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DAZN観戦 2024年J1リーグ第33節 柏レイソルvs横浜F・マリノス

2024-10-08 16:13:24 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 柏ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 柏は、犬飼・戸嶋・手塚の3名が累積警告により出場停止。

事前に密かに話題となっていた、「9月無得点のクラブ」と「9月23失点のクラブ」との戦い。
月を変えてもこの流れを継続……とは必然的にいかなくなった、両クラブのぶつかり合いで何が起こるのか。

とはいってもマリノスの失点の多さは、ACL含めたカップ戦を総合してのもので、9月は柏の倍以上の試合数(7試合)をこなした結果という側面もあり。
10月に突入して行われた前試合のACL2節(蔚山戦、4-0)では、憑き物が落ちるかのような完勝。
切り替えに成功した、と証明するにはリーグ戦の勝利が欲しいところですが、その蔚山戦からスタメン9人入れ替えとターンオーバーが必至な状態にも陥り。
果たして「最弱の矛」に対し矢傷を負う事無く、退けられるかどうか。

ロペス・エウベル以外のメンバーを変えたマリノスに対し、柏も出場停止者3人と駒落ち感溢れるスタメン。
ただでさえ「サヴィオ抜きでは攻撃が成り立たない」と揶揄されがちな今季の戦いで、そのサヴィオにかかる期待と重圧は相当なものと推測され。

しかし前半4分、マリノスのパスミスから速攻に入り、白井のスルーパスを中央で足下で受けたサヴィオ。
そこを小池龍に倒されて反則、良い位置での直接フリーキックと、マリノスのターンオーバーに対し早くも不安を抱く入りとなり。
このFKもサヴィオが蹴り、放たれた直接シュートは壁に当たってゴール右へと逸れ。
するとその右コーナーもキッカーを務めるサヴィオと、早くも多岐に渡っての活躍をこの日も見せ付けます。(ここではショートコーナー→小屋松クロス→木下折り返しも不発)

マリノスのビルドアップの怪しさは、前回観た広島戦(2-6)から相当なものでしたが、この日も「柏のコンパクトな布陣に対しボールを持たされる展開」の域を出ず。
そして無理目な縦パスを撃ち込んでは反撃される、という負けパターン(この辺りは前年の同カードと類似)を綺麗になぞってしまいます。
9分、自陣で縦パス→ロペスポストプレイがディフェンスに遭いズレた所を細谷に拾われ、柏のショートカウンターに。
そして前進からサヴィオに繋げ、左ポケットを取ったサヴィオがカットインの姿勢からシュート。
ニアサイドの畠中とGKポープの狭い所をライナーでぶち抜く、見事という他無いフィニッシュでゴールネットを揺らします。
後手に回ったマリノス(ラストパスを送った細谷に、プレスバックしたロペスがチャージしてしまい警告というおまけもつく)に対し、早くもアドバンテージを得た柏。

その後、12分に柏が再びサヴィオがシュートを放つも、加藤蓮がブロックして防ぐとカウンターに繋げたマリノス。(井上が右サイドをドリブルからクロスも合わず)
しかしそれはあくまで例外で、殆どの時間を柏の4-4-2ブロックの攻略に難儀する絵図を築きながら過ごしてしまいます。
GKポープが前に出ての最終ラインでの繋ぎも、ボランチ(攻撃時は山村がアンカー的な位置を取る)を切る柏の2トップを動かす場面は殆ど無く、それによりサイドからの崩しは(サイドハーフとサイドバックで難なく対応するため)全く機能せず。
左サイドでエウベルが降りてボールを受けても、柏はそれに釣られる事無くゾーンを維持するのに徹し、加藤蓮が追い越す動きも効かず。

それでも、形式的には守勢を続ける柏が焦れたのか、20分辺りから自らボール保持を試み。
ゴールキックから短く繋いでプレス回避を図るも、それが悉く失敗。
特に21分はエリアからすぐ手前で榊原がボール奪取、その後エウベルがロペスとのワンツーで左ポケットを取ってシュート(ゴール右へ外れる)と、自らもショートカウンターの恐怖に晒されてしまいます。
これで勝機を見出したマリノス、26分にも敵陣浅めで榊原が奪い、中央を1タッチパスの連続で前進。
そしてロペスがペナルティアークからシュートを放つも、GK松本のセーブに阻まれ。

