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DAZN観戦 2020年J2リーグ第9節 V・ファーレン長崎vs東京ヴェルディ

2020-08-06 12:09:04 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(7節・京都戦)
※前回のヴェルディの記事はこちら(6節・千葉戦)

未だに無敗を続けている長崎、「何処がこのクラブを止められるのか」という事に焦点が集まりつつあります。
前節・山口戦も、際どい試合を2-1で勝利。
圧倒的な強さは感じないものの、地力の強さを痛感させるようなロースコアでの勝利の連続を見せています。

これを止められるのは、思い切り弾けたサッカーをするチームしかない。
つまり極端に守備重視を貫くチームか、その逆の攻撃力に長けたチーム。
そんな事を考えていたので、この試合は個人的に凄く興味を持って視聴しました。
ポゼッションサッカーの神髄ともいえるヴェルディこそ、攻守両面で強さを発揮する首位・長崎に土を付ける可能性が高いのではないか、と。

3連戦の最後という事で、福村・山下・小池・森田と「何試合ぶりかのスタメン」を飾った選手が多かったこの日のヴェルディ。(森田はこの日が初スタメン)
端戸がスタメン落ちしたCFには、今季様々なポジションをこなしている井上が登録上入りました。

結果的に、ヴェルディの攻撃の大部分が左サイドに終始したというスタッツが残ったこの試合。
全体の64%もの割合で左サイドを使っていたのですが、最後まで得点には結び付きませんでした。

前半は、まだどちらのサイドからも攻めようという意識は見えていたと思います。(それでも左51%と多かったが、右も37%)
攻撃時は若狭・高橋・平の3センターバックによるビルドアップ。
守備時に左SBの位置に入る福村が上がり目になって……というのが基本形ですが、これが左偏重になるそもそもの下地。
ただ、それだと明らさますぎるため、チーム全体に右も織り交ぜていく意識が生まれていたという事でしょうか。

前半10分は中央でのパスワーク、ボランチの藤田譲瑠チマから井出→チマ→井上→山下と渡り、最後は井上がエリア手前からミドルシュート。(枠外)
いかにもヴェルディらしいショートパス攻勢をシュートに結び付けたものの、その後は長崎ペースに。
11分に富樫が、13分にコーナーキックからフレイレがヘディングシュートを放ち(いずれも枠外)、ポゼッションのヴェルディvsシュート数の長崎という色を醸し出さんとします。

15分に、左サイドから井出がカットインからシュート(ブロック)という攻撃を見せた後の17分。
一旦最終ラインから左に送ったものの、福村から戻されると今度は高橋縦パス→森田から右に展開。
若狭→小池→森田と渡った後、森田がドリブルで仕掛けるもこぼされて攻撃終了。
その後同じく17分、高橋のグラウンダーのパスを受け取った小池(登録上は右ウイングバック)、森田とワンツーで前進して奥からクロスもブロックされてCKに。
そんな具合に、この時間帯は右からの攻撃を見せていたヴェルディ。
しかし次のCKが長崎のカウンターを誘発してしまい(ショートコーナーで変化を付けたのが仇に)、富樫が左サイドで拾ってドリブルで中央へ→澤田エリア内右へ切り込み→グラウンダーでクロスと攻め込まれ、富樫がシュート。
ブロックしたこぼれ球を大竹がヘディングにいくも、触れる前にGKマテウスがパンチングでクリア、しかしこぼれ球に名倉が走り込んでシュート。
GKマテウスが横っ飛びで辛うじて手に当て、左ゴールポスト直撃という危機に。

長崎もカウンター一辺倒という訳では無く、しっかりと後方でビルドアップするいつものサッカーを展開。
ただヴェルディの前線の守備を警戒してか、この日は常に最終ラインが3枚の「丁の字型」のビルドアップを貫いていました。

それでもポゼッション能力はヴェルディが上回っていたこの試合。
27分は左右を満遍なく使うパス回しののち、突破口となったのは小池の右→中央へのパスを、井上がポストプレイの体制でエリア内右へ。
走り込んだ森田からのグラウンダーのクロスが入ると、井出が合わせてシュートしますが惜しくもゴール左へ外れ。
この場面と、その前の17分の後の方の場面。
左サイドでは福村が上がったり下がったりを繰り返しており、可変式というシステムを如実に表していました。
攻撃時にも3バック・4バック双方を変更しているのでしょうか。

その後はロングパスも交えて攻撃を繰り広げたヴェルディですが、さしたるシュートは撃てず。
長崎も、42分にカウンターから名倉がエリア内左でシュートを放った(ブロック)ぐらいに留まり、膠着状態となりつつ前半を終えます。

