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DAZN観戦 2022年J2リーグ第28節 モンテディオ山形vsザスパクサツ群馬

2022-07-27 18:54:34 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の山形の記事はこちら(23節・仙台戦、1-1)
※前回の群馬の記事はこちら(22節・長崎戦、0-2)

<前節からの変更>

山形=出場停止明けの野田が、木村(FC東京へレンタル復帰との事)と入れ替わってセンターバックに。その他、山田康太(トップ下)に代わってチアゴ・アウベス(右サイドハーフ)が入り、國分が右SH→トップ下へと移る。ボランチの一角が小西→と、計3人変更。

群馬=3-4-2-1から、オーソドックスな4-4-2へ。(カッコ内は前節のポジション)高橋(左CB)・川上(右ウイングバック)・天笠(左WB)・加藤潤也(シャドー)・北川(FW)の5人を代え、岡本(プロ初先発)を右サイドバック・小島を左SB・岩上をボランチ・山根を左SH・平松をFWで起用。またベンチ入りは1人少なく、6人に留まる。

スタメン

過去10戦で9敗(1分)と、明らかに負けが込んできている状況の群馬。
最高でも3失点といずれも手酷い大敗という訳では無いものの、逆にそれが限界のような感じを醸し出しているようでもあり。
如何にチーム力を高め・纏めに掛かっても、バックボーンの乏しさから来る戦力的な上限は如何ともし難い。
そうこうしている内に本格的に始まる残留争い、前節はフォーメーションを弄るなど、「相手の良さを消して、最低でも引き分け」という戦いを繰り広げる覚悟が見られ。

一方の山形は夏の補強期間を活かした編成の微調整が盛んに行われ、アンダー代表に選ばれながら、クラブ内ではすっかりサブに落ち着いてしまった木村をレンタル期間の途中で返却。
その一方で樺山が再度育成型レンタルで加入したり、長期離脱の藤本に代わるFWとしてディサロ燦シルヴァーノを(レンタルで)獲得したり。
こちらは「自分達のサッカー」を貫く意識は徹底されている感がありますが、それ故の悩みは大きくなってきたようであり。

共に質は違うものの、悩み多き状態といったクラブ同士の戦いは幕を開け。
開始直後から果敢にプレッシングを掛けにいったのは群馬で、ポゼッションを高めんとする山形に対し攻撃の形を作らせず。
やはり降格の足音が聴こえつつある状況では、悲壮感は相手に比べて段違いとあり、悩みを振り払うように積極的な前プレへの傾倒を見せていたようです。

しかしそれも長くは続かず、前半7分に敵陣中央でボールキープする藤田が群馬・岩上に反則を受けた事から山形のセットプレー攻勢が始まり。(フリーキック→コーナーキック×2も、シュートは撃てず)
ここから山形の持ち味である攻撃サッカーが幕を開け、群馬はプレスにいくか、リトリートで自陣を固めるかを常に強いられる状況となります。
12分には右サイドから山形の攻撃、藤田のスルーパスを奥で受けたチアゴが柔らかいクロスを入れると、ニアサイドでディサロが合わせヘディングシュート。
意表を突く高い軌道のクロスでマーカーをかわして放たれたものの、ゴールポストを直撃してしまい、結果的にこの決定機逸が高くつく事にもなりました。

押し込まれる下地が出来上がったかのような群馬でしたが、救いは前節から復帰したボランチ・細貝の存在だったでしょうか。
要所での前に出てのボールカットが目立ち、ベテランならではの嗅覚を発揮し、容易に山形に流れを渡さなかったのが大きく。
そして23分、中盤左サイドで細貝がパスカットに成功すると、中央でパスを受けた平松がドリブルで持ち上がりそのままエリア手前からシュート。
GK後藤のセーブに阻まれるも右CKへと移り変わり、キッカー風間のクロスをニアで高木がフリックし、ファーサイドで受けた小島がすかさずシュートしてゴール上部に突き刺し。
CKの黄金パターンを完璧に演じきり、リードを奪った群馬。

ビハインドを強いられた事で、「相手の堅守をどう崩すか」という悩みが一層深くなった山形。
先程決定機を生み出したチアゴの居る右サイドからの攻撃が続き、そのチアゴはカットインからのシュート(25分・ブロック)・奥からマイナスのクロス(27分)といった、多彩な手数を見せ。

それを良く凌いでいた群馬ですが、33分に左サイドからのスローイン。
これを持ち前の長い飛距離で小島がエリア内へと投げ入れ、平松に収まったもののクリアされると山形のカウンターを浴びる事態となり。
加藤大樹のスルーパスを受けた國分がエリア手前右からシュートし、ブロックを掠めてゴール左へ外れと際どいシーンを作られてしまい。
これで全体委縮してしまったか、その後CKを経てのゴールキックで、GK櫛引が遅延行為を採られてしまい警告を受ける事となります。

