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DAZN観戦 2024年J2リーグ第8節 清水エスパルスvs徳島ヴォルティス

2024-04-05 16:00:39 | サッカー視聴記(J2)

※前回の清水の記事はこちら(5節・千葉戦、3-1)
※前回の徳島の記事はこちら(4節・水戸戦、2-1)

<清水スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 6節(秋田戦、1-0)で負傷交代した乾は、その後ベンチ外が続く。
  • タンキが加入後初のベンチ入り。
  • ユース所属の小竹・矢田が2種登録選手となり、前節(山形戦、0-2)から登録される。

<徳島スタメン>

  • 監督を交代。3/31付で吉田達磨氏を解任し、ヘッドコーチの増田功作氏が暫定監督となる。
  • それに伴い、強化本部長・岡田明彦氏が辞任。翌日新たにJ3・富山での働きが印象深い黒部光昭氏が就任。
  • それに伴い?、島川が突然の引退を発表。後日身体面の衰えを理由として発表したが、当然ながらしこりは残る。(尚、登録抹消は現段階ではされておらず)
  • J1・名古屋からGK三井が育成型レンタルで加入し、6節(仙台戦、0-0)から登録される。
  • ブラジル・シャペコエンセから元岡山のチアゴ・アウベスが加入、前節(7節・群馬戦、0-1)から登録されて即途中出場。
  • ユース所属のGK武知が2種登録選手となり、6節から登録される。

無敗では無いものの、開幕から6戦5勝(1敗)と、昇格に向けて幸先良く滑り出した清水。
しかし好事魔多しなのは世の常か、6節でチームの柱である乾が負傷してしまい。
こうなると、前年から「戦術・乾」と揶揄されてきただけに、彼が不在でも勝ち点を重ねられるチームとなれるかどうかが問われる状況。

しかしそれが突然、しかもカルリーニョス・北川も同時欠場というおまけまで付いてしまう中でクリアしなければなりません。(カルリーニョスはこの日復帰しリザーブに)
そして前節はその課題の前に敗戦(山形戦、0-2)してしまい、迎えたこの日。

大雨が降りしきる天候となったのは、そういった状態故のクラブの涙か、ないしは自身以上に危機的状況となっている相手の徳島のそれか。
そんな事を考えさせながら迎えたキックオフ。

その立ち上がり、ピッチコンディションもあり、簡単にボールロストが目立つ徳島に対し優勢に立つ清水。
前半5分に敵陣でパスミスをブラガが拾ってからの攻撃で右コーナーキックに持ち込み。
するとこの日初のCKで早くも結果を出し、密集の最後方の位置へとクロスを上げる山原。
そして高橋が合わせヘディングシュートを放ち、GKスアレスがセーブするもこぼれたボールをねじ込む体勢に。
最初の中村のシュートこそ再度スアレスに防がれるも、さらに詰めたブラガがゴールゲット。
幸先の良い得点という他無く、早期にホーム(IAIスタジアム日本平)で清水がリードを奪いました。

早くも追う立場となった徳島。
9分に前線からの守備、柿谷がボールカットに成功。
しかし拾った児玉の西野へのバックパスがズレてしまい、好機どころかボール保持すら出来ずに終わり。
以降も簡単にボールを失う状況は続き、反撃体制を整える事すらままなりません。
16分にはあろう事か、GKスアレスの右へのパスがミスとなり直接タッチを割ってしまい。
ボールを前進させる以前の段階での問題といったシーンに、徳島不振の最大要因はそのボール保持力の喪失、という事を痛感させ。
この試合(2節・鹿児島戦、1-2)でも述べたように、従来とは逆方向のアプローチ(素早い攻撃を重視)へと舵を切った前監督の方策の爪痕は、依然として払拭できないといった感じでした。

そんな相手を尻目に、逆にボールポゼッションを高めてスムーズにパスを繋ぐ清水。
2枚~3枚の最終ラインを使い分けながら、ボランチも縦関係への可変を経て、そのボランチの片割れへ裏抜けのパスを送るという具合に流動性ある繋ぎを披露。

それ故に、プレッシングも嵌らないという状態を強いられる徳島は、止む無くリトリートの意識を高める事に。
4-4-2のブロックで構える体制を重視し、結果的に言えば、これが効果的となった感があり。
即ちその攻撃力が目に付くエウシーニョと、彼のオーバーラップに伴う守備時の負担が軽減された事が、体力温存による後半の攻勢に繋がったと今になって思います。
それ故に攻撃時でも、彼に回してボールキープ……という事はせず、素直にGKスアレスがロングボールを送る立ち回りを貫き。
全く形にならない前半の攻撃で、果たして後半勝負という狙いを持っていたかどうかは疑問符が付く立ち回りでしたが、怪我の功名というべきか。

