥海山 
こちらは鳥海山大物忌神社 が出版した、式年遷座記念誌刊行会 編 の一冊。
鳥海山のことをもっと詳しく知りたい人にはうってつけ。

どの登山案内やプロといわれる人達の写真集をみるより、これらの本は鳥海山に密着しているし、山への接し方も、自分は本当に好きだなー、こういうの。

インターネットの普及したこの時代、鳥海山に関する記事は山ほどあれど、これらの方々の山に対する思いを超えるものは見たことがない。

山は遠征したり征服(ちょいと前の時代の人たちは鳥海山の頂上を征服した、なんて表現していた。)したりするものじゃなくて、お邪魔させてもらう所だと思うのです。

ところで東雲荘の斎藤さんも30年以上にわたるなにがしかの記録を残していると思うのですが、それも誰か発表してくれないかなあ。