ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2019年J2リーグ第41節 鹿児島ユナイテッドFCvs水戸ホーリーホック

2019-11-21 17:00:23 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の鹿児島の記事はこちら(順延23節・岐阜戦)
※前回の水戸の記事はこちら(39節・山形戦)

立場は違えど、終盤の大事な一戦には変わり無く。

直接対決で岐阜を蹴落とす事に成功した鹿児島(その後岐阜は連敗街道で降格圏確定……)ですが、もう一つの眼下のクラブ・栃木が勝ち点を積み上げ、最後まで予断を許さない状況に。
残留を決めて早く楽になりたいのは当然ですが、その気持ちが焦りに変わってしまえば良い事は無いので、とにかく自身が勝ち点を上げるのに集中する事が求められるでしょう。

一方の水戸はプレーオフ圏内に居るものの、4~6位の3クラブ(水戸・山形・徳島)は勝ち点67で並び、そのすぐ下の勝ち点65にも3クラブが着けている(甲府・京都・岡山)激戦の渦中。
自動昇格の可能性はまだあるもののほぼ絶望(横浜FC・大宮の連敗が必須なため)であり、6位以内の確保に全力を挙げるのが第一な状況です。

鹿児島サイドは、GKにアンジュンスではなく、今季4試合目となる大西を起用。
前半2分に早くも最初のセーブ(黒川のクロスをキャッチ)をしますが、直後の4分にファーストシュートを浴びます。
クリアボールの跳ね返しを黒川が繋ぎ、清水が収めた所を福満が受け、エリア手前右からシュート。
これを落ち着いて正面でキャッチしたGK大西でしたが、水戸の攻勢に、鹿児島が耐え忍ぶ時間帯が長くなる事を予感させる立ち上がりでした。

しかし下位に沈んでいる鹿児島ですが、本来はポゼッション重視の攻撃力が売り。
その後は水戸の攻撃の合間に、ボールを繋ぎつつゴールを伺う時間を徐々に増やしていきます。
シュートは10分に放った1本のみ(枝本)で、水戸に主導権を握られているのは変わらずですが。

その水戸は何度も鹿児島ゴールを脅かします。
15分の遠目からのフリーキック、キッカー浜崎が上げたクロスが左サイドにこぼれ、拾った清水のクロスに外山がヘディングシュート。
しかしGK大西がセーブし、こぼれ球を黒川→外山と繋がれて再度シュートされますがこれもキャッチした大西。
19分には白井がミドルシュート(ゴール左に外れる)、21分にはエリア内で黒川がトラップからシュート(DFがブロック)と、シュート数を重ねる水戸。
最大の好機は38分で、前の縦パスを収めた清水が右に送るも、受けた福満は中盤で引き返すようにカットインしてから左へ展開。
以降は左サイドでのパス交換から前がエリア内左に入り、そこから絶妙なグラウンダーのクロス。
ファーサイドに走り込む黒川に合えば1点ものでしたが、GK大西が身を投げ出して抑えます。

中盤辺り(25分ぐらい)から、鹿児島が攻める場面が急増します。
ハイペースで何度も攻め上がった水戸、この辺りからペースダウンせざるを得なかったのか、受けに回る時間が増えていく事に。
それでも鹿児島の攻撃は、ボールは回るもののシュートまで持っていく場面は少なく。
31分、センターバック水本のロングパスから韓勇太(ハンヨンテ)→牛之濱と渡り、エリア手前中央から牛之濱がグラウンダーのシュート。(ゴール左に外れる)
これが最も目立った場面でしたが、ロングボールからの攻撃であり持ち味とは外れていました。

しかしシュートまで行けないとはいえ押し込む時間を長くすれば、カウンターを喰らわない限り失点の危険性は減り、紛れから得点が生まれる可能性も増える。
残留争いに巻き込まれているうえ、得点力にも多くは期待出来ない現状ならば、それが最善の策かもしれません。
「守ってカウンター」というチームでは無い鹿児島の場合は特に。

そして前半も終わり際の44分、その「紛れ」が起こります。
それはコーナーキックというセットプレーで、キッカー五領のニアサイドへのクロスを、頭で合わせたのは韓。
相手2人との競り合いのなか難しいシュートでしたが、叩きつけられたボールはゴール左隅を捉え、先制点を文字通りもぎ取った鹿児島。

そのまま前半も終わり、後半嫌でもペースを上げなければならなくなった水戸。
前半の立ち上がりと同様に攻め込むものの、GK大西を脅かすシュートは撃てず。
後半2分の前のミドルシュートは当たり損ね、5分の白井と福満とのワンツーがこぼされた後の清水のシュートはDFがブロックと、空回り感が目立つ結果に。
ようやく13分、細川のロングパスが跳ね返されたボールを、清水が中央遠目からダイレクトでミドルシュート。
これがグラウンダーで左ゴールポストを掠め、可能性ある攻撃を見せる事に成功します。
そして15分に最初の選手交代、黒川→浅野。

鹿児島側も守備を固める一方で、ボールを支配して落ち着きたいという思惑は透けて見えました。
しかしこの時点ではあわよくば追加点を……という色気が残っており、17分に枝本のパスが繋がらなかった後、水戸のカウンターが炸裂。
クリアボールを清水がポストプレイした後、福満→木村→浅野と繋がり、浅野がドリブルで駆け上がります。
エリア内に進入しゴールに迫るも、水本が何とかクリア。
肝を冷やす鹿児島サイド、20分には牛之濱の反則で右サイド奥でフリーキックを与えてしまうと、キッカー浜崎のクロスを宮がドンピシャでヘディングシュート。
これもGK大西がファインセーブで防ぎ、すんでの所で失点は許さず。

