ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2022年J2リーグ第23節 ベガルタ仙台vsモンテディオ山形

2022-06-27 16:02:37 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の仙台の記事はこちら(15節・長崎戦、2-0)
※前回の山形の記事はこちら(20節・琉球戦、4-0)

<前節からの変更>

仙台=前節からは3人変更。GKがストイシッチ→杉本・センターバックの一角が吉野→若狭・左サイドバックが石原→内田と、ディフェンス面の建て直しという意図が伺える変更。3日前の天皇杯3回戦からはGK杉本・若狭の2人が継続してスタメン。なお、長期離脱していた蜂須賀が(天皇杯でのスタメン出場を経て)今季初めてベンチに入る。

山形=前節負傷交代したデラトーレ、アンダー代表帰りの半田と様々な要因を踏まえての変更。デラトーレ・山田康太→河合・半田と2人代えたうえで、チアゴ・アウベスを右サイドハーフからFWへ、川井を右SB→右SHへと流用。河合はボランチでは無く山田康と同じセカンドトップ、半田は本職の右SBへと入る。

スタメン

負けられないダービーマッチも、2巡目という事で今季2度目。

この「みちのくダービー」のみならず、過去2年間で秋田・岩手がJ2へ昇格してきた事で、ひしめき合う状態になりつつある東北県。
それを踏まえて山形側の呼びかけで「奥州合戦」という新たなダービーマッチが生まれた(?)のは周知の通りですが、仙台はその輪には加わらず。
長年J1の地位を保っていたプライドがそうさせたのか、ないしは「すぐにまたJ1に上がる腹積もりなので無意味」と判断したのか。
確かに自動昇格圏を狙う立場と同一リーグ内であっても格上感はありますが、果たして昇格を逃してしまったら今後どうするつもりなのか。
フロントの見解が気になる所……とまあ、外野の勝手な憶測の域なのですが。

ともかく、今季2度目のダービーのキックオフの笛が吹かれたその刹那。
ロングボール→富樫フリックからのボールを受けようとした仙台・中山に対する、山形・松本怜大の挨拶代わりと言わんばかりの反則で、仙台がエリアからすぐ手前という位置でのフリーキックを得。
そしてキッカー中島が直接シュート(壁を直撃)という波乱含みの幕開けとなりました。

この反則のシーンはじめ、ターゲットへのロングパス中心に仙台が組み立てを見せた立ち上がり。
一方山形のそれは最終ラインで繋ぐ姿勢を見せるも、仙台のプレッシングに対してどうするかという問いを押し付けられます。
前半6分、河合の左サイドでのドリブルから好機が生まれ、中央でこぼれた所をチアゴがシュート。(枠外)
続く8分には仙台のプレスをGK後藤のミドルフィードで脱出しますが、中盤で奪われてチャンスには繋がらず。

この対立軸がどんな展開になるかと思われましたが、仙台も続く9分には右サイドを名倉がドリブルして好機を生み出し。
真瀬のグラウンダーでのクロスはクリアされるも、最終ラインに戻したのち逆の左から攻撃し、エリア内左へのスルーパスに走り込んだ中山から再びクロス。
ブロックに当たるも中央へこぼれ、真瀬がゴール眼前で合わせるもGK後藤がセーブし、さらに名倉が詰めてシュートするもこれも後藤がセーブ。
決定機を逃してしまった仙台。
一方の山形も12分にはGK後藤ロングフィード→加藤大樹フリックという好機の作り方で、チアゴからエリア内へスルーパスが送られ、加藤大グラウンダーでクロス→河合ニアで合わせる(枠外)とフィニッシュに繋げ。
お互い長短の攻撃を見せ合うという、ダービーマッチに相応しい絵図となります。

となると、両チームの差異は形の面でしょうか。
放送席(解説=田村直也氏)で語られていた通り、仙台はサイドバックが、山形はサイドハーフが幅を取るという基本の形。
そのうえで攻め方もやはり違いがあり、仙台は降格したてという事もあり、選手一人一人の実力は上回りを見せ。
選手同士の距離感は近めで狭い局面で繋ぐのを厭わず、それにより山形のプレスを密集させたのちに、逆サイドのSBへと展開するという手法が実に有効でした。
山形サイドはプレスを掛けるものの、仙台の技術溢れる細かなパスワークを前に奪えず、展開されて後手に回るシーンが目立ち。