追加点で試合を決めたい清水は、28分にまたも徳島の最終ラインのキープミスで、敵陣深めからの攻撃。
左ポケットからの西原のクロスがブロックされCKをゲットと、再びのセットプレーでその期待を高めます。
この左CK、キッカー山原のクロスが中央へ上がり、住吉が飛ぶも流れたその奥で中村がヘッドで合わせ。
またもヘディングシュートが放たれましたがGKスアレスがセーブ、混戦のなか高橋が追撃し、永木がブロックと防ぎきった徳島でしたが再度左CKに。
これを今度はサインプレーで、ファーサイド遠目へとライナーでクロスを送った山原、そして吉田豊がボレーシュート。
しかしエリア内で石尾がブロックと、徳島ディフェンスも素直な跳ね返しがままならないなか、必死の形相で凌ぎ続けます。

その後も35分に清水はゴールキックでのロングフィード、徳島サイドは森がクリアに入るもミスとなり、拾ったブラガをその森が引っ掛けてしまい反則でセットプレーを献上。
ここからも上げられるクロスを跳ね返せず、ゴール方向に向かったクリアをGKスアレスがCKに逃げたり、その左CKで高橋の折り返しを許したりと四苦八苦するディフェンス。
振り返れば14分にも、清水の左サイドからのFKで上げられたクロスをクリアできず、中村に詰められネットを揺らされる(オフサイド)というシーンがあり。

防戦一方といった感じの徳島。
42分、地上から繋ぐ事を選択するGKスアレスによりやっと本来の形が見え、右サイドでのパスワークから左へとボールを移す最終ライン。
これによりセンターバック(森)に清水のサイドハーフ(ブラガ)が対峙する状況が出来上がり、前進のチャンスが生まれます。
しかしブラガが構えを選択したのに対し森は持ち上がる距離が足りなかった事で、結局敵陣で橋本が停滞を強いられ戻したため好機には繋がらず。

それでも僅かな光明が見えた事は良かったか。
アディショナルタイム、敵陣でのボール保持を経て、永木の縦パスがエリア内中央の杉森に通り。
そして反転の末にシュートを放った杉森でしたが、GK権田が足でセーブというビッグプレイで防ぎます。
折角訪れた決定機もモノに出来ずとなり(それどころか直後に清水がロングボールから決定機、西原がシュートもGKスアレスセーブ)、1-0のまま前半終了となり。

共にハーフタイムでの交代は無く、始まった後半。
前半終了間際に徳島が得た僅かながらの好循環でしたが、それを膨らませるべくの立ち回りを取り。

全体的に背を向けていた感のあった地上でのビルドアップを、一転して後半は貫く体制に。
そしてそのシステムも、しっかりと2CB・アンカー・2インサイドハーフという形を取った上で、中央から運ぶという具合に清水の強度に怯みを見せない姿勢を取ります。
特に左IHのように位置取るようになった杉森へと縦パスが面白いように入り、そこから縦に運べる循環が生まれ。
また逆の右サイドには、チアゴが降りて出口役を受け持つようになり、そこで溜める姿勢を作った所にエウシーニョが上がって攻撃性を発揮。
体感的には、柿谷が1トップに回りチアゴがトップ下となった印象でした。(それを固定化するかのように、後半9分に柿谷→渡へと交代)

こうして出来上がった好循環により、齎される決定機の連続。
6分に右サイドで溜めを作り、上がって受けたエウシーニョがカットインを経て右ハーフレーンからミドルシュート。
住吉がブロックした跳ね返りをさらに杉森が追撃するも、高橋のブロックに阻まれ。
柿谷が退いた後も勢いは止まらず、10分には右サイドでの前進からチアゴがサイドチェンジ、そして薄くなった左からの橋本のクロスに渡が合わせヘディングシュート。(枠外)
続く11分にも、長い繋ぎを経て永木が送った右ポケットへのミドルパスに、エウシーニョが走り込んでマイナスのクロス。
クリアされてCKとなるとこれが2本続き、その2本目の左CKでキッカー永木がファーへクロス、森が跳んだその奥でヘッドで合わせるエウシーニョ。
これが右ポストに当たり、尚もゴール前で混戦という絶好機となりましたが、こぼれ球から放たれた森のシュートは住吉のブロックで左へと逸れモノに出来ず。
全体流れが良くなった事で、エウシーニョのその攻撃性も存分に発揮されるなど、非常に見応えある攻勢を続けました。

しかし肝心の得点は生まれずに推移すると、清水もベンチが動き始め。
16分に西原・千葉→矢島・カルリーニョスへと2枚替え、ブラガが逆サイドの左SHに回ります。

攻守ともに動きが良くなった徳島に対し、清水も負けじと地上での繋ぎで応戦。
20分にGK権田から右サイドで前進するなか、吉田豊のサイドチェンジで薄い左からの攻めに切り替えるなど、相手のお株を奪うシーンを見せた事からもそれは明らかでした。(この後アタッキングサードで尚も繋ぎ、右から矢島がクロス)