鹿児島の選手交代は後半19分、先制点を挙げた韓をルカオへと交代。
この日10ゴール目となったチーム得点王の韓がお役御免で、フィジカルを生かした収め役と前線の守備役として投入された(と思われる)ルカオ。
24分、水戸のビルドアップに対するプレスで宮からボール奪取するなど、良い働きを魅せます。(その後エリア内に進入もシュートは撃てず)
しかし逆に27分、敵陣でニウドがボール奪取の後、ルカオとパス交換しつつ押し込んでいく鹿児島。
その後左サイドでのパスワークの後、ルカオがエリア手前からシュートするも水戸・細川がブロック。
これが水戸のカウンターを誘発してしまい(浅野がドリブル→福満受けてスルーパスも繋がらず)、再びヒヤリ。

その後は無理に得点を狙いにはいかない戦いにシフトする鹿児島。
34分にはカウンターの好機でルカオがボールを受けたものの、無理にシュートは撃たずにコーナーキックを獲得しました。
しかしその直後、CBの堤が足を攣って倒れ込み、36分に平出と交代。
さらに37分には遅延行為でGK大西が警告を受けるなど、1点を守りきりにいくチームの苦悩が目立ち始めます。

水戸は26分に木村→茂木へと交代。
茂木は殆ど存在感を示せない一方、中央に移った福満が目立ったのが終盤。
41分、前の左へのサイドチェンジから浅野が受けてドリブル、カットインすると見せかけてエリア内へパス。
福満はトラップでエリア内左へと移動し、シュートを放つもののGK大西がキャッチ。
続く42分、茂木(これが唯一の見せ場だったか?)の右サイドからのクロスをヘディングシュートにいった福満ですが、オフサイドの判定。(しかもシュートはGK大西がまたもセーブ)
結局43分の3枚目の交代で、目立たない茂木がインアウトとなり、パワープレイ要員として村田が投入されたうえ福満は元の右サイドハーフへ。

その直後相手のロングボールを跳ね返した後、清水落とし→村田→浅野と繋がり、浅野はそのままドリブルで疾走。
そしてエリア内に進入しシュートを放つも、またもGK大西に止められます。
立ちはだかるGK大西の前にどうしても1点が奪えない水戸。

アディショナルタイムにも、清水が2本シュートを放つなど最後まで攻めた水戸ですが、ゴールをこじ開ける事は出来ず。
そのまま試合終了、ウノゼロで鹿児島が勝利を挙げました。

栃木も勝利したため勝ち点差3で迎える最終節(福岡戦)、引き分け以上で残留が確定する鹿児島。(ただし得失点差はだいぶ負けているため栃木勝利・鹿児島敗戦で逆転される)
一方の水戸は8位に転落したうえ、最終節(岡山戦)は勝利が絶対条件となってしまいました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J2リーグ第41節 愛媛FCvsFC琉球

2019-11-20 17:10:57 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の愛媛の記事はこちら(35節・京都戦)
※前回の琉球の記事はこちら(37節・栃木戦)

今季もホーム最終戦を迎えた愛媛。
既にJ2残留も確定し、来季への始動を考える時期になってきました。

そこに飛び込んできたのが、同じ愛媛県・今治市をホームにするJFLのFC今治が、来季のJ3参入を確定させたというニュース。
元日本代表監督・岡田武史氏が代表役を務める事で有名なクラブで、着実にJリーグへの階段を上りつつありましたが、今季それが果たされる事となりました。
今季は開幕前の補強で駒野友一・橋本英郎といった元代表の大ベテランを獲得し、監督には広島で経験のある小野剛氏(2003~2006年途中)を招くなど、「Jへの橋渡し」かのような人材を揃えたのが実った格好に。
当然同じ県である愛媛にとってのライバルになる事は想像に難くなく、尻に火が付いたような状況をクラブの活力に変えられるかどうか、来季以降は嫌でも注目される事となるでしょう。

とは言うものの、この試合に向けての愛媛の現状はかなり苦しく。
故障者続出なうえ、ユース代表参加で長沼が再び戦列を離れるという具合にベストメンバーを揃える事はままならず。
最近では禹相皓(ウサンホ)が重用されている他、広島からレンタルで在籍中の川村をボランチに抜擢。
故障で4試合離脱(うち1試合は出場停止ですが)していた前野が復帰し、陣容を整えるのに必死な内情が窺えます。
なお長沼の居ない右WBには、本来FWの丹羽が穴埋め。

一方の琉球も、故障続出で右サイドバックが穴になっている現状。
FWの上原が埋めていたものの、この日はFWの上門が出場停止となり、その代わりを上原が務める事で再び代役を抜擢する事に。
選ばれたのは金成純(キムソンスン)で、北朝鮮ユースの経験も持つ選手。(これが今季2試合目のスタメン)
また、夏の補強の目玉となっていた小野は故障で長期離脱と、既にその姿は無く。

双方ボール保持を下地にした攻撃的なクラブで、中下位同士の対決ながらもスリリングな展開を描いていきます。
前半3分、愛媛はスローインを受けた禹がスルーパス、受けた下川のグラウンダーのクロスを中で近藤が合わせますがゴール上に大きく外れます。
一方の琉球は5分、左サイドでセンターバック・福井がロングパス、これを受けた徳元からのパスを河合が受けてそのままエリア内へカットイン。
しかし後ろから愛媛・田中裕人に倒されてボールを失い、反則も無し。

