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DAZN観戦 2020年J2リーグ第39節 アビスパ福岡vsツエーゲン金沢

2020-12-09 16:19:09 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の福岡の記事はこちら(30節・磐田戦)
※前回の金沢の記事はこちら(36節・山形戦)

最終節で首位・徳島との直接対決を控える福岡。
その舞台を胸すく優勝決定戦として迎えたい所ですが、ここに来て首位よりも3位・長崎との差が近くなっており正念場。

試合開始直後から福岡が盛んに攻め立て、前半1分に早くもフアンマ・デルガドの落としを拾ったエミル・サロモンソンがエリア内右からシュート。(ゴール左へ外れる)
3分にはフアンマの頭を越えるロングパスを遠野が拾い、そのままエリアライン際でシュート(ブロック)と、立て続けに2本シュートを浴びせます。

しかしその後は停滞し、徐々に金沢ペースへ。
4-4-2のミラーマッチなうえ、相手にボールを持たせるタイプのチーム同士の対戦。
そのため、福岡にとって自分達のペースに持ち込むのが難しい展開を強いられたようです。
後方からロングボールをフアンマに当てて、というのがメインの攻撃故、しっかり対応されると他の攻め方を採らざるを得ず。
13分にはセンターバックのドウグラス・グローリがドリブルで持ち込んだのち左の石津へパスを送り、石津のスルーパスでフアンマが抜け出しますがオフサイドに。
マンマーク基調の金沢が相手故、こうしたスペースを利用しての攻撃が望まれる所でしたが、中々そんな展開に持ち込めず苦戦します。

福岡が攻め手を無くした事で、金沢は憚らずも「ボールを持たされる展開」となります。
ビハインドを背負っていないにも拘らずこうした状況となるのは珍しい(町田戦がそんな感じか)ですが、この日はボランチ2人が藤村・大橋の「鉄板コンビ」だったためか、破綻せずにペースを握る事に成功。
この2人が巧に距離感を調節し、ビルドアップを苦にさせない工夫をしていたと思います。
19分、CBの廣井がボールを持っている段階で藤村・大橋の2人が距離を開き、廣井はその間を使い島津へとパスを通した場面が代表例。(その後島津→高安スルーパス→加藤走り込んでクロスもキックミス)
相手裏へとスルーパスを送る攻撃を主体に好機を作っていくも、福岡の最後の守備は堅く得点はならず。

一方偶発的に好機を得る事しか出来なくなった福岡、22分にはグローリの前目でのクリアがエリア内へと入り、フアンマがマークを振り切って収めシュートするもGK白井がセーブ。
そしてコーナーキック攻勢へと移り、3本のCKの中で前のミドルシュートが生まれたりもしましたが、やはりこちらも得点出来ず。

そして金沢に攻撃権が移り、迎えた27分。
藤村が左サイドへとロングパス、受けた渡邊がホドルフォとワンツーで奥に切り込み、低いクロスを中央へ入れます。
走り込んだ杉浦恭平が合わせ、綺麗に締めてゴールゲット。
先制点は能動的に崩す姿勢を見せていた金沢のものとなりました。

リードされた福岡、以降は両サイドバックが盛んに奥へと切り込みクロスを上げる攻撃を見せます。
しかしシュートを放てないまま、33分に金沢にカウンターを浴びる(ここもシュートには持ち込めず)と再びペースを失い、終盤へ突入。

41分にCKを得た福岡、キッカーのサロモンソンのクロスがクリアされるも、こぼれ球を拾った石津がミドルシュート。
これをエリア内で上島がコースを変えたものの、左へと逸れモノに出来ず。
以降も攻めるものの、流れは決して良くならないまま前半を終えます。

「5年に一度」という奇妙な一致関係がある福岡のJ1昇格。
昇格が現実的な位置に着けている今季、前回昇格を決めたのが2015年と、その方程式通りの流れを描いています。
前回は前年16位の後に昇格、今回も前年16位からここまでの位置に着けているという成績も、そんな奇妙さを後押ししています。
とにかく5年待てば昇格出来ると。

それまでは2005年は松田浩氏・2010年は篠田善之氏が、ともに3年目で悲願達成と、数年かけてのチーム強化が図られての成功となっていました。
それでも当時はクラブの経営難という問題もあり、J1定着を目指せるところまでは育てられず。
そして2015年(監督:井原正巳氏)に今季(現監督:長谷部茂利氏)は、新監督1年目で昇格を果たすシーズン。
何かのキッカケで状況はガラリと好転する、と言えば聞こえが良いですが、「地道なチーム作りなんて馬鹿馬鹿しい」という考えに傾倒してはいないか。
いずれのシーズンも1年でJ2降格となっており、J1昇格は出来ても残留は出来ないというクラブの現状。
気が早いですが、そんな状況を長谷部監督はどう打開していくのか。

過去5戦で3引き分け(2勝)という星取りもあり、昇格のためには勝ち点3を得て流れを変えたい状況。
1点ビハインドでハーフタイムを迎え、長谷部監督は大胆に3枚替えを敢行します。
フアンマ・石津・増山に代え、山岸・田邊・福満が投入されました。
アタッカーの顔ぶれを代える事で巻き返しを図り、大黒柱のフアンマも引っ込める事を厭わず。
一方金沢も、廣井→作田へと交代。