後半頭に、ヴェルディは小池・森田→端戸・佐藤と2枚替え。
小池と森田は右サイドから攻撃を組み立てる役だっただけに、この交代が左偏重の主たる要因となったでしょうか。
端戸がセンターフォワードに入る事で、山下が右に移り、井上が左。

この布陣変更を下に、後半のヴェルディはやり方を変えていた節が。
若狭が右サイドバック・福村が左SBの位置取りという、普通の4バックの体制を変えず、両SBを上がり目にしての2CBとボランチによるビルドアップを主としていました。

後半立ち上がりはヴェルディが一方的に攻撃。
攻撃も守備も4バック状態とした事で迷いが消えたのでしょうか、前半以上にボールを支配していきます。
しかし迷いが消える=ストロングポイントによる攻撃に偏るという事でもあり、これも左サイドに攻撃が傾いていく遠因となったように思えます。

押し込んだ影響もあり、増えていくセットプレーからシュートチャンスを作ったヴェルディ。
後半4分、左からのCKでキッカー佐藤のクロスがGK徳重にパンチングされるも、井上がエリア内で拾ってシュート。(GK徳重キャッチ)
11分は直接フリーキック、左ハーフレーンでエリアからはすぐ近くという位置で、佐藤が直接狙いますが惜しくもゴールの上。
その後は流れの中からも、16分に左からの福村のクロスがクリアされたボールを、端戸がダイレクトシュート。(ブロックされる)

ヴェルディペースな試合展開を受け、長崎は18分に2枚替え。
名倉・大竹→加藤・氣田へと交代し、澤田が左SH→右SHへとシフトと、2列目を弄ってきました。
以降はヴェルディがチャンスを作れずにいると、21分に長崎がカウンター。
加藤のパスを受けた澤田が右サイドに流れつつドリブルし、奥で切り返してエリア内に。
そして中央の富樫にパスを送ると、受けた富樫は反転シュートを炸裂させるも、若狭のブロックに阻まれゴールならず。
これで流れを取り戻した長崎、以降飲水タイムまでペースを握り続けます。

そしてヴェルディは山下→藤本へと交代(30分)。
右サイドの顔ぶれが当初から二転三転し、藤本に落ち着いたといった所でしょうか。
しかし藤本は中央に絞ってのプレーを主とし、そして左サイドへパスをするだけという役回りに終始した感がありました。

逆に長崎は36分に絶好機。
ルアン(カイオ・セザールと交代で出場、33分)の右からのクロスがクリアされた後、秋野が拾いエリア手前から遅攻の構え。
そして亀川・加藤とパス交換ののち、いきなり縦パスをエリア内に送ると、氣田が受けてシュート。
ブロックされたものの、ギアの上げ方が素晴らしいと感じたプレーでした。

次第に閉塞感が漂ってきたヴェルディ、37分に井出→新井に交代。
新井は左サイドに入り、攻撃を活性化させる役割を担いました。(恐らく井上がMFに下がったのだろう)
その期待に新井は応え、ドリブルを交える事で再び攻勢に。
39分、平からの長いパスを受け取った新井はドリブルで奥に進入し、そこからパス交換ののち藤本が井上とワンツーでエリア内へ。
そしてグラウンダーで折り返すも、ニアで二見にクリアされて惜しくも合わず。
40分には藤本が右からカットインしたのち左へパス、これを受けた新井はエリア内へカットインすると、長崎・毎熊の足に引っ掛かって倒れてしまいます。
そして笛が鳴り、一瞬PKかと思ったものの、判定はシミュレーションで新井に警告。
前年在籍していたジャイルトン・パライバの如き強引な突破を見せた新井ですが、同時にこれで決定的に左サイド偏重が固定された感もありました。

そんな空気に長崎サイドも対応し、シミュレーションの直後(41分)に右SBを交代(毎熊→米田)。
フレッシュな選手を入れる事で、ストロングポイントを消しに掛かりました。

その後も新井のクロスから端戸がヘディングシュートを撃ったりした(枠外)ヴェルディですが、次第に交代効果が表れてアディショナルタイムは長崎ペースに。
しかし長崎もここから得点出来る空気を作るには時間が足りなく、FK・CKを一本ずつ得たのみで、スコアレスのまま試合は動かず。

期待通りにポゼッションという点では長崎を上回ったヴェルディでしたが、得点を奪うには至らなかった。
左サイド偏重の攻撃に至るには様々な事が絡みましたが、最も気掛かりだったのが右サイドが働き場である小池。
前年は右ウイングでガンガン得点に絡んでいた(16得点)だけに、今季は8試合出場(スタメン6試合)で未だ無得点というのは寂しい限りです。
既にベテランの域で、過密日程もあり長い時間出場する事も少なくなっていますが、何とかもう一花魅せてもらいたいものです。


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