ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2020年J2リーグ第11節 アビスパ福岡vs東京ヴェルディ

2020-08-13 17:07:29 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の福岡の記事はこちら(3節・長崎戦)
※前回のヴェルディの記事はこちら(9節・長崎戦)

7節までで4勝(1分2敗)と、昇格に向けて順調な滑り出しとなった福岡。
しかしここから様々な事象が起こり、一筋縄ではいかなくなっています。

9節が急遽中止となり、J2初のウィルスが原因による中止という事態でしたが、その感染者が中心選手の前という事で選手編成も混迷気味です。
その前の8節(愛媛戦)では、FWのフアンマ・デルガドに故障が発生し途中交代。
この試合では、三國ケネディエブスをFWとして終盤に起用する「奇策」が大当たりして引き分けに持ち込みましたが、2週間空いた10節からは重廣・石津も欠場(原因は不明)と苦しいやり繰りを強いられていきます。

そしてこの日、ドウグラス・グローリが復帰しセンターバックに入ったものの、ボランチに藤井を起用。
前節からスタメンで使われている北島も含め、新顔を抜擢する事で頭数を揃えていこうという思惑が窺えます。
藤井は横浜FCからの移籍選手で、横浜FCではチーム成績が上向くにつれて存在感が小さくなっていきました(前年は5試合のみ)が、新天地で飛躍できるか。

試合が始まり、立ち上がりは敵陣右サイドで増山が、リフティングでボールをキープする一幕が。
この増山も神戸から今季福岡へと働き場を移している選手(但しレンタル)で、控え組では早めにスタメン機会を貰い、定着しつつあります。
前半9分には、鈴木の左サイドからの低いクロスを、走り込んでトラップからシュート(枠外)という場面も。

しかしこの日の相手は、ボールポゼッションに定評のあるヴェルディ。
序盤はこの増山の見せ場以外は、ヴェルディにボールを握られるという、戦前の予想通りの展開に。

ただこの日のヴェルディは、ロングボールも交えての入りを見せます。
そしてビルドアップも、前回観た時とは一変。
3バック化しての組み立ては変わりませんでしたが、前回は主に左サイドバック・福村が前方に張り出して変形していたのが、この日は右の奈良輪が前に出る形が主になっていました。

そして変化の効果か、先制点に辿り着いたのは11分。
藤田譲瑠チマがパスカットを見せると、そのままドリブルで持ち込んで中央に位置取っていた小池へパス。
すると小池はフリックでエリア内へ送り、そこへ佐藤が走り込みフリーでシュートを放ち、GKセランテスの左を抜いてゴール。
ここ2試合無得点だったたチームを目覚めさせる一撃を放ちました。

対する福岡、以降は左サイドからの攻撃を軸にして反撃に出ます。
左サイドハーフに入っている北島が躍動し、敵陣でのパスカットからゴール前に迫ったりもしましたが、決定機には至らず。
左SBの輪湖の跳梁もありヴェルディを押し込み、コーナーキックを多数得たものの、失点後シュートを撃てないまま飲水タイムへ。

その後も福岡は押し込むものの、シュートはフリーキックからの、CBグローリのヘディングぐらい(ゴール左に外れる・30分)。
一方押され気味のヴェルディは、この時間帯から再びビルドアップを変更。
左の福村が前へ出るようになる従来の形へと動いてきました。
そして以降はヴェルディのターンに。

それでもポイントで奈良輪が攻撃に絡むシーンが多々。
32分、チマのロングパスを奈良輪が右サイド奥で受け、一旦は福岡・北島に対応されるもライン際で奪い返します。
そしてカットインでエリア内に入るも、福岡・輪湖にスライディングで奪われ攻撃終了。
しかしこの「左重視の形の中、右から仕掛ける」というギャップが、追加点の伏線となります。

42分中央で若狭→佐藤→小池→井上と渡り、井上がダイレクトでエリア内右へとスルーパスを出すと、そこに走り込むのは奈良輪。
しかし福岡・北島に倒され、笛が鳴り反則。
辛うじてエリアの手前でPKとはなりませんでしたが、良い位置で得たFK。
佐藤と福村がキッカーの位置に立ち、福村がクロスを入れると、中央でヘディングシュートを放ったのは小池。
ゴール中央という甘いコースながらもゴールに突き刺し、欲しかった追加点ともに、小池自身も今季初ゴールとなりました。
良い時間帯で2点差となり、そのまま前半を終えます。

中継でも度々触れられていましたが、福岡・長谷部茂利監督とヴェルディ・永井秀樹監督は、若かりし日は共にチームメイト。
それもヴェルディの黄金時代という、中々自分の存在感を示すのが難しい中での事でした。

永井氏はいち早くヴェルディから移籍し、福岡のJリーグ昇格に貢献する活躍をしますが、福岡(弟・永井篤志氏も在籍)でJリーグを戦う事は無く清水に移籍。
その後もフリューゲルス最後の天皇杯制覇に加わっていたり、(合併によりマリノス在籍を挟み)ヴェルディに出戻りしたと思ったらいつの間にか大分に居たり、再びヴェルディに戻ったりと忙しい歴史。
失礼を承知で「フラフラと移籍を繰り返す」というのが、自分の永井氏に対する正直なイメージとなりました。
それでも選手寿命は相当に長く、最後はヴェルディで引退(4度目の在籍・2014~2016年)を果たし、現在に至る事に。

