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DAZN観戦 2022年J2リーグ第37節 アルビレックス新潟vs水戸ホーリーホック

2022-09-20 16:01:11 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の新潟の記事はこちら(33節・岩手戦、2-0)
※前回の水戸の記事はこちら(32節・山口戦、0-1)

<前節からの変更>

新潟=3連戦の最後であり、8人変更と大多数を占めた。センターバックは早川・千葉の2人とも代え、舞行龍ジェームズトーマス・デンのコンビ。左サイドバックが渡邊→堀米。ボランチも2人とも変更、島田・秋山→高・星のコンビに。2列目は松田・小見→高木・三戸へと代え、配置は右が三戸・中央が高木・左が伊藤。1トップもアレクサンドレ・ゲデス→谷口と、センターラインは全て入れ替わった。

水戸=こちらは水曜に順延試合が組まれているので、5連戦の真っ只中。前節負傷交代の鈴木喜丈に代わりCBには山田。その他右SBが後藤田→黒石、ドイスボランチの片割れが前田→土肥で、土肥のシフトで空いた右SHに杉浦。左SHが鵜木→椿、FWが前節トップ下の金久保に代わり木下が入り、安藤との2トップ。5人変更と多めだが、新潟よりは少ない。

スタメン

勝負の5連戦という立ち位置ながら、連敗でプレーオフ圏に向けては崖っぷちとなってしまった水戸。
そんな状況で首位・新潟との一戦を迎え。
戦闘民族的な気質を持つ秋葉忠宏監督の下、首位クラブを叩く事でブーストを掛けるという昇格への一筋を見出して臨んだ事でしょう。
しかし結果はもちろん、内容でも現実は非情と言わざるを得なく。

試合開始からボールを握り、パスワークで水戸を翻弄しにかかる新潟。
それに対して前からディフェンスを掛ける姿勢は見せていた水戸でしたが、フィードに長けたCB2人が揃った(舞行龍・デン)この日のスタメン。
それを利用し巧みに水戸のプレスをひっくり返すロングパスを見せる事で、その気概を逸らし。
当然GK小島の足下も冴え渡り、前半7分には小島の右へのフィードからの細かいパスワークでプレスを脱したのち、三戸の右サイド奥を突いてのクロスをファーサイドで谷口がヘディングシュート。
ゴールバーを直撃する枠外となり、いきなりスコアでイニシアティブを握る事は出来ませんでしたが、気にする風でも無くその後も試合を支配していきます。

水戸は前線の守備だけで無く後方からの攻撃、つまりビルドアップも悲惨な出来となり。
9分にはGK山口からのパスを受けた楠本ですが、新潟の三戸と谷口に左右を切られた末の縦パスが綺麗に高にカットされショートカウンターに持ち込まれ。
そして伊藤の中央からのシュートが炸裂し、GK山口のセーブで何とか防ぎます。
12分には新潟の敵陣でのパスワークをカットするも、すかさずのゲーゲンプレスを受けて星にカットされ返され継続、左サイドでの高木のクロスから再び谷口がヘディングシュート。(枠外)
水戸がボールを持った際の追い込みの素早さ・判断が秀逸であり、ポゼッションのチームだけでは無いという事が憚らずも示された新潟。
13分にはパスを受けた椿、トラップした隙を突かれて新潟・三戸に奪われてしまうと、後追いで反則を犯してしまい警告を受け。
僅かな隙も許されないという新潟のボール奪取ぶりに、完全に頭が掻き回されていたような感じの水戸サイド。

18分にもトラップミスを伊藤に奪われて新潟が決定機、そのまま持ち上がった伊藤のミドルシュートが放たれるも、またもGK山口のファインセーブで防ぎ。
山口が当たっている間に、何とか一糸繋いでそれをモノにしたいというゲームプランを作った、というか追い込まれたと言うべきでしょうか。
19分に黒石の裏へのロングパスがそのままエリア内へ通り、安藤が走り込んで受けるというアバウトな流れから好機を迎えたものの、新潟・デンのスライディングに阻まれ実りません。

ホーム(デンカビッグスワンスタジアム)での大観衆をバックに、そんな必勝の流れを作った新潟でしたが、アクシデントに見舞われる事に。
26分に高木が水戸・楠本のチャージを受けてしまい(スローで見ると足が強烈に曲げられていた)、続行不能に苛まれます。
前節ゴールを挙げた小見を準備させますが、その間に4-4-1の布陣で凌ぎを強いられ。
しかも理由は不明ですが、1トップの谷口が何故か右SHの位置に回っていた新潟。(頂点は三戸)
数的優位の水戸がポゼッションを高めての攻撃を仕掛け、左サイドでスルーパスに走り込んだタビナス・ジェファーソンからグラウンダーのクロスが入るも、合わせにいった木下がオフサイドとなり実らず。
プレーが途切れ、ここで小見が投入されます。(30分・伊藤がトップ下へ回り小見は左SHに、谷口は1トップへ戻る)

そんなイレギュラーな対応を強いられた新潟の隙を突くように、にわかに押し込み始める水戸。
35分には椿の左サイドでの突破から、高岸のミドルシュートに繋げたもののGK小島がキャッチ。
これで前述の一糸繋ぐような「弱者のサッカー」からの脱却はある程度果たされたような水戸でしたが、逆にそれが拙かったでしょうか。
直ぐに立ち直った新潟の反抗を受ける事となり、そしてそれがスコアに直結します。
37分、右サイドで舞行龍縦パス→三戸ポストプレイののち一気に中央→左へとサイドを振り、小見がドリブルで奥へ切り込んでクロス。
ブロックに当たるも伊藤がエリア内左で拾いキープする好機となり、中央で彼のパスを受けた谷口のポストプレイ(2タッチ)を経て、後方の星がダイレクトでシュート。
勢いをもって放たれた強烈なボールにGK山口もどうしようも無く、ゴール右へと突き刺さり新潟が先制点を奪いました。

