「本日も読書」

読書と映画の感想。ジャンル無関係、コミック多いけどたまに活字も。

ストレッチ1-2巻

2015年05月06日 | comic
高校の先輩後輩が震災キッカケに同居することになって、
とにかくやたらストレッチをするという話w

最初は彼女たちの背景が分からないので
かわいい女の子2人が同居しながら馬鹿話しつつストレッチ
する面白いマンガ、って感じ。

だけどじょじょに2人が同居した理由、2人の出会いや故郷の話が明らかに。

ニコニコ漫画のなかで試し読みがあってそれで面白そう、とKindleですぐに買って
読んで。
それでさらに好きになって。

とくにケイちゃんがねえ。
いいんだ。
ほんと、悲惨な身の上なんですよ。
だからね、彼女はどす黒く笑ってしまうわけ、あの震災の日に。

それがね、故郷を捨てたある種の人間の気持ちをよく表しているな、と。
あの震災があったときに、すべての人が単に心配して悲しんで助けにいこう、と
すべての人が善意の固まりだったか、というと違うんですよ。

そして私にもものすごくどす黒いものがあったのを、あの震災のときに気付かされたんですよね。
それが描いてあった。

だけどね、救いがあるんですよ、この作品は。
それでこの作品が好きになった。

もうひとりの主人公であり、後輩であるランちゃんは、
本当に偉い子なんです。

高校時代のケイちゃんがランの言葉を聞いて内心思う場面がありますね。
2巻ですか。
「驚いた。きっと深く愛されてきたのだろう」と。

ケイコとランはまったく対照的な人生なわけですよ。

そこで彼我の差を思う、という。
ぜったいケイちゃんは「彼我の差を思う」なんて言葉使わないと思ったけどw

だけどこのシーンで、ケイちゃんはランのようになれるだろうか?と思うだけで、
けっして嫉妬しているわけではなく。

この手の漫画の中に実用的な知識を入れる、っていう作品って
ストーリーはイマイチとか、絵柄がイマイチとかなりがちなんですけど、
この作品はすべて高い出来。
間のとりかたとか、セリフもひとつひとつ大切に描かれ、考えられている感じがする。

それに過去を錯綜させながら描くのって、ものすごくわかりづらくなりがちなんだけど、
この作品では常にスッキリしていて混乱しない。
説明調でなくても理解できる。

これが説明をいれたり、あとがきでフォローし始めると、
それはもう上手くいかなかった、整理できてなかった、という証明だと思うんですよ。
ニコニコ静画の投稿漫画なんかによくあるんですけど。
ほんと惜しいなあ、ここが編集者の有無、才能の有無なのか、などと思うんですけど。
まあ結局はプロとアマの違いなのか。


いや、ともかくストレッチはそういうのがないから。
すごい。
3巻がほんと楽しみで。
これからも大切に続けてほしいなあ。

ストレッチ 3 (ビッグコミックススペシャル)
クリエーター情報なし
小学館

ストレッチ 2 (ビッグコミックススペシャル)
クリエーター情報なし
小学館

ストレッチ 1 (ビッグコミックススペシャル)
クリエーター情報なし
小学館

最新の画像もっと見る

コメントを投稿