早々に疑惑の場面を作ってしまった琉球ですが、失点シーンも疑惑ものでした。
13分の愛媛の攻撃、ロングボールが跳ね返されたのを田中裕が落とし、拾った西田がドリブルの後左へ展開。
受けた下川はグラウンダーでGKとフィールダーの間に絶妙なクロスを上げ、そこに飛び出したGK石井と禹が飛び込み激突。
キーパーチャージだと思ったその刹那、こぼれたボールを川村がゴールに蹴り込むと、反則の笛は鳴らず先制点を奪った愛媛。
当然の如く琉球サイドにとっては納得いかず、その後樋口靖洋監督が第4審判に抗議するシーンが目立っていました。

先制されたものの、アグレッシブに試合を動かさんとする琉球。
愛媛のビルドアップに対しても、前線からの激しいプレスで対応します。
洗練された速いパス回しを見せる愛媛ディフェンス陣ですが、そこまでしても中々抜けずに苦労する場面も散見されました。

そんな中で今一つ乗れていない印象だったのが、この日復帰戦となった前野。
左センターバックながら、要所での攻撃参加やプレースキッカー役で攻撃のアクセントとなるはずですが、この日はパスミスや無理なドリブルで逆起点となってしまう事が多々。
キッカーの役も若い川村が務めていた辺り、本調子には程遠かったのかもしれません。

前半も中盤辺りから、愛媛が際どい攻撃を頻発させます。
26分、右サイドからの攻めで田中裕のクロスがクリアされると、拾った川村がミドルシュートを狙うもGK石井がセーブ。
直後のコーナーキックでは、キッカー川村はファーへのクロスを選択し、山崎が折り返したボールを丹羽が反転シュート。
ループ気味に上がったボールは惜しくもバーを直撃し、跳ね返りを西岡が触るもゴール右に外れてしまいました。
29分には近藤の左へのスルーパスを受けた禹がクロス、これが西田の頭に合ったかに見えましたが、ミート出来ずボールは右に外れ追加点はならず。

その後琉球が押し戻し、ペースを握ります。
小野が不在でも、上里や風間兄弟など中盤にタレントは揃っている琉球。
36分には、左サイドからの河合のパスを受けた風間宏希、ミドルシュートを狙いますがゴール上に外れます。
38分には直接フリーキックを富所が直接狙いますが壁を直撃(その後自身で拾ってもう一度シュートも枠外)、40分には左サイドで組み立ててから、今度は風間宏矢がエリア手前左でシュートを放つもブロックされます。
45分、風間宏矢がミドルシュートを狙うも枠を外し、攻勢をかけたものの同点にはできず前半終了。

後半も一進一退の攻防が続く中、愛媛ベンチは一人の選手を交代に送り出します。
それはFW登録の河原で、既にシーズン後の愛媛退団が発表されている選手。
新潟でJ1経験も持ちながら、2013年から愛媛一筋でここまでキャリアを積み重ねており、一昨年(2017)は11得点も挙げています。(愛媛通算では44得点)
今季これが6試合目の出場であり典型的な構想外という図式ですが、活躍の記憶はまだ新しいため、少々早いのでは……という思いもあるでしょう。
そんな感情が渦巻いたのか、スタンドからは交代が告げられる前から、河原のチャントが流れるという情緒溢れる雰囲気になりました。

そして後半18分、川村と交代でピッチに入った河原。(ボランチに禹がシフトしシャドーへ入る)
しかし勝負の最中にそんな雰囲気を作ったのが仇となってしまったか。
21分の琉球は左サイドから徳元がクロスを上げると、これがワンバウンドする対処の難しいボールとなり、上原がヘディングシュート。
走り込みながらの難しいヘディングシュート、これまた緩いながら対処が難しいボールで、際どくサイドネットに突き刺さる同点弾。

このゴールが生まれる直前、両サイドとも選手交代の準備が行われていたため、「ひょっとしたら取り消しもあるか……」とも思いましたが両者そのまま投入されます。
琉球は富所→小泉に交代。
そして愛媛は西田→玉林に交代、FWには丹羽が回り玉林は右ウイングバックへ。
愛媛は本来ならば山瀬を使いたくなる展開だと思いましたが、情緒の雰囲気にベンチも飲まれていたのか、出番が殆ど無いベテランの玉林をそのまま起用(これが今季2試合目)。

琉球の攻撃は、右SBに不安があるためか左サイド偏重。
それでも試合は進んでいき、勝利のためには要所で右を使う攻撃も見せなければ厳しい。
30分という終盤が見えてくる時間帯で、上里は右へ展開し、受けた金は若干ドリブルで進んでから中央へパス。
これが小泉→風間宏矢と回り、右からクロスが上がったものの合わず。
40分にはカウンターで、ここでも上里は右を選択し、受けた小泉がドリブルで持ち込みます。
ここから上里がエリアすぐ手前でキープ、こぼされるものの金が繋いで上里→河合と渡り、エリア内から河合がシュート。(DFがブロック)

しかし右からのチャンスはこれぐらいで打ち止めに。
抜擢された金は、連携面で不安を抱えながらだったのか積極的なプレーは見られず、周囲も彼を生かすシーンは稀に終わったという印象でした。
そして決勝点も、彼と無関係な所から。
44分、左サイドからのスローインが中央の小泉まで届き、彼のパスを左から走り込んできた河合がシュート。
グラウンダーで見事にゴール左へ突き刺し、ついに逆転した琉球。

