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DAZN観戦 2022年J2リーグ第34節 栃木SCvsザスパクサツ群馬

2022-09-07 16:01:54 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(30節・熊本戦、0-2)
※前回の群馬の記事はこちら(28節・山形戦、1-0)

<前節からの変更>

栃木=前節(長崎戦)は中止のため32節を準拠、しかしそこからは大森→大谷(左センターバック)1人のみの変更に留まる。好循環を維持するべくの采配だが、控えには13節以来のベンチ入りとなるジュニーニョの名前が久々に。

群馬=2人を変更し、2トップをそっくり変更。加藤・北川→鈴木国友・川本となり、これで高木友也・長倉と共に夏の移籍組が勢揃いとなった。

スタメン

後半戦最初の北関東ダービー。
最初といってもシーズンが押し迫る時期であり、現に群馬は残留争いにどっぷりと浸かった状態で迎える事に。
それでも前半戦に水戸が2敗を喫しているので、このカードに勝利した方が(勝ち点7となり)優勝も決まるという、非常に明快な状況でぶつかりました。

そのキックオフ、栃木ボールで始まると神戸縦パス→大島ポストプレイ→谷内田ダイレクトで裏へロングパスという定型の攻めの流れを、ファーストタッチからいきなり披露してエリア内右を突き。
走り込んだ黒﨑には繋がらずもこれでコーナーキックを奪った事で、試合の主導権も奪う事となったでしょうか。

その後群馬は栃木のプレッシングに、手を焼くどころかほぼ何も出来ないという状態に。
右肩上がりとなり3バックの形でのビルドアップを図るのはいつも通りですが、その変形により栃木の前線の形とガッチリマッチングしてしまい、全く前へ運べずとなってしまいました。

守備時の4-4-2ブロックも、そんな選手の状況を受けてあっさりと崩れ、5バックで凌ぐ体勢へシフトします。
しかし時間が早かった事もあり、川本・鈴木国の2トップを維持しようとしたのが裏目に。
スペースを利用される事で栃木にボール保持され続け、時にはサイドハーフ双方が最終ラインに降り、6バックに見えてしまう程押し込まれるという立ち上がりとなりました。

一方攻め上がる栃木、左右のCBの上がりも積極的で、何度もアタッキングサードに進入するも最後の崩しの部分で今一つ。
黒﨑を軸にした右サイドから何度もクロスを入れ、そのクロスも手前から・奥から・グラウンダーでマイナスのものという多彩ぶりを見せましたが、群馬の必死の守備もありフィニッシュに繋げる場面は殆ど無く推移します。
それを突かんとする群馬の攻撃も、上がり目の岡本を活かしての右サイドアタックに終始して今一つ機能せず。(そもそも攻撃機会自体が少ない)

そんな流れで迎えた前半16分、最後尾のカルロス・グティエレスのフィードが左サイドの福森に渡り、短いカットインを経てクロス。
ニアサイドを低いボールで突いた所に矢野が跳び込んで合わせ(枠外)、ようやく綺麗なフィニッシュの形が生まれた事でここから栃木の独壇場となります。
手数を掛けない攻撃が機能した事で、警戒ポイントが増えた群馬サイドは一層専守の体勢を強いられ。
守備の形は5-4-1で一定(川本の1トップで、鈴木国が左シャドー)となったようでしたが、グティエレスから始められる長短交えた栃木の攻撃に振り回され続けます。

何とか無失点のまま飲水タイムを迎えました(22分)が、以降も流れを変える事が出来ない群馬。
栃木はボランチでは谷内田・シャドーでは大島のポジション取りが巧妙で、彼らを捕まえられずに崩されるがままといった状況であり。
24分には左ワイドで受けた谷内田のボールキープを経て福森が手前からクロス、中央で宮崎がヘディングシュートを放つもGK櫛引が右手一本でセーブと辛うじて防ぎ。
決壊は免れないといったなかで迎えた25分、鈴木海音のロングパスが右サイドに渡ったのち、細かい繋ぎで中央へ。
大島のパスを受けた谷内田が放ったミドルシュートはブロックされるも、尚も左サイドで福森が奥へ切り込んでクロスが上がると、宮崎が合わせたボールは上空へ。
これで生まれたエリア内の乱戦をモノにした形となり、大島のフリックが矢野に収まり、ブロッカーをかわして放たれたシュートがゴール右上へと突き刺さりました。

流れ的に必然といった感じでしたが、リードを奪う事に成功した栃木。
尚も手を緩めず、27分には最終ラインからショートパスでのビルドアップで前進、黒﨑のクロスから宮崎がヘディングシュート。(ブロックに当たりGK櫛引キャッチ)
続く29分には再び右サイドから黒﨑のクロス、矢野の落としを経て大島がシュート(ブロックに当たりGK櫛引キャッチ)と攻め立て。
クロスから何度もフィニッシュを生み出した黒﨑でしたが、その一方で35分にはスローインの流れで右ワイドからカットインしてハーフレーンを突き。
そして例によってクロスを入れた(クリアされる)ものの、ここでミドルシュートを選択して欲しかった所であり、同時に圧倒的に押し込んでいる割には爆発力は今一つといった状態を象徴するシーンに思えました。

