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DAZN観戦 2020年J2リーグ第11節 ギラヴァンツ北九州vsツエーゲン金沢

2020-08-15 16:32:24 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の北九州の記事はこちら(5節・京都戦)
※前回の金沢の記事はこちら(4節・甲府戦)

4連勝と波に乗っている北九州、順位的にも3位(暫定)にまで上がって来ました。

ここで立ちはだかる難敵が連戦続きの日程で、サッカーの練度を上げるためとはいえ、今季はメンバー固定の傾向もあった北九州。
それがこの日は前節から8人を入れ替えと、思い切っての起用を見せてきました。
そのうち初スタメンは3人のみ(内藤・永野・藤原)ですが、とりわけドイスボランチの永野・藤原のコンビが目をひきました。
重要なポジションを任された2人の働きぶりが気になる所ですが、ここまで非の打ち所の無い結果を出している小林伸二監督、その舵取りを信じて観てみる気にさせてくれます。

そんな上り調子の「J3上がり」のチームにこの日相対するのは金沢。
前節・愛媛戦は、0-3からの大逆転勝利を達成とこちらも勢いを持って臨む状況。
チームを率いているのは今季4年目となる柳下正明氏と、小林氏と並ぶ歴戦の名将です。

小林氏が「昇格請負人」という二つ名が付く程、率いたクラブを昇格させている(今回の北九州で5度目)のに対し、柳下氏は逆にJ1の凋落傾向のクラブを踏み止まらせるのが目立っています。
札幌の監督(2004~2006年)を務めた後、磐田でのコーチ業を経て2009年に監督に(2003年に一度務めており、2度目の就任)。
前年は入れ替え戦で最後の最後に残留したという有様だった磐田でしたが、3年間J1で中位をキープし、タイトル(ナビスコカップ・2010年)も獲得。
3年で退任した後、2012年途中から残留争いの渦中にあった新潟の監督に。
その年に最終節でJ1残留を果たしたのち、これまた3年間J1に踏み止まらせたうえ、2013年にはクラブ最高の勝点(55)を達成する活躍を魅せます。
磐田・新潟いずれも柳下氏退任の後、2年後に降格してしまっている辺り、その実力が伺い知れるでしょう。

そして再びJ2へと働き場を変えましたが、金沢監督就任当初も、前年は入れ替え戦でJ2残留を果たすという状況。
「建て直し屋」としての手腕が買われたのは明白で、その通りに1年毎にステップアップを見せていく金沢。

既に監督業も大ベテランという域の両名、リーグ戦でぶつかり合うのは2014年のJ1以来でしょうか。(小林氏=徳島・柳下氏=新潟)

メンバーを大きく変えてもやる事は変わらない北九州、いつも通りに攻撃時は最終ラインを3枚にしてのビルドアップ。
ただしこの日は若干迷いがあったか、当初は最終ラインに降りて来るのは藤原でしたが、前半も半ばになってその役割は永野にチェンジ。
そして後半は再び藤原になっていましたが、この迷いの分、いつもよりはSB(右・野口、左・永田)が下がり目な気がしました。

相手はマンマーク重視の金沢で、相手の出方を伺うという思考もあったでしょう。
そのため序盤は金沢ペースで展開。
開始早々にルカオが足を痛めて途中退場(加藤と交代)というアクシデントに見舞われましたが、それでも気丈にゴールを脅かすシュートを連発していきます。

16分、大橋の縦パスが北九州・村松にカットされるも、その村松のパスを自らカットして右に展開。
受けた長谷川の低いクロスに加藤が走り込んでボレーシュート、しかしGK永井のセーブに防がれます。
18分には藤村が相手のフィードを跳ね返し、これを受けた下川がエリア内に進入し、そのままシュートするもGK永井がキャッチ。
32分はGK白井のロングフィードを好機に繋げ、加藤前へヘッド→下川トラップ→杉浦恭平と渡っていき、杉浦恭がエリア内やや左からシュート。
しかしまたもやGK永井がセーブし、跳ね返りを島津がボレーシュートで追い撃ちしますが、ボールはゴール上へ。

北九州は中々シュートチャンスを作れず、ポゼッション重視のチームのドツボに嵌り込むような前半の戦い。
シュートは15分、永田の縦パスを受けた内藤がドリブルからシュート、ブロックされたボールを鈴木が再度シュート(枠外)というポゼッションとはやや無縁な攻撃から。
しかし何度もチャンスを作る金沢も決定機を活かせずにいると、終盤になり試合は動きます。

39分、川上の右→左へのサイドチェンジのパスを、永田がダイレクトで前方へスルーパス。
走り込んで受けた内藤がエリア内左に進入、グラウンダーでクロスを入れると、池元が合わせてシュート。
やや遠い位置ながら、綺麗にゴール右へと突き刺した池元。
要所でダイレクトプレーを選択した永田の巧さを、見事ゴールに繋げて先制した北九州。
直後の40分にも、永田クロス→鈴木ボレーシュートとシュートシーンを作り、これでペースを取り戻したかに見えましたが落とし穴が。