結局そのまま1-2で試合終了、愛媛はホーム最終戦を勝利で飾る事は出来ずに終わりました。
長沼不在の影響もあり、選手交代が行われる度にポジションも激しく入れ替わる事となったこの日の愛媛。(3枚目の交代は西岡→有田で、玉林右CB・丹羽右WBにシフトし有田はFWに)
藤本や神谷も不在だったため(神谷はベンチ入り)、中心軸に太さが足りなかったという印象で、河原投入後は一挙にグラグラとなってしまった風に映りました。

今治が同じ舞台に来るまでは未だ遠そうですが、果たしてそれまでに上位を目指せるチームが出来上がるのか。
未だ若い川井健太監督の続投も発表され、将来性重視のチーム運営である事は明白ですが、時間はどれだけ待ってくれるのか。
四国のJリーグ事情は来年以降目が離せなくなりそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J2リーグ第41節 京都サンガFCvsジェフユナイテッド千葉

2019-11-19 17:03:31 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の京都の記事はこちら(35節・愛媛戦)
※前回の千葉の記事はこちら(38節・山口戦)

千葉の方は、既に江尻篤彦監督の今季限りでの退任が決定。
それ以前に発表された佐藤勇人の引退もあり、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しつつ、昇格も降格も無くなった残り試合を消化している印象です。

しかしこの日はそれ以上に、京都のホームであるたけびしスタジアム京都(西京極総合運動公園競技場)のラストマッチであり、ノスタルジーたっぷりの雰囲気となりました。
まあ翌年行われる改修工事後は、セカンドホームとして使用予定らしいのですが。
そんな試合とは裏腹に、未だ今季J1昇格の可能性を残している京都。
どんなに泥臭くても勝たなければならないという状況で迎えた西京極(実質)最後の時、それはどんな内容で彩られるか。

千葉は山口戦以降ボランチをテコ入れし、これまで前線のプレス役だった工藤がボランチに。
以前も試合途中の選手交代によりシフトする形で務めていたものの、前半からの激しいプレスで電池切れという状況で務める事もあり、劇的に機能した記憶は無く。
それでもスタメンで務めた過去2試合は無敗(1勝1分)と、一応の成果は上がっているようです。
しかしこの日はもう一人のボランチ・熊谷アンドリューが累積警告で出場停止、しかも2試合という事で、彼の今シーズンは終了。
代役には小島が抜擢され、どうやらボランチ鳥海は柏戦(37節・0-3)・山口戦(2-3)の大量失点で諦められた模様です。
そして工藤が居ない前線は、クレーベ・船山の2トップに。

前半は千葉がやや押し気味の展開。
ボール保持に長けている京都(最近は薄れ気味ですが)相手に守勢に回るかと思われましたが、意外にも決定機を多く作ります。
前半7分、左サイドからの攻撃で下平がエリア内にスルーパスを送り、受けたクレーベがグラウンダーでクロス。
ブロックされこぼれたボールを船山が繋ぎ、クレーベがダイレクトでループシュートを狙います。(GK清水セーブ)
12分には敵陣で小島がボール奪取し、こぼれ球を拾ったクレーベが船山とワンツーでエリア内に入り、左側からシュート。(GK清水キャッチ)
15分には再び左サイドから攻撃、工藤のダイレクトパスで為田が抜け出してエリア内に進入、そして彼のパスを受けた小島がシュート。
ブロックに阻まれクリアされた後、右サイドで工藤が拾い船山→下平→堀米と渡り、既にエリア内の堀米は浮き球パスをさらに前へ送ります。
すると小島が抜け出して再びシュートに行きますが、前に出て来たGK清水にブロックされて決められず。

京都は8分に小屋松のミドルシュートがGK佐藤優也にセーブされた場面ぐらいで、序盤はペースを上げられず。
しかし20分にGK清水のロングキックからの攻撃、左サイドで黒木が落としたボールを拾った小屋松がドリブル。
奥まで進入しクロスが上がり、千葉・小島のクリアが小さくなった所を仙頭が拾い、エリア内で切り返してからシュート。
このコースに小屋松が居たものの、オフサイドだったため触らず枠外に。
GKからのロングボールでのチャンスにより硬さが取れて来たか、以降は徐々に攻勢に出ます。

29分、田中マルクス闘莉王の跳ね返しから組み立て、庄司が左サイドに展開した後小屋松が仕掛けて中へパス。
金久保がヒールで繋ぎ、受けた一美が反転シュートを狙いますがブロック。
その直後は中央~右サイドでじっくりボールを回す長い攻撃の後、宮吉のバックパスを上夷がダイレクトで縦パス、宮吉はさらにダイレクトで一美に送ります。
この緩急の付いた攻撃を、一美がエリア手前からシュートで締めくくるもボールは枠外。
39~40分も同様に、右サイドバック・福岡がサイドチェンジするも、ボールは黒木→小屋松→黒木→庄司→福岡→仙頭と渡り再び右サイドへ戻るという長い攻撃。
その後ボランチの位置で受けた庄司は右からの攻撃を選択し、彼から受けた仙頭のエリア内へのパスを一美がポストプレイで再び右へ送り、宮吉のグラウンダーのクロスが上がります。
ファーサイドで小屋松がこれを折り返し、走り込んだ仙頭がシュートするも、千葉・工藤のブロックに阻まれます。
京都らしさが出て来たものの、得点を奪えず前半はスコアレスで終えます。