一方山形の前進もサイドが中心ですが、こちらのパスワークは距離感をある程度長くとったうえでの展開。
仙台の強度に対し、囲まれるようにプレスを受ければ個の力で不利になる、という対照的な思惑が働いていたでしょうか。

ともに何度か好機を作るも、仙台有利な風に見えていた序盤戦。
そんな仙台に陰りが見えたのが27分、山形が仙台の攻撃を切ったのち、中央で受けた加藤大がドリブルで進んだのち左へスルーパス。
ここはシュートに繋がらずも、31分にも左からの縦パスを中央でポストプレイした加藤大から好機を作り。
この加藤大の中央でのプレーを、フリーにしてしまっていたのが拙かった仙台。(マーク担当は右SBの真瀬だと思われるが、サイドに張ったまま)

上記の好機からは、最後は加藤大のシュートがブロックされて終わった山形。
しかし結果に繋がるのは早く、32分に右サイドでこぼれ球を拾おうとした半田が仙台・中山に引っ掛かって反則。(倒れたのは中山の方だっただけに遠目からでは納得のいかない判定に見える)
これで得たFKからキッカー國分がクロスを送ると、山形選手の動きに釣られてラインを下げる仙台を尻目に、完全フリーとなっていた野田がボレーシュート。
綺麗にゴール左上を捉え、セットプレーから山形が先制点を挙げました。
仙台にとって綻びは一部(右サイド)でしたが、そこから全体が崩れるような感じとなり。

スコアが動いたのも束の間、再びの仙台のキックオフからの攻撃で、ロングボールを受けた中山が山形・松本怜に反則を受けるという開始直後のデジャヴのようなシーンが。
ここは右サイドからのFKだった(クロスはGK後藤キャッチ)ものの、続く36分には氣田がボールカットして中央突破する所を、かわされた山﨑が後ろから倒してしまい反則・警告。
これで中央・エリアからすぐ手前という絶好の位置での直接FKとなり、キッカー中島の直接シュートが壁の左側を抜けてゴールを襲い。
しかしGK後藤が横っ飛びでセーブし、得たリードを寸での所で守る山形。

以降も同点にせんと押し続ける仙台でしたがモノに出来ず、終盤は逆にひっくり返されるように山形の好機が目立ち。
右サイドで川井に裏を取られる事数度となり、跳び出してヘッドでクリアしたり(43分)、グラウンダーでのクロスを横っ飛びでキャッチしたり(アディショナルタイム)とGK杉本が忙しく。
仙台にとってはストレスも溜まり易い状況だったようで、45分にはチアゴを倒して反則を取られたレアンドロ・デサバトが、異議を唱えたという事で警告を受けるシーンを作ってしまいます。
結局0-1で前半が終わり。

ハーフタイムに、そのデサバトに代えてフォギーニョを投入。
試合を落ち着かせ、勝っている(であろう)選手のクオリティを活かしたい仙台。

懸念された山形・加藤大に対する真瀬の対応も、後半3分には松本怜のスルーパスに対してしっかり対応。
8分の川井の右→左のサイドチェンジのパスにも、加藤大の前でクリアする真瀬という具合に、ある程度修正が見られ。
その代わり高目の位置取りが消えるトレードオフを強いられ、低い位置から真瀬がドリブルを仕掛けるシーンも見られましたが。

右サイドがそんな状況故に、逆の左サイドがカギという定番を描く仙台。
山形がカウンター気味に攻撃を仕掛けるシーンが続いた立ち上がりでしたが、11分に仙台がフォギーニョのボール奪取から左サイドを前進、内田が奥へ切り込んでクロス。
ファーサイドで名倉の落としを受けた真瀬がシュートしたもののGK後藤がセーブ、尚も左サイド奥で拾った内田から上がったクロスを富樫がヘディングシュート、しかし枠を捉えられず。
波状攻撃を掛けましたが、ゴールを奪えなかった仙台。

13分にパスを顔でブロックした山形・チアゴが出血し、治療というタイミングで仙台がさらに動き。
氣田・名倉→遠藤・加藤千尋へと2枚替え、両SHを一気に交換するという手を打ちました。