これを受けた柏はロングボール攻勢へと切り替え、再びマリノスにボールを持たせて守備陣を整える体制に。
再びそれを崩すのに難儀する展開となったマリノス、29分にGKポープ→畠中へのパスがズレ、細谷が詰めにいった所両者交錯して倒れ込み。
反則無しと判断され(映像的には畠中の反則に見える)、拾ったロペスがすかさずドリブルで中央突破と、動きが止まった柏の隙を突く好機に。
そしてミドルシュートが放たれるもGK松本がセーブと、運を絡めながら何とか同点を狙うという展開に。
36分、タッチラインを割ったかどうかという場面で(割っていないという判定に)柏が異議を示した所に、こぼれ球を拾った小池龍から攻撃。
パスワークで素早く中央を突き、ロペスがペナルティアークからシュート(ブロック)と、ここも同パターンでエースのフィニッシュに繋げます。

しかし全体的には、やはり柏リードというアドバンテージの差が表れ。
ゴールキックでロングフィード→木下フリックという黄金手から、敵陣で保持に入って時間を使う立ち回りは、決してポゼッションスタイルを貫くクラブでは無いながらもその重要性を理解しているものであり。
アディショナルタイムでもひたすらパスを回し続け、追い付きたいマリノスの気勢を逸らしながらリードを保つ事に徹し。
それにより結局40分以降、マリノスの攻撃機会は1度のみとなり、1-0のまま前半終了の笛が吹かれました。

どうにか巻き返したいマリノスは、ハーフタイムに動き榊原→ヤン・マテウスへと交代。
右ウイングに入るマテウスにより井上が左に回り、それによりエウベルが1列下がり。
そしてボランチを1枚削った事で、アンカーシステムの4-1-2-3へシフトと攻撃的な布陣を取ります。

この狙いは明白で、加藤蓮とエウベルのイマイチな連係から、左インサイドハーフに移ったエウベルと井上の連係へと切り替えを見せた左サイドアタック。
当然機能しない「偽SB」は影を潜め、ウインガー2人の槍を前面に押し出し柏の右サイドを崩しに掛かりました。

後半1分にいきなりGKポープロングフィード→井上裏へ走り込み→クリアボールを拾ったエウベルが左ワイドを抉ってクロスと、2人の連係らしき動きでCKを獲得。
クロスの跳ね返りから加藤蓮がミドルシュート(ブロックを掠めて枠外)と、フィニッシュとともに押し込む流れも手中に収めかかります。

3分にもエウベル→井上の1タッチでのパス交換で左サイドを突破し、左ポケットを取った井上が奥からクロス。
最初はブロックされるも拾い直してすかさず再度上げ、大外へ流れたボールをマテウスがシュート気味に折り返しましたが、ゴール前で古賀のクリアに阻まれ。
好循環が巡って来た……と思った刹那、クリアボールを拾ったサヴィオから始まる柏のカウンター、お返しとばかりに左サイドをドリブルで突き進むサヴィオ。
そしてエリア内で溜めを作った細谷の戻しを受けてミドルシュート(枠外)と、唯一無二のアタッカーの存在で天秤を戻す柏。

その後5分にそのサヴィオが足を痛めて倒れ込む(恐らくは接触無し)という、柏サイド一同が顔面蒼白となりかねない絵図が生まれてしまうものの、何とか続行可能の運びに。
10分マリノスのパスミスから攻撃開始、サヴィオが左で溜めを作ったのち逆サイドへ展開と、やはりサヴィオの動きからどう展開するかが決まるといった柏の攻め。
そして右ポケットから関根のシュートにも近い軌道でグラウンダーのクロスが入ると、ニアで木下・ファーで細谷がいずれも足で跳び込みましたがどちらにも合わず。
前線3人の助っ人が構えるマリノスと同様、攻めの鋭さなら負けていないという姿勢を示します。

