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DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ グループH第6節 ブリーラム・ユナイテッドFCvsヴァンフォーレ甲府

2023-12-14 16:01:43 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • コイントスでコートチェンジ。
  • タイでの試合という事で、飲水タイムが前後半に設けられる。
  • ブリーラムは5節・浙江戦(2-3)での試合後の乱闘の影響で3選手が出場停止処分。シェイダエフ・ジェームズ・チティパットの3人。

甲府ベンチメンバー =GK渋谷 松田 山本 蓮川 小林 荒木 林田 鳥海 佐藤 三平 宮崎 ジェトゥリオ

前回のACLの記事-5節・甲府vsメルボルン(3-3)


日本での試合は全て終わったものの、世界での戦いはまだ続き。
既に1位通過が決定している川崎(グループI)を尻目に、甲府は非常にシビアな状況を強いられているグループリーグ最終節。

1位通過の条件としては、勝利の場合は、同時刻で行われている2位・メルボルン(vs浙江FC)が引き分け以下。
メルボルンが勝った場合は得失点差勝負となりますが、現段階でともに+2なためこの試合でより点差を付けた方が1位と非常に判り易い状況です。(同じならば総得点で勝負)
引き分けの際はメルボルンが6点差以内での敗戦で無条件(それ以上の点差だと浙江が上に出る)、引き分けの場合は得失点(以下略)ですが、ともに+2のまま変わらないので総得点勝負となるとメルボルンは出来るだけ点を取らなければならず僅かに甲府が有利。

甲府・メルボルンの双方が引き分け以下で、かつどちらかが負ければ、勝ち点差2で追うブリーラム・浙江にもチャンスが出て来るという混戦ぶり。
そのため、この日の相手であるブリーラムもモチベーションは全開という感じでしょうが、メンバー編成的には厳しく。
5節での乱闘騒ぎにより主力のシェイダエフが出場停止となり、かつ故障者も大量発生しているとの事。
そのため前節から4人の入れ替え(うち2人が最終ライン)を余儀なくされる厳しい状態で、僅かな望みに賭ける事となりました。

既にリーグ戦も終わり、二兎を追う戦いからは逃れられた甲府。
そのためアウェイの試合でもコンディションは良好という感じで、前線からの守備が冴え渡る立ち上がり。
そのプレス能力が不安視されるウタカも、前半8分にはプレスバックでチャウシッチからボール奪取してショートカウンターに繋げる働きを見せます。(奪ってすぐエリア内へスルーパス、走り込んだクリスティアーノが右ポケット奥からグラウンダーでクロスもクリア)

7分にクリスティアーノの右からのクロスを長谷川がファーで合わせヘディングシュート(ゴール左へ外れる)、9分には中央から長谷川がウタカとのパス交換を経てダイレクトでシュート(ブロック)と、良い感じでフィニッシュを重ねていく甲府。
しかし12分、GK河田のフィードが前方の松本凪に当たり乱れた辺りから風向きが変わり始め。(拾ったササラクがスルーパスも合わず)

試合も落ち着き始めたと見るや、甲府も最後方から地上で繋ぐビルドアップを敢行。
しかし14分にはそれに対するブリーラムのプレッシング、パスを受けに来る中村に対するチャウシッチのプレッシャーを見るや、井上は切り替えて飯島へ対角線の縦パス。
これが読まれてしまいピーラドルにカットされ、ショートカウンターになりかける(スパチャイへのパスが繋がらず)という具合に、速攻が出来ない状態での甲府の攻撃はどうしても今一つに映り。

そんな状況故に、徐々にブリーラムがポゼッションを高め、長短交えた攻めで甲府陣内でサッカーを繰り広げる展開に。
22分にはタナクリットが左奥を突いてカットイン、ポケットから中央への戻しを経てティーラトンがダイレクトでシュートを放つも井上がブロックと、何とか防ぐ甲府。
アウェイ故に、いくら最良の準備が出来たといっても守備で奔走されたくない所。

しかし意外な形で先制点が入り、24分にブリーラムが最終ラインから作り直さんとした所を、スポーンのトラップが大きくなった所を突いて長谷川がボール奪取。
そのまま左ポケットへ切り込んでシュートを放つと、クールズのブロックを掠めた結果ゴール右上に突き刺さります。
組織的なプレッシングというよりは長谷川個人の積極性によるショートカウンターで、先制を果たした甲府。

そのためか、リードを奪っても甲府はゲームを支配する事が出来ず。
ブリーラムの攻撃機会が膨らみ、自陣でボールを回されながらも何とか凌ぐという時間が続きます。

30分に飲水タイムが挟まれ、中盤でのフリーキックで中断したため、キッカー・ティーラトンの放り込みで再開させるブリーラム。(そのままゴールライン割る)
33分には微妙な判定でブリーラムの右スローインになり素早く始めるという、前節の先制を許したシーンを彷彿とさせる攻撃。
ここからブリーラムは繋いで、タナクリットのミドルシュートは井上がブロックするも尚も左サイドで拾って継続。
人数を掛けてのパスワークの末にティーラトンのクロスが上がり、ファーサイドでナルバディンのヘディングシュートがゴールを襲いましたが、これも井上がブロックして防ぎ。
同じシチュエーションでの失点は避けた甲府、その後裏狙いの攻撃で流れを変えに掛かり。