選手層の薄さが、終盤に来て弱点として表れている印象の京都。
前半戦は、攻撃・守備両方で起用できる闘莉王の存在がベンチに控えていたものの、その闘莉王がスタメンに回る事が多くなってやり繰りは苦しくなり。
チーム得点王の一美をサブに回し、ジョーカーとして起用する事もやらざるを得ない時期もありました。
そしてファーメーションも流動的になり、この日は4-4-2と変哲の無いもの。
それでも庄司が1ボランチ気味で、金久保がトップ下に近い位置とアレンジ感は見受けられましたが。

シーズン序盤は殆ど起用されなかったレナン・モッタが、最近4試合で3度スタメンで出場しているのはいかにも苦しさが滲み出ているようであります。
ガンバから獲得した大ベテラン・藤本も、積極的に登用するには至っておらず。
そしてこの日交代の一番手に選ばれたのは、既に忘れ去られても可笑しくない男でした。

後半立ち上がりは京都が主導権を握るも、後半4分の黒木のトラップミスから流れは一変。
コーナーキックでショートコーナーを選択したものの、これによりボールを繋ぐ過程で千葉に奪われてしまいカウンターを受ける事に。(船山のドリブルを黒木の反則で止める・黒木に警告)
そして6分には船山がエリア内右からシュート。
GK清水がセーブしてコーナーキック、クリアボールを拾った為田がエリア内に入ってシュート(GK清水キャッチ)と、立て続けにシュートを浴びてしまいます。

暗雲立ち込めた中、京都の選手交代が行われたのは後半15分。
宮吉に代わって出て来たのはエクスデロ競飛王。
最初は浦和でキャリアをスタートさせたものの、高い攻撃力を有する反面、守備や連携に難ありという選手。
故障もありレギュラー定着出来ず、2012年以降は韓国・中国のクラブを渡り歩き、京都に移籍してきたのは2016年。
当初はレギュラーで出場を重ねていたものの、年を重ねる毎に出場数も減り、今季はお目にかかる事は稀というレベルに。(前年は夏に韓国クラブへレンタル移籍)
スタメンは僅か1試合、全出場数も10試合のみと蚊帳の外な状態でしたが、チームが苦しくなってきた事で前々節(甲府戦・0-1)から再び途中出場で使われるようになってきました。
どんな内容であれ、昇格のためには勝たなければならない状況である京都の現状を良く表しているかのような交代。

これを機に再び京都がペースを握り、押し込む時間帯が長くなってきたもののゴールは割れないという状態に。
ジョーカーとしての働きが期待されたエクスデロですが、目立った活躍はあまり出来ず。
23分、右サイドでのスローインから仙頭がクロス、これをニアサイドでエクスデロが受けてシュート。
千葉・エベルトにブロックされたこぼれ球を、金久保が走り込んでシュートにいくも、これも工藤にブロックされます。
その後はシュートまで持っていけない京都。
34分に再び動き、一美→レナンへと交代し、エクスデロの1トップという布陣にシフト。

何が何でも1点を奪いにいく姿勢を見せる京都、37分に大チャンス。
上夷が右に展開した後、福岡が仙頭とのパス交換で中央に動いてから縦パスを入れます。
これをエクスデロが受けるも収まらず、しかしエリア内で千葉・下平が拾ったボールを、追い越して走り込んできた仙頭がシュート。
ボールはグラウンダーでGK佐藤優の逆を突くも、右ゴールポストを直撃してノーゴール。

攻めても攻めても得点出来ず、悲痛な声が聞こえてきそうな展開で迎えた試合終盤。
その39分、クリアボールを福岡が拾うとそのままドリブルで縦へ進み、エリア内右へ進入してグラウンダーでクロス。
金久保がスルーすると、中央へ走り込んだ仙頭がフリーとなりシュート。
再びヤマを張ったGK佐藤優の逆を突き、その声の結晶の如きゴールが生まれました。

その後反撃に出る千葉。
センターバック・エベルトを前線に上げるパワープレイで攻勢をかけるも、同点弾は生まれず。
90分には見木(工藤と交代で出場)の縦パスを受けた米倉がエリア内に進入、闘莉王をかわしてゴールに迫る決定機を作ったものの、GK清水が飛び出して防ぎます。
最後は京都が敵陣で時間稼ぎ……では無く、エクスデロがボールキープからエリア内に進入してクロスを上げる(クリアされる)など、最後まで得点を奪う姿勢だった模様。
ともかく1-0のまま、京都が望みを繋ぐ勝利を挙げました。

次が最終節で、京都の相手は首位・柏。
しかも今節で優勝を決めた事で、来季を見据えたメンバー選考も考えられ、分析班にとっては予想がつかずかえって厄介な状況ともいえます。
それでも自身のサッカーを押し通し、逆転でのプレーオフ進出は果たされるのか。
そんな彼らの背中を見届けた西京極、無事役目を終えた一日となったでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J2リーグ第40節 徳島ヴォルティスvs横浜FC

2019-11-14 19:55:42 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(36節・岡山戦)
※前回の横浜FCの記事はこちら(32節・大宮戦)
※前回の両クラブの対戦はこちら(18節)