前半同様に狭い局面でパスを繋いで崩さんとする仙台ですが、中央を守る意識が強まった山形の姿勢から、その舞台はサイドが目立ち。
19分に敵陣左サイドで長くパスを繋ぎ、中島からの斜めの縦パスをエリア内で受けた加藤千が浮き球を出すと、富樫がトラップからのバイシクルでシュートを狙い。
しかしクリアにいった山形・松本怜の頭部を蹴るという絵図になり、反則・警告を受ける結果(さらに4枚目で次節出場停止)に終わってしまいました。
一方の山形も無傷では済まず。(21分に河合→山田康太へと交代)
その松本怜は気丈にプレーを続けるも、このシーンの影響か23分に再び倒れ込む事態となってしまいます。
担架(頭部固定用)が運ばれ、山形ベンチも山田拓巳の準備を進めていたものの、プレイ続行可能という結果に。
立ち上がった松本怜に対し、仙台サポーターからのブーイングが上がった(それを仙台選手が静止するシーンも見られた)事で、以降の試合絵図もそれ相応のものへと流れていきます。(このシーンに合わせ、仙台は富樫→皆川へと交代)

28分には右サイドでロングボールを合わせにいった山形・川井が、仙台・内田と頭部同士で激突してしまい倒れ込み、仙台の反則に。(両者とも無事)
31分には山形がカウンター攻撃を展開し、右サイドからのチアゴのアーリークロスに加藤大が走り込むと、クリアにいった仙台・若狭がボールを抑えたGK杉本と交錯。
その結果こぼれたボールを山田康が拾う決定機となった所、フォギーニョが後ろから山田康を倒してしまう(あるいはGK杉本が山田康を引っ掛ける?)という防ぎ方をした仙台。(反則は無し)
痛む若狭を尻目に、PKでは無いかと抗議する山形サイドという珍妙な絵図となり。
そして続行不可能となってしまった若狭が担架で運ばれ、吉野が投入された仙台。

ダービーマッチ特有の空気を吸い込んだ結果といえばそれまでですが、反撃の機運を高めたい仙台としては歓迎するものでは無く。
36分に山形が右CKから松本怜がヘディングシュートを放ち、内田がそれをブロックして何とか防いだ仙台。
直後に國分→藤田へと山形が交代し、このまま逃げ切るかどうかという流れも漂い始め。

しかしピンチの後にチャンスあり、という格言の通りにここから仙台が反撃。
37分に左サイドからクロス攻勢、遠藤の2度目のクロスに中山が合わせヘディングシュート。(枠外)
39分には中央から前進し中島がシュート(GK後藤キャッチ)とフィニッシュシーンを作り、迎えた40分。
山形のパスの乱れをカットしたフォギーニョから攻撃、エリア内右でキープする中山からサイドチェンジが渡ったのち、遠藤のクロスをニアで収めたフォギーニョを経由して再度遠藤のクロス。
中央で皆川がボレーシュートで合わせ、GK後藤はこれもセーブするも、跳ね返りが皆川に当たりこぼれた所を中山が詰めてネットを揺らし。
波状攻撃をついに結実させました。

同点に追い付き、勢いに乗って逆転せんと攻めにいく仙台。
しかし直後の41分にはカウンターを受け山形が決定機、チアゴの中央突破からのラストパスをエリア内右で受けた川井がシュートし、仙台・キムテヒョンがブロック。
冷水を浴びせられた事で、まだどちらに転ぶか判らず。

その通りにオープン気味となる中、フィニッシュへの道筋を得たのは山形。(道中に川井・半田→新垣・山田拓へと交代)
43分には川井が右サイドからアーリークロス、中央でバウンドした所をファーサイドで加藤大が跳び込みヘディングシュート。(GK杉本キャッチ)
ATに突入するという所で得た右サイドからのFK、そこからの二次攻撃でボールを繋ぎ、藤田のロビングから山田康がヘディングシュート。(GK杉本セーブ)
ヘディングでゴールを狙う流れとなった山形ですが、山﨑の反則(ハンド?)でそれを失ってしまい、以降切り替わるように仙台の攻勢へ移り変わり。

右サイドでパスを繋いだのちに加藤千がクロスを上げる仙台、中山の折り返しを中央でトラップした皆川、既に退いた富樫のようなバイシクルで撃ちにいき。
しかし山形・山﨑に引っ張られて撃てずに終わり(反則無し)、何とかフォギーニョのシュートに繋げるもブロックされ。
エリア内での反則に見えるチャージで防がれた事で、(最後のCKがクリアされたのち)試合終了の笛が鳴った瞬間、ブーイングが再度生まれる事となり。
結局ダービー第2ラウンドは、1-1の引き分けに終わりました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« TV観戦 天皇杯 JFA第102回... | トップ | DAZN観戦 2022年J2リーグ第2... »

コメントを投稿