そして迎えた38分、左サイドでの組み立てから三浦はアーリークロスを選択。
これをファーサイドでウタカがボレーで合わせると、ラタナコーンのブロックでウタカのすぐ脇にボールがこぼれ。
すかさず拾ったウタカ、コントロールを経て放ったシュートがゴール左へと突き刺さります。
大きすぎる追加点で、ラウンド16進出に前進する甲府。

これで心が折れ気味となったブリーラム、以降はボールポゼッションも乱れがちとなり好機を生み出せず。
逆に甲府はそれを突くように、アバウトなボールで矢印を反転させます。
42分にGK河田のロングフィード、クリスティアーノを越えてバウンドした所にウタカが走り込み、ここからウタカ・クリスティアーノの2人で浮き球を繋いでいき右奥へ。
そしてポケット奥を取った中村から長谷川→飯島と戻されたのち、飯島がエリア内からシュートを放つも右ポストを直撃。

この冷や汗もののシーンで色を失ったブリーラム、その後甲府のスローインの連続で押し込まれた末に右コーナーキックに。
そしてキッカー長谷川のクロスをニアサイドで中村が脚で合わせ、ナルバディンが眼前でブロックするも、こぼれ球がファーサイドのウタカの下へ。
綺麗なお膳立てとなってしまい、すかさず放たれたウタカのシュートでゴールネットが揺れ3点目。
前半のうちに3点リードと、理想的な展開となった甲府。

一方厳しい状況となったブリーラム。
目安4分と長めのアディショナルタイムで、再びボールポゼッションを高めて攻め上がるも、フィニッシュには辿り着けず。

0-3のまま折り返しとなり、当然ながらハーフタイムで動いてくるブリーラム。
スパチャイ→アーティットへ交代と、1トップを入れ替えて後半に臨みました。

大きくリードした甲府でしたが、一抹の不安は長かった守勢の時間。
それ故に後半はボール保持の割合を増やしたい所でしたが、落ち着きたいという姿勢を強く出した所を突かれます。

後半3分、敵陣でボールを確保した所をチャウシッチの反則気味のアタックで奪われると、最終ラインでのパスワークからチャウシッチの縦パスで前進を図るブリーラム。
受けたピーラドルが中村の同じく反則気味のアタックで倒されるも、こぼれ球をダイレクトで裏へ送ったティーラトン。
これで甲府の前へのベクトルの逆を突く形となり、抜け出して受けたのは交代で入ったアーティットで、そのままドリブルで右ポケットを切り裂いた末にシュート。
前に出て来たGK河田の股を際どく抜き、ボールはゴール内へと転がって1点を返します。

切り替えの部分で上回られてしまった甲府。
やはり前半での浪費具合は激しかったようで、その後もブリーラムに支配される攻撃機会。

ブリーラムはビルドアップの形を修正してきたようで、ピーラドルが降りて最終ラインからのパスを受ける機会が増え。
それに伴いティーラトンが左ワイドの位置へ流れるという、ボールの出所を掴まえ辛くしたうえでの組み立てが冴え渡ります。
そして送られるロングパスには、投入されたアーティットの落としが強力で、セカンドボールを確保出来なくなった甲府は押し込まれ。
6分には左からティーラトンロングパス→アーティット落としというその狙い通りの流れを経て、タナクリットがダイレクトでミドルシュートを放ちましたが惜しくもゴール右へと外れ。

一転した流れのまま迎えた9分、左サイドでの運びからサイドチェンジを決めるブリーラム、ナルバディンのダイレクトパスを受けたピーラドルが中央から切り込み。
そしてエリア内へ進入してシュートを放つと、ブロックに入った井上の腕に当たった事で笛が吹かれます。
ハンドの反則で、井上が腕を上げていたためVARチェックの必要性も無くPKの判定に。(カードの類が出なかったのがこれ幸いか)
チャウシッチがキッカーを務め、右上に蹴られたシュートはGK河田の反応も届かない位置に決まり、これで2-3と一転して接戦に。

僅か10分で一気に1点差に迫られた甲府。
何とか突き放して楽になりたいという状況で、14分に再度ラフなロングパスから好機。
高いボールを足下で収めたウタカ、中央を前進していきペナルティアークから強烈なシュートを放つも、ゴール上へ外れてしまい追加点はなりません。
直後にそのウタカが退き、三平を投入。
同時に飯島→蓮川へと交代し、センターバックを増やして3-4-2-1の布陣を採る修正を図った篠田善之監督。