12分、右サイドでパスを出し入れした細谷が加藤蓮にアフターチャージを受けて反則・警告。
攻勢を作り上げたいマリノスの焦りが露呈すると、そのFKでエリア内への放り込みが直接細谷に収まるという、後方の集中力を欠く絵図が生まれ。
右ポケットから放たれたシュートは(ブロックを掠めて)GKポープが何とかセーブするも、総員ベクトルが前に向く中でのエアポケットを突かれるのは避けたい展開となり。

17分にマリノスベンチは再度動き、小池龍・エウベル→渡邊泰基・天野へと2枚替え。
渡邊泰が左SBに入る事で、加藤蓮が右へと移るという具合にまたもポジションチェンジを絡め。
しかしエウベルが退き左サイドの突破力が削がれ、どう崩すかという難題を抱える事となり。
その結果、またもボールを持たされている状態に突入してしまいます。
山村が最終ラインに降りる、3枚での繋ぎという場面を増やして保持を安定させに掛かるも、今度は一列前の所で苦しむ事となり。
つまりは前へのパスを受けた所で柏のタイトな寄せに難儀するシーンが増え、結局ロクにボールを運べずと、手詰まり感漂うマリノス。

すると柏のシンプルな攻撃にも苦しめられ、23分にGK松本のロングフィードの跳ね返りを拾ったサヴィオがドリブルに入り。
そしてエリア内へのスルーパスに走り込んだ細谷がシュートと決定機が生まれるも、判断良く前に出たGKポープが全身でのセーブでこれを防ぎ。
直後の左奥からのスローイン(その前に柏ベンチは白井・木下→垣田・熊坂へと2枚替え)でも、ワイド奥の位置からサヴィオが果敢にシュートを狙い。
これもGKポープがセーブと、2点目はやらせずも、守護神頼みの展開という戦評が定着しかねない状態に陥ります。

その後も柏のCK攻勢にひとしきり脅かされた末に、27分に再度交代。
山村と植中に代えて西村とジャン・クルードへ2枚替えと、早くも5枚のカードを全て使いきりました。
以降広範囲を動き回るクルードを軸に、サイドに人数を掛けて攻め上がる姿勢を取るマリノス。
後半は上がる局面が少なかったSBも、30分にクルードからパスを受けた加藤蓮が右からカットインシュート(ブロックに当たり枠外)と、前線で好機に絡むシーンが膨らみます。

しかし後方の安定感の無さはこの日も健在で、32分に再びGK松本のロングフィード(ターゲットは細谷)、こぼれ球を渡邊泰がクリアミスしてエリア内へ。
そして拾った垣田のシュートをまたもGKポープがセーブと、攻撃力が衰えているにも拘らず、守備力の脆さは従来通りというアンバランスぶり。

そんなマリノスとは打って変わって守備面では集中を切らさない柏も、30分に山田が足を攣らせたのを皮切りに、細谷や小屋松が足を攣らせるという具合にダメージを露わにしてしまった30分台。
そして40分になる所で、小屋松・細谷→島村・熊澤へ2枚替え。
ボランチが手薄なため山田を残す選択をせざるを得ないという、天皇杯・筑波大戦を彷彿とさせるやり繰りを強いられます。

サイド奥を取っても、フィニッシュにはいかず保持を続ける柏。
完全にリードを守りにいくその体制を、何とか断ち切って反撃せんとするマリノスという終盤戦に。
それ以前の37分に、中央からマテウスミドルパス→左ポケットで井上折り返し→天野ヘディングシュートと決定機が生まれるも、ゴール前で古賀のブロックに阻まれ。
しかしその攻撃的なスタイルとは裏腹に、攻撃機会で柏>マリノスという展開を強いられたのは屈辱以外の何物でも無いでしょう。

目の色を変えて攻めるマリノス、両SBとも「偽SB」の立ち位置を取り入れるなど、全員で崩さんとする姿勢を見せ始め。
それでも柏は最後まで堅守を貫き、ボックス内を突かれてもすかさずのカバーリングで撃たせず。
結局完全な攻勢に入っても、ゴールの匂いは最後まで高まらずとなりました。

そのまま1-0で試合終了の時を迎え。
マリノスにとっては1点で済んだという展開ですが、それでも敗戦と事態の深刻さは極まりつつあり。
シーズン終了までに、脱する事が出来るかどうか。

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