J1の舞台をほんのりと知る者同士の対決。

28節・福岡戦から12戦無敗、しかもその間に4連勝を2度達成(9勝3分)と、破竹の勢いでプレーオフ圏内にまでのし上がっている徳島。
勢いは確かに感じますが、野村を筆頭にヤンチャ者揃いという感じの陣容で、警告による出場停止で好調ぶりに水を差す傾向があるのは前回述べた通り。
大事な終盤戦、メンバーも固定気味になってきただけに、その愚は避けたい所でしょう。
この日はその野村の古巣である横浜FCとの上位対決。

立ち上がりの前半2分、横浜FCの攻撃。
ボランチ・佐藤の右への展開から右サイドバックの北爪がクロス、ブロックされてこぼれたボールを拾おうとした北爪、同じく拾いにいった徳島・杉本を倒してしまい反則。

この反則で幕を開けた事が、その後ヤンチャ者の血を滾らせる事になったのでしょうか。
野村は古巣対決という事もあったのか、闘志を前面に出すものの、それが反則ないしはスレスレのプレーに対する文句という姿で露わになる場面が多々。
それは今季横浜FCに加入した、特に因縁の無い大ベテラン・中村に対しても容赦無く。
中村の野村に対する反則(腕を引っ張っていた)に対しても、表情を荒げる野村に対し困惑の表情を浮かべる中村という場面は、ある意味最も印象に残ったものでした。

しかしこの試合、反則というファクターが牙を向いたのも事実。
21分、横浜FC陣内でのルーズボールに対し、横浜FCカルフィン・ヨン・アピンと徳島・岸本がスライディング同士で激突。(横浜FC側の反則)
両者負傷するという事態になり、共に復帰しヨンアピンは問題無くその後プレーしたものの、岸本はプレー不能となり29分に途中交代(藤田が交代出場)となってしまいました。

試合内容の方は、双方ボール支配を根底に置いたチーム同士の対決らしく、最終ラインからのビルドアップの応酬という展開を描きます。
ホームの徳島は、いつもの3バック(左から内田裕斗、ヨルディ・バイス、石井)を、内田裕に高い位置を取らせた上でボランチ(岩尾・小西)が降りて来るという攻撃。
そのため攻撃傾向は左サイド中心で、ウイングバック・杉本の跳梁も絡めて攻勢に。
14分の攻撃、バイス→内田裕→野村と渡り、野村のスルーパスを受けた渡井がエリア内左に入ってグラウンダーでクロス。
野村が合わせるもブロックされ、跳ね返りを杉本がシュートするもGK南が足でセーブして防がれる、という場面が代表例だったでしょうか。

一方の横浜FC、4バックという事で、主なビルドアップは2CB(ヨンアピン・伊野波)とドイスボランチ(中村・佐藤)。
4人がボックス型を形成しつつ、両サイドバック(右北爪・左武田)を上がらせるという形が基本形でした。
以前は丁の字型が見られたものの、中村の起用とともに変化を見せたのか、あるいは田代が不在だからなのか。
前半こそ中村のスルーパスが散見されましたが、後半は決定的なパスを送る役目は佐藤に移っていました。

前半も終わり際になって、徳島が怒涛の攻撃。
流れの中からシュートまで持っていけない一方で、40分以降は反則を受ける場面が頻発、直接フリーキックを3本得て横浜FCゴールに迫ります。
43分、左サイドでエリアからやや手前という位置で野村がクロスを上げ、GK南が飛び出すもボールがこぼれます。
それを杉本が詰めにいくも辛うじてクリア。
アディショナルタイムに突入(岸本故障のため5分と長かった)し、右ハーフレーンでエリアから直ぐ手前という近い位置で得た2本目。
野村・小西だけで無くバイスまでがキッカーの位置に着く中、小西が直接シュートを狙いますが、壁に当たってモノに出来ず。
その後もう一本得ますが、決定機とはならず。
結局前半はスコアレスで終えます。

押し込まれた横浜FCは、後半になって反撃体制。
先程述べたように佐藤が前線へ縦パス・スルーパスを送る場面が目立ち始め、それに3人の若きオフェンシブハーフ(松尾・中山・齊藤功佑)が反応し好機を作るという得意の形に。
佐藤自身も後半6分、右サイドを突破した中山のパスを受けてミドルシュートを放ちます。(ゴール右に外れる)

11分、後方でパスを散らせた後ヨンアピンがロングパス、FW皆川が落としたボールを齊藤功が拾うも一旦戻されます。
そして受けた佐藤は右サイドへスルーパスを通そうとしますが、徳島・内田裕にカットされて繋がらず。
23分、再びビルドアップから右サイドを使い、徐々に敵陣へと押し込んでいった後北爪のバックパスを受けた佐藤。
縦パスを齊藤功に通し、齊藤功はエリア内に進入するも、徳島ディフェンスに囲まれて阻まれ得点ならず。

1年間J1を戦ったのが遠い昔になりつつある(2007年)横浜FC。
当時を知る選手は三浦知良ただ一人(10年以上も経っているのだから居ないのが当然ですが)。
南・松井そして今夏の中村と、過去の名選手が集まったかのような編成になっているのは、必然である世代交代の波に逆らうかのようでもあります。

そんなクラブの指揮を今季途中から執る事となった下平隆宏監督。
ポゼッションサッカーを横浜FCに持ち込む事で、一本芯を通す事に成功したのが好調の要因なのは確かでしょう。

かといって、無闇にポゼッションを押し出したりはせず。
就任当初こそ、3トップでボール支配を重視したシステム(今季ではヴェルディや京都で見られたシステム)を採りましたが、それはあくまで「芯を通す」という作業の過程でのものだったと思われます。
そして現在の4-2-3-1のフォーメーションにシフトし、最終ラインのビルドアップ力を維持しつつ、オフェンシブハーフの飛び出し・1トップのポストプレイを絡めた攻撃を展開。
こうしたバランスの良さで、「得点を取るためのポゼッション」に巧く昇華させ、チームをJ1昇格に導かんとしている現在。