この後栃木が省エネモードに入ったのか、プレスを控える姿勢を採った事で群馬はようやく攻勢に入り、押し込まれていた左サイドも高木友の上がりが目立ち始め。
川本・鈴木国も推進力を見せるも、劣勢を挽回するまでには至らず。
結局1-0のまま前半を終える事となりました。

修正したい群馬ですが、ハーフタイムでの交代は無し。(栃木も)
しかし前線の形を変えたようで、川本・鈴木国がサイドでのプレーが目立ち、逆に右SH登録の長倉は中央~左サイドでパスを受けるシーンが増え。
どうやら攻撃時は長倉が頂点の3-4-2-1としたようであり、これで目線を代える事に成功したのか、攻撃機会では上回りを見せます。

しかし可変する分守備時の前線の形が定まらなくなり、反撃の肝となるプレッシングが巧く掛けられないといった印象の群馬。
それを突くように栃木が反撃し、追加点を狙いにいきます。
後半7分にはグティエレス縦パス→大島フリックから敵陣で展開、左ハーフレーンでパスを受けた福森が、カットインを経て中央からシュート。(枠外)
15分には群馬が攻め込んだのちのカウンターで、クリアボールを拾った大島から宮崎経由で右へ展開、黒﨑の持ち運びで一気にアタッキングサードへ。
最初のクロスがクリアされるも尚も繋ぎ、エリア内右から再度黒﨑のクロスが上がると、GK櫛引がパンチングするも谷内田の落としで継続。
大島のポストプレイを経て谷内田のシュートが放たれるも、GK櫛引の今度は左手一本でのセーブに阻まれゴールならず。

群馬は主体的な攻撃を繰り広げ、栃木の前線の五角形の内側を巧く使って組み立てる場面も見られましたが、全体としては今一つ。
ショートパス主体で繋ぐなか、川本がスルーを交えて崩さんとするもカットされる(17分)など、移籍選手主体の前線故に連係不足が疑われるシーンもありました。
それでも攻め込まれていた事に変わりは無いのは栃木で、18分に交代カードに手を付け、宮崎・神戸→根本・西谷へと2枚替え。
この交代で黒﨑・大島にも鋭さが戻り始め、再び押される事となった群馬は21分に交代を敢行。
鈴木国・小島→北川・山中へと2枚替え。

25分に飲水タイムが挟まれ、群馬にとっては何とか流れを変えたい第4クォーター。
栃木の前線の守備に対しては、長倉が降りてビルドアップの出口となる事でようやく改善傾向に。
ボールは握れるようになったものの、前半立ち上がりの栃木と同様に、どうやってフィニッシュに持ち込むかという課題に追われる事となります。
上がり目の位置をキープする岡本を軸に攻め立てるも、右サイドから何度か黒は上がるもののシュートは放てず。

終盤も近くなり、両軍ともに2度目の交代。
36分に栃木が大島・矢野→高萩・ジュニーニョへと交代すると、間も無く群馬も風間・高木友→奥村・白石へと交代します。

久々の出場となったジュニーニョの見せ場は39分に訪れ、西谷の右→左のサイドチェンジから左サイドで攻め込み、大谷の縦パスをフリックしたジュニーニョがエリア内でリターンを受ける状況に。
そしてグラウンダーのクロスを入れたものの、ニアサイドに走り込んだ大谷には僅かに合わずとなりました。
栃木がカウンターの鋭さを増した一方で、群馬は何とかこじ開けようとするも道のりは厳しく。

最後の交代はともに右ウイングバック同士で、栃木は42分に黒﨑→森。
そして群馬は45分に岡本→深堀と、ここで深堀を大外で起用するという博打に近い手を見せてきた大槻毅監督。

それでも栃木は勝利に後一歩という状況で、しっかりと中央を固めるのに対しひたすら跳ね返され続けるだけの群馬。
そして前線でのボールキープを許していき時間を使われ、とうとうアディショナルタイムも最終盤となります。

しかしそこでドラマは待っており、深堀の蹴り出しをブロックにいった栃木・谷内田がハンドを取られ、右サイドからのフリーキックで最後の攻撃に入る群馬。
GK櫛引も前線に加わるなか、上がったクロスの跳ね返りを長倉がシュート、ブロックされエリア内へこぼれたボールを城和が繋ぎ。
そしてシュートにいったのはGK櫛引という出来過ぎの状況を作ると、放たれたボールはブロックにいった栃木・森の腕に当たりハンド、そしてPK獲得という結果も出来過ぎのものとなりました。
失敗は許されないこの場面でキッカーを務めるのはキャプテンの細貝であり、放たれたシュートはGKの届かないゴール左へと突き刺さり。
重圧に負けず、同点ゴールを齎した大ベテラン。

そして次の瞬間試合終了の笛が鳴り、1-1で引き分けに。
北関東ダービー優勝の行方は、残り2試合の水戸に委ねられる事となりましたが、それが行われるのは41節・42節という最終盤。
特に最終節に組まれている群馬にとっては、それまでに残留も決めたいという両天秤になる事請け合いであり、果たしてその行方は。

コメント
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