42分に藤村がスライディングでボールをこぼし、長谷川が拾って金沢の攻撃開始。
杉浦恭が右サイドから低いクロス、ゴールに向かっていくボールを、ニアサイドに加藤が飛び込んで触るシュート。
失点後の最初のチャンスをモノにし、試合を振り出しに戻します。
その後は双方チャンスを作るも、シュートシーンは生まれず前半終了。

後半立ち上がり、早速1分に北九州がチャンス。
左サイドで縦パス攻勢、永田浮き球→内藤ポストプレイ→池元縦パス→鈴木左へポストプレイと繋いでいき前進、受けた永野がドリブルからクロス。
新垣が合わせにいくもシュートは撃てずで終わりましたが、人に付く守備の金沢を崩すため、FWの降りを積極的に交えていく姿勢が見えたシーン。

それでも前半同様に金沢の決定機が目立った序盤。
2分、敵陣で藤村のパスカットから、杉浦恭がエリア手前中央でシュートするもGK永井がセーブ。
5分にも敵陣でパスカットした大橋から杉浦恭→加藤フリックでチャンス、走り込んだ杉浦恭がシュートしますが、北九州・村松がスライディングでブロックして何とか防ぎました。

ドイスボランチの藤村・大橋の積極的な守備から好機に繋げていった両シーン。
今季これまで全試合にフル出場の藤村と大橋のコンビ、金沢のサッカーに欠かせない存在となっています。
しかし今季は過密日程故どこかで崩さない時がやって来るのは明白で、この日途中でそれを敢行したものの、結果として裏目に出てしまいました。

その後は北九州が攻撃機会を増やし、シュートチャンスも作りますが、一種の膠着状態に落ち着いていきます。
後半も序盤(15分)が過ぎ、双方交代を考える時に。

まず動いたのは北九州で、17分に3枚替え。
休ませていた國分・高橋大悟・町野を一挙に投入する采配を見せる小林監督。(永野・内藤・池元と交代、新垣が右サイドハーフ→左SHへ)
代役ボランチとしては中々の働きだった永野ですが、勝負所では本職の力(國分)が必要だと判断したのでしょう。
レギュラーボランチの國分は最後方に降りる役を相方に任せ、その一列前でパスを散らす選手。
主たる相方の加藤がフィードに特徴ある選手故この役割は当然でしょうが、この日は藤原が相方でどうなるか。

一方の金沢も19分、大橋・島津→高安・窪田と2枚替え。
ここで大橋を下げるという決断を下し、下川がボランチへ。
また本職は右SBの高安がこの日は左SH、空いた右SHに窪田が入るという目まぐるしい動き。
SHは人材豊富なものの、盤石の信頼を置ける選手が居るかとなると疑問符が付く金沢の現状。(金子や大石、山根はベンチ外が続いているが故障?)
またSBには長谷川の復帰・渡邊の移籍加入で層が厚くなり、下川や高安がSHの争いに参戦しているのもあり、混沌という言葉が似合う状況となっています。

双方交代を交えると、先にペースを掴んだのは北九州。
20分、藤原のボール奪取から町野が右サイドをドリブルし、ラストパスを中央で受けた新垣がエリア手前からシュート。(GK白井キャッチ)
良い形を作ると、その直後の21分でした。
右ハーフレーンを主に川上→國分→野口→町野と繋いでいき前進、高橋大がエリア手前中央で入れ替わりで受けると、思い切って左足でシュート。
ボールは豪快に左ポストを叩いたのちゴールイン、勝ち越しに成功した北九州。

23分に金沢のシュート(窪田が遠目からシュート、枠外)を挟み、飲水タイムに突入。
その後も北九州の動きが良く、中々反撃のチャンスを作れない金沢。
30分に最後の選手交代、杉浦恭→本塚(特別指定)へと代え、窪田FW(セカンドトップ?)・高安右SHへと再び複数のポジションチェンジ。
同時に北九州も、新垣→佐藤亮へと交代。

この交代以降、ようやく反撃体制に出れた金沢。
圧力を強めてペースを握り、攻撃機会を掴みます。
しかし守備を固める北九州に対し、今までのようにゴールを脅かすようなシーンは殆ど作れなくなりました。

35分、左サイドのスローインからパスを繋ぎ、高安のパスを受けた本塚がエリア内左奥へ切り込み。
そしてグラウンダーでクロスを入れるも、GK永井が飛び込んで弾き何とか防ぎます。
GK永井を脅かしたのはこれぐらいだったでしょうか。

終盤を迎え、攻められっぱなしだった北九州も好機。
40分にはカウンター、斧澤(鈴木と交代で出場・39分)がドリブルで駆け上がり、彼のラストパスを受けた佐藤亮がエリア内からシュート。(ブロック)
43分にはGK永井のロングフィードからチャンス、佐藤亮がドリブルで右に流れた後、エリア手前でカットイン。
そしてシュートを放つもGK白井がキャッチ。
最後まで守備一辺倒という風にはならず、その後の金沢の攻撃もいなして無事に逃げ切り。

今までのサブ組が試合を作り、後半途中からレギュラー組の起用で勝利に突き進んだこの日の北九州。
これで5連勝と、好循環が止まらなくなってきました。


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