30分、再び佐藤が前へスルーパスを送るも、徳島・石井がスライディングでカット。
この時点で横浜FCサイドは、切り札といえるレアンドロ・ドミンゲス(以下Lドミンゲス)をスタンバイさせ、1点を取りにいく姿勢を見せていました。

しかしその最中に試合が動きます。
右サイドからのスローインを受けに入った皆川がフリックし、追い越した中山へ渡ると齊藤功へとパスして右サイドを突破。
齊藤功がグラウンダーでクロス、走り込んだ中山がスルーしたボールは、ファーサイドの左SB・武田の下へ。
武田は躊躇なく左足を振り抜くと、シュートはGK梶川に弾かれるも勢いそのままにゴール。
大事な先制点をついに手にした横浜FC。
そしてその直後に齊藤功→Lドミンゲスへと交代。

徳島側は既に2枚交代しており(2枚目は河田→清武)、勝負手は小西→内田航平。(37分)
ディフェンスにカードを切ったと思ったら、CBのバイスをFWへと上げる策を敢行します。

攻勢を強めんとする徳島でしたが、先んじてFWの位置で起用されていた清武が、周囲との連携が今一つな場面を露呈。
パスワークに加わるも、パスミスやボールロストが多く、徳島は流れを掴めず時間だけが過ぎていきます。

44分内田裕がドリブルからパスを出し、野村のフリックから清武・渡井・野村がパス交換するも左サイドへこぼれます。
それを杉本が拾い、彼のクロスに合わせにいったのは清武でしたが、届かずにボールは流れ攻撃終了。
アディショナルタイムには中盤からのフリーキック、放り込みと見せかけて左サイドから攻撃し、再び杉本のクロス。
今度はヘディングシュートに持っていった清武でしたが、ボールは威力無くゴール右へ外れます。
名誉挽回とはならなかった清武、残念無念。

そのまま0-1で勝利に辿り着いた横浜FC。
これで残り2試合で4位集団とは勝ち点差6と、今後は2位の座を争う大宮とのマッチレースになる事でしょう。
前年の衝撃的なプレーオフでの敗戦を払拭する前に、何としても自動昇格を勝ち取りたい所です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J1リーグ第31節 大分トリニータvsガンバ大阪

2019-11-13 17:00:46 | サッカー視聴記(2020年以前)

ボール支配からの攻撃合戦。
といっても、ガンバ側はそれがどれだけ意図したものだったかは不明ですが。

序盤の勢いは無くなったものの、降格の危険性は過ぎ去り8位以内での戦いを繰り広げている大分。
藤本の神戸移籍は衝撃的で、得点力に多くは期待出来ない状況に追い込まれましたが、それでも力強く「自分たちのサッカー」を貫かんとしている姿は感動ものです。

9月には岩田がユース代表に選ばれたと思えば故障離脱して帰って来る破目になったりと、やり繰りも苦しくなってきたという印象を受けたものですが、意外にもそこから(26節・湘南戦から)5戦で2勝2敗1分とやや持ち直し。
それでも磐田戦・名古屋戦では後半アディショナルタイムに失点し勝ち点を落とすなど、ロースコアの割には出入りが激しい最近。

試合が始まり、いきなりガンバにチャンスが。
右サイドのスローインから、宇佐美・井手口・アデミウソンのパス回しに遠藤が加わり攻撃を組み立てると、エリア外斜めからシュートを放ったのは宇佐美。
ボールは大分ゴールを襲ったもののバーを叩き、電光石火の先制とはなりませんでした。

その後はポゼッションサッカーの応酬ともいうべき展開。
大分がGKを含めたビルドアップから攻撃を組み立てるのは有名となりましたが、この日はガンバ側も最終ラインからのビルドアップを重視しての攻撃を幾度も繰り返していました。
リードされたので仕方無く……という事は以前にも見られましたが(ここで書いたセレッソ戦とか)、スコアレスの状態からこうしたサッカーを魅せていくガンバ。

3バックのうち左右のセンターバック(右が菅沼・左が金英權)がサイドに張り出し、ボランチが降りてきてのビルドアップ。
ただし1ボランチ(遠藤)なため、中央前目のポジションである矢島・井手口・宇佐美も降りて来る事が多かった。
FWである宇佐美が中盤に降りるシーンはデフォルト化しつつありますが、ガンバのポゼッションサッカー化は、それに合わせてのチーム全体の変化という気もしないでも無く。

そんなガンバですが、前半11分に先制点が。
遠藤の縦パスを矢島が右へ流しアデミウソンに渡り、彼のパスを受けた宇佐美がエリア内左に進入してシュート。
GK高木のニアサイドを破るゴールが炸裂しました。

リードを奪った事で、試合の主導権も握らんとその後も攻勢を掛けるガンバ。
14分にはフリーキック後の二次攻撃、再び宇佐美が左サイドから、カットインを仕掛けてシュート。(GK高木キャッチ)
その後双方ボールを握っての攻撃を敢行しますが不発の時間が続き、18分には再びガンバのシュートシーン。
これもセットプレー(コーナーキック)後の二次攻撃、遠藤のロビングがDFのクリアで浮いた後、アデミウソンがヘディングシュート。
GK高木が止め、こぼれ球をさらにアデミウソンが追撃しますが枠を捉えられず。

