「本日も読書」

読書と映画の感想。ジャンル無関係、コミック多いけどたまに活字も。

一命

2012年10月20日 | 映画
瑛多が演じる若い浪人が竹光で死ぬのが
もう痛い痛い痛い

いきなりネタバレだが
福島正則が改易されて浪人になった市川海老蔵が
父を亡くした子供時代の瑛多を引き取るんですよ。

んで貧乏ながらもギリギリで暮らして、海老蔵の娘と
結ばれる瑛多なんですが、子供が病気に。
瑛多は狂言切腹を井伊家にしにいくんだが、
見破られていて、お金をせしめることなく竹光で切腹をさせられてしまう。

子供は死に、妻は瑛多の死で自分も自殺。
残された海老蔵が復讐へ。

話としてはそんなもんですが、ストーリーの作り方と
セリフがすごくて。
それに海老蔵の表情が素晴らしい。
とても正気、とても正気で狂気。
もうどう言えばいいのか。

才能というのは人格じゃねえな、って思いましたよ。
ごたごたで叩かれまくった海老蔵ですが才能は尋常じゃねえな、と。
まあ監督がこういう監督だから、というのもあるんでしょうけど。
時代劇だけど、完全に現在の底辺の人々を描いている、っていうのもあるし。

たまたま日本に生まれて、たまたま好き勝手に生きてこれた私には
むしろ海老蔵が井伊家の家老である役所に「くだらん!まったくくだらん!」という言葉が
私自身に突き刺さってくるようで。
そうだな、たまたま運が良かっただけの人間であることを忘れてはいけないな、と。

話自体はまとめてしまうと単純だけど、海老蔵と役所が対峙してからの一言一言が
重層的というか、たくさんのことを考えさせられるんですよねえ。
その時代だけでなく現代にそのまま突っ込んでくるような。

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