反撃の流れを作りたい福岡でしたが、その前に金沢が好機を迎えます。
後半3分にCKを得ると、キッカー藤村がニアサイドにクロス、これを杉浦恭がヘッドでフリック。
これが綺麗にファーサイドへと渡り、石尾が跳び込みヘディングシュートを放ち右サイドネットを揺らします。
福岡にとって文字通りの手痛い失点となり、これで0-2。

出鼻を挫かれた福岡、その後も金沢の攻勢は続き、サイド突破を許したのち何度もセットプレーのチャンスを与える苦境となります。
16分の金沢、右サイド奥からの直接フリーキック。
藤村のクロスがクリアされた所を、高安がミドルシュートを放ちましたがこれはGKセランテスがセーブ。

潮目が変わったのは、19分の金沢の反則からでしょうか。
島津がルーズボールを拾いにいった輪湖の頭部に脚を上げてしまい、危険なプレーとなり警告を受けます。
そのFKでは、キッカー・サロモンソンのニアサイドへのクロスを山岸がヘディングシュートにいくも、ディテンスに当たりゴールならず。
しかし以降金沢は守勢を強いられ、反撃体制を整える福岡。

フアンマは既におらずロングボールに頼れないので、必然的にショートパスを繋がざるを得ない状況。(それでも山岸がターゲットとなる事で一応出来るでしょうが)
サイド中心の攻撃を強いられる中、サイドハーフが片側に寄る場面も多く、パスコースを多く作り必死で繋いでいく福岡。
それでも金沢の守備の堅さに苦戦気味ですが、ボールを動かす事でマンマーク基調の金沢選手も動かされ、疲労は着実にダメージとなり。
33分には島津→大石へと交代を敢行した金沢ですが、丁度のタイミングで島津が足を攣らせてしまい、担架で運ばれざるを得なかったのはその象徴だったでしょう。

終盤に差し掛かり36分、上島のロングパスが左サイド奥にこぼれ、福満が拾ってグラウンダーでクロス。
山岸が合わせシュートするも金沢・作田がブロックで防ぐも、その後も攻撃を繋ぐ福岡。
輪湖が左サイドからグラウンダーで中に入れ、遠野が受けてエリア内左でヒールパス。
さらに重廣もヒールで流し、左から走り込んだ福満がシュートするも、これもブロック。
波状攻撃を掛けていき、尚も38分に右からのスローイン、パスワークを経て遠野からクロス。
山岸が落としたボールをグローリがボレーシュートするもこれも作田がブロックしてCKへ。
作田の手に当たったとしてハンドを要求するも、判定は覆らず。

しかしこれで怒りのパワーを持って攻撃したのが功を奏したか。
直後のCK、クロスがクリアされたこぼれ球を前がラフにエリア内へ蹴り込み、上島が右に落とし遠野が繋いで再びサロモンソンのクロス。
今度はグラウンダーで、中央へ入ったボールを田邊が合わせてシュート。
ようやくゴールに突き刺し、1点を返した福岡。
その際に金沢・高安が足を攣らせてしまい交代となる(杉井が出場)など、金沢サイドのダメージは深刻に。

そのためか直後は前目でのキープを試みる金沢。
しかし42分、敵陣左サイドでホドルフォがクリアボールを拾うも、前に奪われて福岡の攻撃に。
前縦パス→サロモンソンポストプレイ→重廣→遠野ドリブルから左へスルーパスと素早くアタッキングサードまで繋ぎ、田邊のグラウンダーにクロスに合わせたのは遠野。
シュートはGK白井を弾き、勢いそのままにゴール内に転がってゴール。
一気に同点に追い付き、歓喜の雰囲気一色になるベスト電器スタジアム。

ここで勢いそのままに逆転を狙いたかった福岡ですが、以降は金沢に流れを切られ、アディショナルタイムを迎えます。
そしてAT1分頃、大橋のカットから金沢が速攻、山根→大石→加藤と渡りエリア内でGKと一対一を迎えます。
加藤はドリブルでGKセランテスをかわしますが、戻って来た上島に奪われシュートは撃てず。
その後も金沢が押し込んでいき、疲労を見せる事無くチャンスを作っていきます。
疲労の蓄積といっても主に守備でエネルギーを使っていたため、攻めたいという欲で忘れる事が出来ていたのでしょうか。

そしてラストプレーで右CKを得た金沢。
キッカー藤村のクロスはニアに入り山根が頭でフリックと、2点目の再現というような攻撃を描き、作田がヘディングシュート。
しかし寸前でブロック(輪湖?)に阻まれ、尚も加藤が詰めてシュートするもGKセランテスが足を出してセーブ。
最後に最もゴールに近づいたものの、勝ち越し点が生まれる事はありませんでした。

2-2で引き分けに終わり、福岡にとって最悪の事態は免れたという試合。
それでも勝利した長崎との勝ち点差は2となり、残り3試合でどう転ぶか分からない状況に持ち込まれました。
前回の昇格はプレーオフで勝ち抜いてのものでしたが、それが出来ない今季は2位の座を死守する事は必須。
果たしてどんな結果が待ち受けているでしょうか。


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