直後の35分再び山形が右サイドでの攻撃から決定機、藤田の手前からのクロスをファーサイドで加藤大が折り返し。
これを國分がヘディングでネットに突き刺しましたが、加藤大の位置がオフサイドとなりノーゴール。
その後は一方的に攻撃権を握られる状態となり、必然的に積極的なプレッシングも影を潜める事となった群馬。
それでもこの時間帯に失点しなかった事で、以降(特に後半)リトリートの意識を強める開き直りが出来たのが良かったでしょうか。
逆に山形サイドは、42分に相手GKに詰めにいったディサロが、群馬・岩上と激突してしまった事でヒートアップ。
ビハインドかつ、自身が決定機をモノに出来なかった故の苛立ちで、余裕を無くしている感が露わになってしまい。
結局0-1のまま前半を終える事となりました。

ハーフタイムでの交代は無く迎える後半、山形の攻撃を受けまくる事が予想される群馬。
それを45分間ひたすら続けたうえで無失点でいるのは虫が良すぎるというもので、何処かで自身も攻撃し、追加点を窺わせる意識を振りたい後半戦。

後半2分、山形が早速右サイド奥からチアゴがマイナスのクロスを入れる(ニアにディサロが走り込むも撃てず)という得意手を見せ。
危惧が現実のものになるのではと思われた続く3分、敵陣左サイドで山根がボール奪取して前進、そのままクロスを上げてファーサイドで平松が合わせにいき。(GK後藤のパンチングで撃てず)
尚も5分には最終ラインから組み立て、左→中央→右へサイドを移しながら前進という理想の運びを経て、右奥から岡本のマイナスのクロスを岩上が合わせシュート。(枠外)
ゴールには結び付かずも、あくまでこちらからも脅威を見せる事で、相手の攻めを鈍らせるには効果があり。
15分には右サイドで風間がボールを握ると、わざとスペースへ出して山形に拾わせた所に、プレスを掛けて風間が奪う頭脳プレーを見せ。
そして平松が右奥からマイナスのクロス、ニアサイドで合わせにいった高木はミート出来ずも、中央にこぼれた所を山根がシュート(枠外)と絡め手で決定機に結び付けました。

一方攻撃権は握っていくも、前半とは打って変わって決定機には辿り着けない山形。
11分に早くも山田康の投入に踏み切ります。(チアゴと交代、國分が右SHに回る)
その矢先に、山田康が群馬・細貝に反則を受けて細貝に警告が与えられるなど、ピッチに立つだけでその存在が脅威の的となり。
以降細かなパスワークで巧みにハーフレーンを使っていき、サイド奥へと切り込んでいく山形の攻撃。

それでも群馬の守備は完全に崩れる事は無く、ゴールに辿り着けない山形。
21分に加藤大・ディサロ→樺山・デラトーレへと2枚替えを敢行、攻撃陣の顔ぶれを代えて目線を変えに掛かり。(群馬も同時に風間→奥村へと交代)
しかし以降、奥を突くスルーパスがズレたり合わなかったりするなど、リズムを失わせる結果となってしまいます。

一方の群馬も、専守によるダメージは深いようで、攻守に上下運動を強いられていた山根が28分に足を攣らせてしまい。
痛々しく担架で運ばれ、一旦は交代選手の用意をしていた群馬ベンチでしたが、大槻毅監督はそのまま山根を続行させる選択を取り。
この辺はいかにも大槻氏らしい舵取りとなり、その後ピッチに戻った山根、39分に限界を迎えて文字通り「ぶっ倒れるまでやる」事となりました。
守勢の中、小島の飛距離の長いスローインが一時の休息を与える一手として押し出され。

ボールを握りながらも中々ゴールを脅かすシュートを放てない山形、ようやく39分に右サイドでショートパスを繋ぎながらエリア内を伺う攻め。
そしてエリア内右で持った藤田がゴール左へのシュートを放つも、グラウンダーのボールは僅かに狙いを逸れてゴールポスト外側を掠めて枠外に。
これが後半最もゴールに近付いたシーンとなりました。
その後前述の通り山根が倒れた事で群馬ベンチが動き、山根・高木→天笠・山中へと2枚替え。
DF(左SB)の山中がFWに代わって入った事で、5バックシステムにシフトするかと思われましたが、山中はFWの位置に入って4-4-2のまま。
執拗にサイドからの攻勢を続ける山形に対し、機能している4-4ブロックのスライドはそのままにした方が良いという判断だったでしょうか。

以降もサイド攻撃からハーフレーンを突いて、エリア脇にスルーパスを送ってそこから短い距離のクロス、という得点期待値の高い攻撃を狙う山形。
43分にはそのパターンから、エリア内左での山田康の低いクロスをニアサイドでデラトーレが合わせるも枠を捉えられず。
その対とするように、左サイドでは樺山がカットインシュートを狙いにいくも、群馬の堅守に悩まされその機会は多くなく。
アディショナルタイムにようやくその矢を放った樺山ですが、シュートはゴール右上へ大きく外れ。
得意手をひたすら見せていく、まさに「自分達のサッカー」を貫く事は果たされたようでしたが、群馬の守備を崩しきる事はついにありませんでした。

群馬は最後の最後にCBの渡辺を投入(平松と交代)したものの、ここでもFWの位置に入る渡辺。
あくまでバランスを保つ事に努めたベンチワークで、見事そのまま逃げ切りを果たし。
実に12戦ぶりの勝利、しかもその間は圧倒的に敗戦が多かっただけに、群馬にとって感慨深い試合となったでしょうか。


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