一方の長谷部氏も、ヴェルディの厚い壁を破れずに4年目に移籍。
川崎へレンタル→神戸→市原(現千葉)という経歴を経たものの、永井氏より10年以上も早く引退と、現役に拘りはあまり見せなかった模様。
その反動か指導者としては息が長く、長らく神戸でコーチ業を務めた後、監督業は千葉でスタート(前任(関塚隆氏)の解任による代行)。
J2の中では一定の評価を得て、現在は3クラブ目の福岡で指揮を執っています。

永井氏が「前年にS級ライセンスを獲り、その後すぐに監督就任」という経歴(一応2017年からユースで監督は務めていた)なのもあり、何処と無く「勤勉な長谷部氏・行き当たりばったりな永井氏」という対比のイメージを持ってしまいます(自分が)。
それでも現在の永井氏は、理想をチームに落とし込むのに苦労を重ねているように映り、上記の現役時代のイメージからは一変した印象です。
かつてのJリーガーが、監督として戻って来るという流れが普遍的になりつつある現在。
そんな姿を追い掛けるのは趣深くあります。

さて後半、ビハインドに立たされた状況を受け、福岡・長谷部監督は頭から3枚替えを敢行。
藤井・北島・森本→田邊・福満・遠野と交代し、反撃の狼煙を上げんとします。(いずれも同ポジションでの交代)

その意気込みの通り、立ち上がり攻勢に出る福岡。
後半2分右サイドからのCKで、キッカー鈴木のファーサイドへのクロスを遠野がボレーで合わせますが、シュートは惜しくもサイドネット。
5分には再びCK、鈴木は中央へクロスを入れ、上島がヘディングシュート。
これをGKマテウスがセーブ、こぼれ球をさらに湯澤がヘディングで押し込みますが、バーを直撃して落下したボールはライン上に落ちたとされてゴールならず。
10分間で4度CKを得るなど、ヴェルディを押し込んでいきます。

一息つきたいヴェルディは、11分に小池→山下へ交代。
すると12分、右からのスローインで、端戸→佐藤→井出→井上と繋いで左サイドへチェンジ。
そして井上のスルーパスで福村がエリア内左へ抜け出し、福村のグラウンダーのクロスがニアサイドに入り、佐藤が合わせてゴール。
交代の効果があったかは不明ですが、完璧な流れで仕留め、リードをさらに広げました。

窮地に立たされた福岡は、13分に再び交代。
8節に同点ゴールを挙げた三國を起用(城後と交代)する勝負手を打ち、突破口を図らんとします。
三國はDF登録ですが、高校時はFWでスタートし、その後DFへ転向したという経歴の持ち主。
よって今季2年目であるプロではどちらでいくのかまだ不透明なのもあり、長谷部監督が今後もFWで育てていく腹積もりなのかも不明ですが、現状はジョーカー。

その後も攻める福岡、23分には増山→東家と交代し、早くも5枚の交代枠を使い切り。
ようやく実ったのが飲水タイムを挟んだ29分で、相手のビルドアップを遠野がパスカットに成功し、そのままドリブルシュート。
ゴール右に突き刺し、ようやく1点を返します。

直後の30分も、遠野が中央をドリブル突破しPエリアに迫る場面が。
ここは横パスを選択し、受けた福満が左からシュートを放つもGKマテウスがキャッチ。
尚も反撃姿勢を見せますが、ビハインドはやはり重かった。

その後ヴェルディも奥深さを発揮し、33分に福村・端戸→澤井・森田へと2枚替え。(奈良輪が左SBへシフト、澤井右SB・森田FW)
以降攻撃機会は激減したものの、43分にカウンターで好機。
クリアボールを収めた森田、スルーパスをエリア内に送り、受けた山下が切り返しからシュート。(GKセランテスキャッチ)

この直前に、井出・井上→山本・阿野と再び2枚替えをしていたヴェルディ。
阿野はこれがデビュー戦となり、まだ高校2年という飛び級組。
44分には右サイドで攻撃の組み立てに絡み、クロスを上げるシーンを見せた阿野。
思えば現在登録上1ボランチでレギュラーを張っているチマも、前年ユースの立場でデビューを果たし、今季の飛躍に繋がった選手です。
先日藤本が海外移籍となるなど、新戦力を育てても早期移籍してしまう状況にもめげず、選手抜擢の手を緩めない姿には拍手を送りたくなります。

最後はヴェルディがボールを持っても、コーナーでキープする場面を作る逃げ切り体制に。
そのまま1-3で勝利し、連戦最中での苦しい試合をモノにする事に成功しました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2020年J2リーグ第1... | トップ | DAZN観戦 2020年J2リーグ第1... »

コメントを投稿