新潟は尚も43分に水戸のパスミスを拾った谷口がエリア内からシュート、それをGK山口がセーブするという、瀕死の相手に追い打ちを掛けるような好機を作り。
誰が見ても厳しい状況となった水戸でしたが、終了間際にそれを覆す好機が訪れます。
44分縦パスをカットした土肥から攻め上がり、バイタルエリアで高岸が新潟・星に倒され反則、良い位置での直接フリーキックに。
「劣勢をセットプレーで跳ね返す」という判り易い流れとなり、その通りにキッカー杉浦の直接シュートがゴール左を襲います。
これがゴールポストを直撃し、跳ね返りを安藤が拾いすかさずシュートしますが新潟・星が決死のブロックで防ぎ。
尚も詰めにいった安藤でしたが結局モノに出来ず、水戸にとって後悔の念が残るシーンとなってしまい前半を終えました。

後半が始まり(ハーフタイムで交代は無し)、早速の後半1分に水戸は、新潟のパスミスを拾った楠本が遠目からシュートを狙います。(枠外)
フィニッシュの意識を高めて同点にせんとしたようですが、残念な事にそれだけでは新潟の強さは揺るがせず。

2分にGK小島のフィードが絶妙な距離を描いて右サイドに向かうと、ダイレクトプレーの連続で繋いでいき三戸がドリブルに持ち込み。
そして中央へカットインしてミドルシュートが放たれ、ゴールバー直撃という際どいシーンを創出。
変幻自在といった小島のフィードに、水戸ディフェンスも対応出来ず成す術がないようなワンシーンとなり。

反撃したい水戸ですが、繋ぎにいったパスがあっさり眼前でカットされ逆に危機を招く(4分)など、ビルドアップでの軽いプレーでみすみす流れを失い。
幸い新潟の守備はプレッシングこそ繊細かつ強力ですが、そこを突破すれば何とか……という感じで何度か攻め込むものの、その度に防がれてからのカウンターも浴びてしまいます。
そして6分にカウンターで谷口が左サイドをドリブルで持ち込みキープに入った所、後方から山田がホールディングして反則となり、新潟のFKに。
クロスを入れるのみという位置でのFKでしたが、そのキッカー堀米のクロスがニアサイドに入り、谷口が合わせヘディングシュート。
GKのほぼ正面だったものの山口は防げず、ゴールを揺らして追加点を挙げた新潟。

尚も攻勢を掛け相手にペースを渡さない新潟、9分に左サイドで長いパスワークを経て小見が中央へとカットイン、水戸・土肥のチャージも物ともせずにミドルシュートに持っていき。(GK山口セーブ)
再びダッチロール状態に追い込まれる水戸。
新潟のパスワークを前にして、プレスにいけばGK小島を絡めての繋ぎでかわされ、逆に構える姿勢をとれば前目の最終ラインを突かれるロングパスでひっくり返されるという悪循環を描きます。

そんな窮状を受けて13分にベンチが動き、安藤・高岸→前田・安永へと2枚替え。
ボランチが3人そろったため、4-2-3-1にしたうえで誰かがトップ下に回るという予想でしたが、2トップは保ったまま。
杉浦がFWに回ったかと思えば、後に前田と入れ替わって右SHに戻ったりと、何かとせわしなく映りました。

リフレッシュ効果か、何度か敵陣で新潟のパスワークを遮断する場面も見られましたが、そこからシュートには繋げられずと依然として苦しい水戸。
そこで20分辺りから、タビナスを左CBとした3-4-2-1へとシフト。
椿が左ウイングバックとなり、シャドーに杉浦・前田の布陣となり。
それでも守備時に椿は5バックの位置には下がらずという、3バックと4バックの併用にも映るシステムに活路を見出します。
その後26分に再度交代、3枚替えで一気にカードを使いきった秋葉監督。(黒石・杉浦・木下→後藤田・鵜木・梅田)

プレッシングは機能するようになり、新潟がロングボールで逃げる割合を増やした水戸ですが、今度はその収め所で回収出来ないという問題が発生します。
ラフなロングパスに対しても、跳ね返すどころか逆に谷口の収めから攻められるシーンが増え、踏んだり蹴ったりとなり。
結局攻勢に入る流れを得られず、以降も散発的な攻撃に賭ける状態を強いられました。

その間にも、リードしている上位チームらしい振る舞いを見せる新潟。
三戸が空中戦で痛んだのを機にカードを切り、28分に2枚替え。(三戸・星→松田・島田)
高木のアクシデントという負の事象を忘れさせるかのように、リードを保っていく立ち回りを貫くと共に攻撃シーンも忘れず作り。
35分には長いパスワークの末に、伊藤のラストパスを受けた谷口が右からカットインを経てシュート。(GK山口キャッチ)
38分に最後の交代をした(伊藤・谷口→秋山・ゲデス)後もそれは変わらず。
中盤を崩した末に、投入されたゲデスや秋山が果敢にミドルシュートを狙う場面など、誰が出ても強さは落ちないという事を印象付けるシーンを目立たせる新潟。

アディショナルタイムに突入後も流れは不変で、右コーナーでボールキープする時間も作るという、余裕も感じさせる勝利に辿り着きました。
3連敗となった水戸を尻目に、着実に昇格そして優勝への足場を固める新潟。
内容的にもホームの環境的にも、J2の王者に相応しい試合なのは一目瞭然であり。
再び参入するであろうJ1でどう足場を固めるか……と考えるのはまだ気が早いでしょうか。

コメント
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