それでも中々それが嵌らず、左に張り出すティーラトンを掴まえられないのが最大の懸念に。
16分にそのティーラトンが溜めを作ったのち縦に速く運び、左奥からタナクリットのクロスが上がると、ノーマークのピーラドルがファーサイドで合わせ。
このヘディングシュートを、GK河田が右手一本で防ぐファインセーブと、寸での所で凌ぎます。

この流れは攻撃で切る、と言わんばかりに19分、ゴールキックから再びGK河田のロングフィードによるアバウトな攻め。
三平の頭を越えると一気に左奥まで到達したボールに、クリスティアーノが追い付いた事でCKに持ち込むという具合に、メンバー落ちの相手に対して脅威となり得ていたラフなロングボール。
この左CKから、クロスのクリアボールが真上に上がった所を井上が叩き付けるヘディングシュート、バウンドしてゴール上部を襲うもナルバディンがヘッドでクリアして決まらず。

多少強引にでも押し込んだ事で恐怖を覚えさせたか、24分にブリーラムベンチが動いてスポーン→ピヤワットへと交代。
するとシステム変更も敢行し、4-2-3-1へとシフトします。
(↓こんな感じ)

攻めの面では良好を保っていただけに不可解なものでしたが、甲府の布陣変更によるミラーゲームを避ける思惑だったでしょうか。

その不可解さ故か甲府ペースは続き、27分に中央から縦パス攻勢。
最初の中村→クリスティアーノへの縦パスはカットされるも、拾った松本凪のスルーパスを受けた三平が右ポケットを突く決定機。
しかし放たれたシュートはGKシワラクのセーブに阻まれます。
その後甲府ベンチも動くと、神谷→鳥海へと交代。
CBを1枚削った事で、再度4-2-3-1へと戻す策を採り、あくまで相手に合わせたミラーゲームを徹底しに掛かり。

この決定機により得た甲府のCKを挟み、ブリーラムベンチも慌ただしく動き。
29分に2枚替え、ピーラドル・タナクリット→タワチャイ・セクサンへと交代。
これによりトップ下のセクサンがボランチの位置に降り、それに伴いティーラトンが最前線に走り込むという具合に流動性は加速。
30分に挟まれた飲水タイムののち、再度攻撃権を支配するブリーラム。

ベンチワークも勢いに乗ったか、35分に早くも最後の交代を敢行しチャウシッチ→ジラポン。
これによりジラポンが右サイドハーフに入り、セクサンがボランチ・タワチャイがトップ下に回ります。

投入されたジラポンが良い位置でパスを受けては、突破力を発揮し右奥を突くという具合に攻めはさらに加速するブリーラム。
甲府も37分に最後の交代、中村・クリスティアーノ→林田・ジェトゥリオへ2枚替えを敢行するも、その流れは堰き止められず。
左サイド(ブリーラムから見て右サイド)を押し込まれ、クロスを上げら続ける厳しい展開を強いられます。
40分にはスローインの際に、こぼれ球を抱えた甲府コーチ(外国人っぽい風貌だったのでフィジカルコーチのウェイリントン氏か?)に対し、ナルバディンが強引にそのボールを取り返し。
それによりコーチが紛糾する事態となるなど、守勢故の苛立ちも垣間見えます。

何とかフィニッシュには持ち込ませず、時間を経過させる甲府。
それでも43分、自陣で何度もパスカットを見せて防ぎ続けるも、右からのナルバディンの縦パスがポケットを突く危機。
受けたタワチャイのクロスをクリアした所を、ササラクのミドルシュートが放たれましたがGK河田がこれをキャッチ。
こうした展開では、復帰を果たした守護神・河田の存在はやはり頼もしくありました。

攻勢止まらずといったブリーラムですが、3点目を奪えないまま時間は押し迫り。
アディショナルタイムに入った事で、クールズを前線に上げてパワープレイへと意識を切り替えます。
しかしパスを繋げていた状況故に、この転換は凶と出てしまい。
放り込みに終始した結果跳ね返され続け、やっとクールズが落としに成功したボールも繋がらずと良い流れは完全に止まってしまう事となり。

道中、判定への異議で篠田監督が警告を貰う一幕もありましたが、一転して危なげなく逃げ切りの道を構築する甲府。
そして目安の5分に差し掛かった所で、試合終了の笛が鳴り響きます。

価値あるアウェイでの勝利を挙げた甲府、これで勝ち点は11に。
そして他方メルボルンは、終盤まで1-0でリード。
しかし甲府の試合終了後もATは続いた結果、+9分に浙江の同点ゴールが生まれる事となり。
そしてそのまま引き分けとなり、これで甲府の1位が確定する結末となりました。
よってラウンド16進出が決定と、J2勢初の快挙に沸き上がり。
前年の天皇杯での快進撃そのままに「J2の誇り」を見事に体現した甲府、翌年へとその戦いは続きます。

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