やはりまともにぶつかり合えば、地力では清水の方に分があり攻撃機会を握るに至った60分台。
それでも前半のようにフィニッシュには持ち込めずと、流れは依然として入れ替わったままという雰囲気で時間は進んでいき。

徳島は24分に動き、西野・杉森→高田颯・棚橋へと2枚替え。
これに伴い、エウシーニョ・石尾・森の3バックとなる3-4-2-1へとシフトし、高田颯が右ウイングバックに入り。
それでも決定打とはならないまま、清水も29分に中村・松崎へと交代。

新たな攻撃の要として期待される松崎の存在で、停滞感を破りに掛かりましたが、その手法はやや原始的なもの。
34分の清水、GK権田ロングフィード→カルリーニョスフリックに走り込む松崎、児玉と交錯し倒れ込むも素早く起き上がりボールを確保。(その後右奥へとパスワークで切り込み宮本がクロス)
35分にはクリアボールを拾った松崎、ボールキープを経ての裏へのロングパスでブラガを走らせる(GKスアレスが飛び出してクリア)といった具合。
悪天候(この段階では雨は上がりを見せていましたが)のなか、最後は気力勝負に舵を振って来たでしょうか。

徳島は相変わらず、高めでボールを保持するエウシーニョを軸に崩しを図りますが、立ち上がりの勢いは既に無く。
最後の交代は39分で、永木・チアゴ→玄・カイケへと2枚替え。
前節終盤にも行った、カイケを前線に投入するパワープレイ紛いの布陣に託す事となりました。

そしてその執念が実ったのが42分、ここもエウシーニョのボールキープや、玄のサイドチェンジなどで揺さぶった末にボックス内を突く好機に。
児玉のポストプレイを経て放たれた高田颯のシュートは高橋にブロックされるも、尚も棚橋が拾って継続し左ポケット奥へ切り込み。
これにスライディングを仕掛けた吉田豊に対し、切り返しを選択した棚橋が脚に引っ掛かって倒れるも、こぼれ球をカイケがシュート。
枠を外してこれも決められないか……と思ったその刹那、主審の笛が鳴り響き吉田の反則を取った結果PKの判定と、一転して同点の絶好機が訪れます。
カイケのシュートでアドバンテージを取ったようにも取れたため、納得出来ず一斉に猛抗議を行う清水サイド。
しかし長らく続けた結果、カルリーニョスが異議で警告を貰う事態を招くのみに終わり。

この土壇場でのPK、キッカー棚橋がゴール左へと決め、同点に追い付いた徳島。
ATでの試合再開(キックオフ前に、清水は吉田・ブラガ→北爪・短期へと2枚替え、カルリーニョスが左SHに回る)となるも、意気軒昂の状態は続き逆転を狙いに掛かり。
一方の清水も再度の突き放しを狙う、俗に言うオープンな展開に。

清水は松崎がドリブルで一気に右ポケットへ進入する好機が訪れるも、追走した森に倒されてしまい撃てず、主審の笛も鳴らず。
徳島はカウンターで好機が訪れ、カイケが浮き球パスを巧みにボールキープしそのままドリブルと、DFとは思えないほどの推進力で切り込み。
そして松崎同様に右ポケットに進入、奥から入れられたマイナスのクロスに渡が跳び込んだものの、惜しくも合わずとなり。

双方惜しいシーンを作ったものの、2点目は生まれる事無く、試合の幕は降ろされ。
共に不安を払拭する勝利は挙げられずとなりましたが、連戦かつ悪天候という状況なので、高望みは出来ないといった所でしょうか。

最後に、一連の徳島の動きについて軽く述べる事に。
表向きは成績不振による吉田達氏の解任とされていますが、既にチーム内外での亀裂は修復不可能な所まで至っていたようであり。
3節以降ベンチ外の西谷が、吉田達氏と対立の末に造反行為により謹慎状態となっていたとの事で。
そしてサポーターも毎試合のように監督批判の断幕を掲示するなど、外野から見ていてもチーム一丸という言葉が空しく響くような状況に陥っていたのが伝わっていたのは何とも言えず。

こうなると、監督交代以外に立て直しの手段は無いのは当然でもあり。
そしてそれに振り回される事となった、島川の突然の引退という事態が生まれてしまったのも、チーム全体を正常な方面へ向かせるには仕方の無い犠牲でしょう。

そしてその犠牲がもう一つ。
試合から一日後には、西谷の契約解除が発表される事となり。
やはり監督・強化本部長のクビが飛んでしまった以上、喧嘩両成敗のような形でこうなってしまうのもある意味仕方の無い事で。まあ吉田達氏の腹心的な増田氏が監督になったのが影響し自ら選んだようにも見えますが
この日見せたサッカーの良化を、文字通りの光明とする事が出来るでしょうか。

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