一方大分も、ガンバの攻撃を指を加えて見ているだけでは無く。
19分に三平のグラウンダーでのクロスをオナイウ阿道が合わせますが、枠には飛ばせず。
反撃の狼煙を上げると、その後はオナイウのポストプレイも交えながらの攻撃で、ガンバゴールに迫る事が出来るようになります。
29分、三竿雄斗(鹿島・三竿健斗の兄)の左サイドでのカットから攻撃、オナイウがポストプレイの後再びボールを受けるもバックパス。
左サイドで小林・田中・三竿のパス交換の後、中央の長谷川に渡ると、その長谷川がスルーパスをエリア内左に通します。
走り込んで受けた三平が切り返し、中央へ走り込む田中にパスを出しますが、僅かに合わずチャンスをモノに出来ません。

ポゼッション同士、お互い攻撃に行き詰まりが見え始めた(30~36分は双方チャンスを作る事無く推移)前半も後半。
39分の大分の攻撃、岩田の縦パスを収めた小塚に対しガンバ・三浦がチャージして反則。
フリーキックを素早くリスタートさせた大分、岩田がオナイウとワンツーで右サイドを突破してクロス。
低いボールにニアサイドで三平が合わせ、GK東口の股下を抜くシュートとなり見事ゴール。
前半のうちに同点に追い付く事に成功します。

前半の残り時間はガンバの攻勢。
42分、宇佐美の右サイドからのクロスをアデミウソンがヘディングシュート。
ボールはポストを叩いてしまいゴールならず、という惜しいシーンを描きました。

1-1のまま前半終了、後半が始まります。
大分はパス回しだけでなく、ロングボールも交えてチャンスを演出。
後半3分、三竿のロングパスをオナイウが落とし、左サイドを田中がドリブルで持ち上がりますがガンバ・小野瀬に奪われます。
11分はゴールキックから、三平が落としたボールをオナイウが右へ繋ぎ、松本はダイレクトで浮き球を前に送ります。
受け取ったオナイウは中央へパスを出すと、エリア内で受けた三平がさらに横にパス。
そして小塚がシュートを放ちますが、GK東口の足でのセーブに阻まれゴールならず。

前後しての9分には、岩田がパスカットからそのままドリブルで前進してチャンスを演出。
そしてエリア内の小塚にパスを出すと、小塚はダイレクトでシュートするも枠を大きく外してしまいました。
ショートパス以外の方法を絡めて好機を作っていく大分。

ガンバ側も、5分に小野瀬がスルーパス、走り込んだアデミウソンがエリア内でボールを持つチャンス。
アデミウソンは切り返したのちカットインで中央に寄り、シュートしたものの大きく外れてしまいモノに出来ず。
11分にはカウンターから好機、矢島の中央突破から井手口→アデミウソンと渡り、再びアデミウソンがエリア内でシュートチャンス。
今度は左からのシュートでしたが、惜しくもゴール右に外れてしまいました。

双方チャンスを作る後半の展開、モノにしたのは大分でした。
18分、再び岩田のドリブルでアタッキングサードに迫り、小林裕紀を経由し左に展開して田中がクロス。
ファーサイドで三平が折り返すもクリアされ、その後松本のクロスがブロックされコーナーキックになります。
キッカー小塚は中央へクロスを上げ、オナイウが頭で落とすとボールはゴール前左でフリーになっていた岩田の下へ。
トラップした岩田、すかさず蹴り込んでネットに突き刺し勝ち越しゴール。
膠着状態をセットプレーで破る事に成功した大分。

直後にガンバは矢島→マルケス・スサエタに交代(20分)し、反撃体制を採ります。
しかしリードされると、「支配率は高まるが決定機は作れず」というポゼッションスタイルの悪い面が噴出してしまうのは良くある事。
中々シュートチャンスを作れないガンバを尻目に、大分は23分にオナイウのシュート(GK東口キャッチ)、29分に小塚のシュート(GK東口キャッチ)とガンバゴールを脅かしていきます。

30分からガンバはコーナーキック攻勢。(同時に井手口→パトリックへと交代)
1本目のコーナーキック、クリアボールをスサエタが拾い、ミドルシュートを放つもブロックされてゴール右へと外れます。
そして2本目のコーナー、GK高木がパンチングしたこぼれ球を藤春が拾い、再びミドルシュートを見せるもジャストミートせずに枠を捉えられず。
セットプレイで行き詰まりを打開する事も出来ずに終わります。

ボールを支配して攻勢を強めるも、流れの中からのシュートは殆ど撃てないガンバ。
終盤にはビルドアップの際、GK東口に対して大分・後藤(三平と交代で出場)に詰められヒヤリとする場面が。
しかしここは大分GK・高木を彷彿とさせる動きで東口が後藤をかわして難を逃れました。

アディショナルタイム、その東口のロングボールがこぼれた所を宇佐美が難しい体勢ながらボレーシュートにいきますが、ゴール右に逸れて同点ならず。
万策尽きたガンバ、最後は大分・オナイウに右コーナー付近で時間を使われたのち、パスワークを遮断する事無く試合終了の笛を聞く破目に。

片野坂知宏監督の下、数年かけて成熟したサッカーを展開した大分。
それと同じ土俵で勝負したのがガンバの敗因といえるでしょうが、そうせざるを得なかった要素が何かあったのか。
今一つ不明ですが、今後はこの路線を突き詰めていくのでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする