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DAZN観戦 2024年J2リーグ第32節 横浜FCvs大分トリニータ

2024-09-23 16:01:59 | サッカー視聴記(J2)

※前回の横浜FCの記事はこちら(30節・愛媛戦、4-1)
※前回の大分の記事はこちら(26節・熊本戦、2-1)

<横浜FCスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • ユーリが累積警告により出場停止。
  • グエン・コン・フォンが海外移籍のためチーム離脱。(この日に移籍先(ベトナム2部・ビンフオックFC)が発表される)
  • 負傷離脱していた三田が復帰しベンチ入り。

<大分スタメン>

  • 前節(徳島戦、1-3)出場停止だった香川がスタメンに復帰。
  • GK新井栄聡がJ1・町田へ完全移籍となり、28節(岡山戦、0-0)をもって登録抹消。
  • ユース所属のGK南・平野の2名が2種登録選手となり、28節から登録される。

前回観た試合での勝利から一転し、またも未勝利街道をひた走る事となってしまった大分。
このままでは降格圏転落の危機で、クラブからお気持ち表明が行われる(試合現場では、憤るサポーターに対する説明もあったらしい)など、序盤戦の徳島を彷彿とさせる退潮ぶり。
一致団結を図って臨んだ前節ですがその徳島に完敗と、目も当てられないシーズン終盤戦になってきました。

そんな状況で首位クラブとの対戦を強いられましたが、前節は香川の欠場(+ペレイラの欠場明け)であまりにも歪な最終ラインになっており。
ウイングバック型の選手が3センターバックの左右を務める、脆弱な布陣では開始早々に失点を重ねるのはある意味道理。
当然修正が図られ、締め直しの効果をもってこの試合に臨めたのは良かったでしょうか。

開始早々、横浜FCはロングパスを受けにいった山根が(野嶽に)反則を受けた事で右ワイドからのフリーキックに。
キッカーは当然福森と、早くもその悪魔の左足へお膳立てをする格好に。
しかし大分サイドも、前半3分に中盤で弓場が小倉に倒された事でFK。
遠目ながらも放り込みを選択し、そのキッカーは野村と、古巣・横浜FCのファンにとっては懐かしい姿が。
第1クォーターは、その福森(FK3度)と野村(FK2度・コーナー3度)のキッカー対決という節が見られました。

流れの中では、大分が積極果敢なプレッシング。
肝となる福森に対しての規制で、そこから繰り出されるはずの縦パス・フィードを封じ込めた事でペースを掴みます。

そして自身がボールを握って攻撃の組み立てを図り。
その内容は一重に、前節CBでのプレーを強いられたWB2人が本来の仕事である高い位置を取り、どうそこに繋げるかというもの。
立ち上がりは、直接裏へと届けるボールが目立ち今一つ有効打にならず。
しかし徐々に、最終ラインとWBの間に配置する選手を利用しての縦パスでペースを掴み始め。

しかしその形は両サイドで差異があり、野嶽の居る左サイドには、シャドーの野村が降りてその役割を務め。
一方の右は、最終ラインのペレイラが前に出る事で果たすという変則型。(といってもビルドアップの形としては王道だが)
そして吉田の攻撃力というよりは、そのペレイラの攻めっ気が発揮された序盤戦となりました。
6分に決定機を迎え、右サイドでの繋ぎを経て中川の裏へのボールに走り込むペレイラ、そのまま最奥からマイナスのクロスを送り。
ブロックを掠めてニアに入り、走り込んだ池田は小倉と縺れて撃てずも、中央で弓場が拾い継続し野村へ横パス。
そして野村からシュートが放たれましたが、山根のブロックで防がれ先制ならず。

そんな大分の前向き姿勢をまともに受けた横浜FC。
福森のセットプレー以外に好機を作る事が出来ずと、窮鼠猫を噛むといった内容のまま、飲水タイム(24分)でブレイクとなり。

明けた直後も、27分に大分のFK、30分に横浜FCのFKでいずれも野村・福森が放り込み。
キッカーの競演で幕を開けると、それに従うように展開自体もさほど変わらず。
即ち大分のボール保持の局面が目立つ状況のままとなります。

横浜FCにとっては不利な内容で、ユーリ不在な分の守備力低下が響くような展開。
しかし32分、大分のゴールキックでのロングフィードからボール争いを経て、確保した横浜FCが縦に速い攻めを繰り出し。
そしてそれは福森の縦パスと、大分サイドが最も警戒していたはずの起点によるもので、そのまま高橋利ポストプレイ→カプリーニスルーパスにより裏を取った小川。
この速攻を大分ディフェンスは防ぎようが無く、GK濱田が高い位置取りでゴールを空けていた所を、あえなく小川のロングシュートで付かれる格好となり。
ゴールネットが揺れ、全てをひっくり返すような横浜FCの先制点が齎されました。

ペースは掴んでいるだけに、早めにやり返したい大分。
35分に2度目の決定機が訪れ、左サイドで野村が降りての組み立てによる前進の姿勢から、中川のサイドチェンジで右奥を窺い。
受けた吉田からポケットへパスが送られ、池田のポストプレイを経てペレイラがシュートを放ち、GK市川がセーブした跳ね返りを弓場が突く願っても無い絵図となり。
しかし井上がブロックして防いだ横浜FC、尚もこぼれ球を繋いで野村のスルーパスが左ポケットに入り、走り込んだ野嶽の手前で遮断されたこぼれに鮎川が走り込み。
この決定的な場面もGK市川が前に出て撃たせずと、エリア内の局面で流石の横浜FCの堅守が光る格好となりました。

その横浜FCは、リードを得た事で自身もポゼッションを高める思考を強め。
右サイドでカプリーニの推進力と、山根のクロスとの噛み合いで何度も好機を作り、流れを反転させに掛かります。
それでも、全体落ち着きを得る効果の方が強いといった格好で、決定機は作れず。
しかし大分の流れも失われ、全体尻すぼみといった感じで前半戦の幕は閉じられました。

共に交代無く迎えた後半。
横浜FCは後半2分、自陣での左スローイン→福森のラフな蹴り出しで一気に大分の最終ライン裏を突きに掛かり。
この高く難しいボールに対し、クリアが小さくなった所をカプリーニが拾うという形で好機となり。(その後右からクロスもクリアされる)
形を重視する大分(あくまで印象ですが)に対し、どんな手を利用しても流れをもぎ取らんとする横浜FC、という対比に移ったその最初のシーン。

これにより立ち上がりの5分間は横浜FCのペースとなり。
追い掛ける大分にとっては面白くない展開ですが、それでもどういった形でもこれを反転させなければ話にならない状況。
6分に左からの攻めで、野村のレイオフを受けにいった池田がガブリエウに倒されて反則。
これで池田とガブリエウがヒートアップする一幕が見られましたが、これによる左からのFKという好機。
キッカー野村の中央へのクロスを、安藤が掠めるようにヘディングシュートを放ちましたが、GK市川のセーブに阻まれ決められません。

しかしこの乱戦めいた絵図から、再度攻勢に入る大分。
前半からやや形が変わったようで、前述の好機のように左サイドで野村が高い位置を取る場面が増え。
左に降りる役目は中川となり、池田がボランチの位置に降りる……といったマイナーチェンジで目線を変えに掛かったでしょうか。
そして逆の右サイド奥を突き、走り込む吉田がマイナスのクロスという場面を2度作るなど、両サイドをくまなく使う攻めを駆使。

それでも得点出来ず、それに伴い早めに動く片野坂知宏監督。
14分に攻撃の肝となっていた野村を退かせ高橋大を投入と、変化に舵を切ります。(高橋大が右シャドーで、池田が左に回る)

そして18分、右からの攻めでCKを獲得するとこれが運命の分かれ道に。
キッカー高橋大のクロスが跳ね返されると、それを読んだか前に出た福森に直接渡りドリブルの体勢に。
横浜FCのカウンターかと思われましたが、足が速くない福森故に囲まれて奪われてしまい、拾ったカプリーニも弓場に奪われて逆カウンター状態に。
吉田が持ち運んで右ポケットへスルーパスを送ると、走り込んだ高橋大がグラウンダーでクロス、そして中央で鮎川が合わせ。
ゴールネットに突き刺し、ノンストップで決めきり同点に追い付きます。
一方横浜FCサイドは、福森のロストの場面が反則気味だった事で異議を唱えますが、(仮に反則だったとして)カプリーニが拾ってアドバンテージの形になっていた事が主審の判断を難しくした格好に。
意見の分かれる判定である事に疑いようは無いものの、納得し難い失点になってしまいました。

ペースが乱れるのを嫌った横浜FCは、キックオフの前に2枚替え。
中野・カプリーニ→村田・パウロへと代え、新たな駒の推進力に賭ける格好となりました。
村田の推進力は言わずもながで、パウロの能力も申し分無いものの、これにより山根がカプリーニとの連携を失ってしまったのがその後の展開を分けた感じであり。

一方逆転を目指したい大分、23分にまたも中川の左→右へのサイドチェンジが吉田に渡り、奥を窺いつつのパスワーク。
そしてその最中に吉田が(小倉に)反則を受けた事でFKとなり、キッカー高橋大のクロスをペレイラが合わせヘディングシュート。(枠外)
前半とは打って変わって、セットプレーでもカウンターでも……という、横浜FCが持ち併せている勝負に徹する思考に落ち着いた感がありました。

このフィニッシュ直後に飲水タイムが採られ、勝負の第4クォーターに。
そして横浜FCはさらに交代カードを切り、27分に小川・高橋利→伊藤・櫻川へと2枚替え。
これにより、脅威である櫻川を中心とする高さを活かす立ち回りへと傾倒し。

32分の横浜FC、縦パスを受けたパウロが溜めを作って左へ展開、そのまま福森のアーリークロスがボックス内を襲い。
ニアで伊藤が跳ぶも越え、ファーで櫻川が足で跳び込むも合わずという結果になるも、右ポケット奥で山根が拾い継続させ。
しかし再度入れられた山根のクロスは大きく精度を欠いてしまいます。
良く「クロス数リーグ1位」と放送席で称賛の声が目立つ山根ですが、その精度に関しては言葉に苦しむ、という格好であり。(逆サイドでは福森の精度があるだけに尚更)

一方大分も33分にカードを切り、久々にベンチ入りとなった長沢を投入します。
鮎川と交代(同時に中川→屋敷へと交代)し、1トップに入るかと思われましたが、左シャドー。
そして同時投入の屋敷が1トップを務める形になりました。(池田がボランチに回る)

この変節が巧くいかなかったか、以降横浜FCが一方的に攻撃機会を得る流れに。
左サイドから、村田の推進や福森のクロスを駆使して好機を作らんとし。
その一方で逆の右からは、山根がアーリークロスを入れてはフイにするという絵図ばかりが目立ち。
先程のクロス失敗で色を失ってしまったように映り、折角の展開からもフィニッシュに結び付けられません。(36分に井上→三田に交代)
唯一41分に右サイドからのアーリークロスで好機が生まれましたが、その際上げたのはパウロで、内容もカットインでハーフレーンに移ってから逆足で鋭いクロス。
これをファーで村田が足で折り返し、櫻川が跳び込むも僅かに合わずというシーンを演出します。

一方受けに回った大分、最後の交代は42分で香川・弓場→デルラン・小酒井へと2枚替え。
これ以降も凌ぐ状況が続きましたが、45分に横浜FC攻勢の隙を突くように、高橋大の裏へのロングパスに屋敷が走り込み。
右サイドで受けると思われた所で、ンドカのチャージに遭い倒れてしまいますが、反則の笛は鳴らず。
タッチライン際という事で、大分ベンチも総出で異議を噴出させる事態となります。
終盤故に熱くなるのは必然なものの、得点シーンでも判定が味方したような格好だったため、運としか言いようが無く。

そして突入したアディショナルタイムも、ひたすら続けられる横浜FCのクロス攻勢。
流れの中でガブリエウもエリア内へ入り込み、ターゲットとなるなど半ばパワープレイのように攻め上がります。
しかし単調さが浮き彫りとなり、大分ディフェンスも集中力を切らさず。
ボックス内ではフィニッシュに持ち込めず、パウロや村田のミドルシュートも決まらずと、攻撃を続けている割にはゴールが遠く。

そして8分あった目安時間も過ぎ去り、試合終了の笛が鳴り響き。
1-1で引き分けに終わり、横浜FCにとっては今後の首位戦線に不安を覗かせる試合となった感がありました。

一方の大分は何とか勝ち点1を積み上げ。
伸びてくる降格圏の魔の手を振り払い、苦しいシーズンを凌ぐ事が出来るでしょうか。

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